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生きてる価値を探す日々  作者: 湯川田 美央
佐々木柚の過去
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クラス替え

 いじめられたときに、1回だけ勇気を出したことがある。


いじめアンケートで、いじめられているに丸をつけた。


丸をつけるには、かなりの勇気が必要だった。


なぜかって。私のシャーペンの動きを誰かが見てるから。


先生たちにチクったことがバレたら大変なことになる。


いじめはもっと残酷で酷いものになるだろう。


だから、細心の注意を払って丸をつけた。


しかし、先生は、何もしてくれなかった。この勇気も無駄になった。


所詮、私は嫌われ者でいらない人間。必要のない人間なんだ。生きる価値なんてないんだよと生徒たちからも先生たちからも思われている。


「死ね。消えろ。うざい。きもい」言葉の雨をたくさん浴びた。嫌でも注がれた。傘を持ってたら容赦なく取り上げられ、私はびしょ濡れになる。タオルもない。


部活、クラスのみんなから言われるとそれはまるで世界のみんなから言われているような気がした。


実際、そんなことはあり得ない。しかし、この時は、本当にそう思っていた。


いじめはずっと続くと思っていた。永遠に。


こんな、中学時代があったから、人を信用できなくなった。





 いじめに終止符が打たれた。これは突然起こった。


2年生になって、クラス替えがあり、メンバーがチェンジされた。


すると、なぜかいじめは終わったのだ。


最初、私は、いつまたいじめが始まるのかと怯えていた。しかし、いじめは再開されなかった。


こんなにも呆気ない物なのか。私が今まで悩んで来たことはなんだったんだ。


クラス替えがあり、最初に話しかけてくれた子がいた。


金澤翔子だ。


「佐々木さん、初めて同じクラスだね! よろしくね!」


「よ、よろしくお願いします」


翔子に話しかけられたとき、私は耳を疑った。


え、なんで、底辺の私に話しかけてるの。と。


そんな疑いの心を持った私を翔子は何事もなかったように、話しかけてくれた。


夢のようだった。


翔子とは、それからずっと仲良くした。


でも、いじめがあったから、翔子を心の底から信じることはできなかった。


自分でも驚くほど人を信用できなくなっていた。


全てがいじめに繋がっていると考えてしまう。


それほど、私の脳や体はいじめという地獄の日々を覚えていた。


翔子は私にとって天使のような存在だった。


真っ暗闇から救ってくれた天使。


翔子と仲良くしてから、自然と友達ができるようになった。


放課後に遊びに行くようにもなった。


友達と遊んで仲良くする。一方で、いつ裏切られるか不安だった。


私をいじめていた子たちは、少年院に入った。


かなりの悪さをしてたらしい。


見かけでは、一応中学生らしいことをした。


でも、心の底からは楽しめなかった。


翔子には今でも感謝してるが、あのときなんで声をかけてくれたのか、仲良くしてくれたのかは、未だに聞けていない。


いじめはずっと永遠に続くものだと思っていた。


でもそんなことはなく、クラスが変わっただけで、なくなってしまった。


心の傷は、永遠に続くのかもしれないが。


こんなに恐怖の底に落とす行為は永遠にやめて欲しい。


地獄を味わった人間は、十年経とうが、百年経とうがそれを忘れない。


それをいじめた奴らは知っておいてほしい。


私は自分をいじめた奴らを決して忘れないし、殺したいとも思っている。


簡単には殺さないよ。息の根が止まる最後の瞬間まで痛めつける。


丁寧にナイフで皮を剥いで肉の塊にするよ。


待っててね。


私をいじめた、人間たち。

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