玄関
仕事が終わった。
今日は、自分のアパートに行って着替えとってきてから晴人の家行こ。
自分のアパートで支度をしているとき、ピンポーンとチャイムがなった。
「はい」
ドアを開けるとそこには見知らぬ女性が立っていた。
「あなた、佐々木さんですか?」
「そうです」
そう答えた瞬間、女性の目つきが変わった。
「あなたが最低な女ね! なんてことしてくれたの!」
「……」
呆然とした。ドアを開けたら知らない女性がいて、その女性に自分は今罵倒されている。
「なんのことですか?あなたは誰ですか?」
「わたしは、原田泰の女よ!
あなた、彼を騙したでしょ!
好き勝手に付き合って!
あなたが現れるまで私たちはうまくやっていたのに。
彼は、今刑務所になぜかいなきゃいけないのよ。
あなたのせいよ!あなたが騙したせいよ!
あなたなんて、この世に存在しなければ良かったのに!
刑務所に入って面会する度に柚に会いたいって言うの。
変でしょ。
私のことなんか、これっぽっちも考えてないし、想ってないの。
あなたに全部取られたからよ。
あなたさえ、いなければ。あなたなんて、死んじゃえばいいのに」
泣きながら怒りながら彼女は、言葉を発していた。
たしかに彼女の言う通りだ。
私なんて、この世に存在しなきゃよかった。
そんなことわかってる。
わかってるから、言わないでよ。
ごめん。ごめんなさい。
私が断ればこんなことにはならなかった。
断れなかった私が悪い。
私が悪いんです。
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