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生きてる価値を探す日々  作者: 湯川田 美央
生きることって辛い
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メール

 私はだんだん、原田に対して返信をしなくなっていった。


もう仮面男の言いなりにはならないし、自分が嫌な事はもうしない。


原田からしてみたら、いきなり返信がなくなって、どうしたのかと思っただろう。


もう仮面男には従わない。


私がメールや電話を無視しても原田は、なお送ってくる。


原田からメールや電話が毎日くるようになった。


最初は嫌々ながらも、少しは返していた。

  

だが、それも面倒になり、電話、メールを無視するようになった。


突然の無視に、戸惑いを隠せない原田は、私が無視しても電話やメールをしてきた。


「電話したいです」


「メールでは駄目なんです」


「ただ一度だけ、ゆずの目を見て話したい」


「会ってもらえますか」


「自分は柚の気持ちを大切にするから」


「ある日を境に君は予定を言わなくなった」


「気持ちの整理がつかないでいるよ」


「ぽっかり穴があいています」


「よろしければ、電話連絡させてください」


「困ったことがあれば、電話ください」


「自分はやっと本日の勤め終わりました」


「声聞きたいんだ」


「ラストシーンすらなく振られたね」


「柚と離れようとしたけど、できなかった」


「どうして好きになってしまったのか」


「後悔はない」


「この歳になって初めて思いが届かない辛さを知ったよ」


「このまま引きずるだろう」


「誤解しないでください。惚れた俺が悪いんです」


こんなメールが毎日届いた。もちろん返信はしていない。


私は、仕事の関係上付き合ってあげていた。


しかし、それも我慢の限界。


私が思ったより、原田は私のことが好きなのかのかもしれない。


結婚してるのにどんな気持ちなんだろう。


まぁ、原田もそのうち私のことなんか忘れるだろう。


仮面男は、従順な女がほしかっただけ。


また探せばいいだろう。


わたしは、もう仮面男の言いなりにはならない。


最後にこんなメールを一文送った。


「もうメールや電話は送らないでください」


これを送って、すぐに原田をブロックした。

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― 新着の感想 ―
[一言] 怒涛のメールの内容だけを羅列する。 ゾワッときました。 これは少し怖い。 でも返信をしない柚の冷静な心が少し見られた気がして、ちょっとホッとしています。 ただ、原田がどう出てくるのかが心…
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