67/86
新しい日常
晴人のマンションに住んで仕事に行くという日々が1ヶ月続いた。
1ヶ月も続くと、日常になってくる。
マンションの入り方も慣れたし、仕事も前のように働くことができていた。
営業では、上っ面の笑顔を振りまいて上手くやっていた。
人と関わるのは苦手。話すのは好きじゃない。
だけど、そんな自分だったからいじめられた。
だから、そんな失敗は2度と繰り返したくない。
そんな思いを中学のときから、ずっと思っていたからトーク力は人より上がってしまった。
「トーク力あるよね、うらやましい」とよく言われる。
でも、本当のわたしはそんなことないのだ。
1ヶ月経ったけど、晴人には上手く隠せている。
わたしの闇の部分を。
きっとこれを知ったら、ひかれるんだろうな。
だから、隠す。
いつまで隠せるか分からないけれど、できるだけ隠したい。
晴人のそばにできるだけいたいんだもん。
晴人には騙しているようで申し訳ないけど。
少しくらい、幸せな日々を過ごしてもいいよね。




