坂井Ⅴ
2日目。
まだ佐々木柚は目を覚さなかった。
佐々木柚の担当医は、僕坂井がすることになった。
様子を見に行く。
「みんな元気ですか?」
「坂井先生〜! 元気ですよ」
佐々木さんと同じ病室の3人が返事をする。
「この間、お孫さんきてましたね。可愛かったですねぇ」
「そーなのよ。ちっちゃくてね〜。私の宝」
いつも通りの会話をして、病室に入る。
佐々木柚のベットには誰もいなかった。
ちょうど帰ってしまったところのようだ。
ほんときれいな寝顔だな。
しゃべったこともないのに、少し惚れてる自分がいる。
それと同時に、彼女のことを心配している。
日々、たくさんの患者に会ってるからなんとなくなんだけど、佐々木には影がある気がする。
普通の人よりも厚い影。
こんなきれいな人なのに、過去に何かあってそれを抱えているような。
目を覚さないのも、この世に生きていたくないからじゃないのか。
ストーカーされてるだけでも十分怖いし、ストレスだよな。
1人で抱え込んで辛かっただろうな。
よく頑張ったな。
でも、まだ生きててくれ。
僕は佐々木さんと話してみたいんだ。
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