ボンゴレビアンコ
仕事が終わって、晴人の家に向かう。
今日はもう家にいるらしい。
「おじゃましまーす」
「はーい」
「このアパート防犯しっかりしてるね」
「でしょ。これで安心。荷物は運んであるよ」
「ありがと。助かる」
これから、晴人との共同生活が始まる。
嬉しい反面、不安もある。
誰にも言ってないこと。
まぁ、バレたときはそこまでということで、しゃーなしか。
晴人のマンションは、住人以外は入れないようになっている。
そして、エントランスがある。
受付のような方もいらっしゃる。
お金だけで、こんなにも違うものか。
わたしは、アパート暮らしだったから、マンションに暮らすなんて夢にも思っていなかった。
しばらくの間、わたしが帰る前にマンションにいてくれるらしい。
医者にとって、どれだけそれが大変なことか。
晴人に感謝。
晴人の部屋に入ると、わたしのアパートとは、レベルが違った。
一言で表すと
美しい。
「いいにおいする」
「ボンゴレビアンコ作っておいた。あと、前菜とかいろいろ」
「え! 神! めちゃ美味しそう! ありがとう! 」
ボンゴレビアンコは、とても美味しかった。あさりがふっくらして、パスタとからまっている。
「実は料理好きなんだ」
「美味しすぎるよ」
「ありがと。今日のボンゴレビアンコは、にんにく入ってないから安心して」
「え! にんにく入ってないのにこの味! 上手すぎ!」
わたしが作るより上手い。
釣りに行ったら、その魚を調理してもらおうかな〜なんて、考えながら食べた。
仕事の疲れが一気に吹っ飛ぶ夕飯となった。




