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生きてる価値を探す日々  作者: 湯川田 美央
愛は凶器ともなりうる
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見舞い

 私の母が見舞いにきてくれた。



すごく心配していた。


「ゆず! 目、覚まして良かった。心配したよ」


「ごめんね。心配かけて。来てくれてありがとう」


「まだ痛いよね?」


「少しね」


「もー! 少しでも相談してくれればよかったのに!


迷惑かけたくないとかおもってるんでしょ? そんなことないんだからね! 今度からはちゃんと言ってよね」


何でもお見通しだな。ママは。ほんと、大好きだな。


「なんか、食べたいものある?」


「えー、すし」


「すしかよ! 退院したら食べにいこうね」


久しぶりにママと話をした。


ずいぶん、実家に帰ってなかったからね。


楽しい。笑顔になれる。


ママはしばらく、近くのホテルに泊まってくれるみたい。


大学生の妹も見舞いにきてくれた。


「柚ちゃん! 大丈夫? やばすぎでしょ」


「それな、ほんと終わったかと思った」


「もー、なにしてんだかー。まぁ、無事で本当良かったよ」



原田が逮捕されたことによって、ニュースでも報道されて、全国ニュースにもなってしまったようで、心配みたいだ。



心もお見舞いにきてくれた。


「ゆずさーん! 心配しましたよー! 生きててよかったですー!」


「死んだかとおもった。来てくれてありがとう。会社大変だよね?」


「社長がなんとかこうとかやってくれてるので、心配いらないですよ! ゆっくり休んでください! 社長もあとでお見舞い行くって言ってましたよ」


「えー、すっぴんなのに。ま、いいか」


「あ、そいえば、ゆずさんの好きなフルーツセット買ってきましたよ!」


「わぉ、ありがとう! 美味しそう」


心が持ってきてくれたフルーツはとても美味しかった。


警察もきた。


ストーカーの相談受けてたのに、防げなかったことに謝罪してきた。申し訳なかったと。


でも、あんなの誰も止めれなかったと思うから全然いいのに。


ご丁寧に警察から謝ってくるなんて…でも、もう少しで死ぬところだったからそれくらいするのかな。


また、原田の取り調べもするから、それが終わったらまた話を聞きにきますと言ってきた。


警察も大変だ。


私なんかのためにすみませんと思った。


今日は出入りの激しい日になった。


でも、元気はもらえた。

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― 新着の感想 ―
[良い点] まず「生きてる価値を探す」というタイトルにひかれます。 淡々とした文体で読みやすいです。 [一言] 生きるのが辛い、と思えるような大きな事件がなくても、そう感じながら生きるということを表…
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