第172.5話 どうして、こうなった
読者のみなさま、明けましておめでとうございます。
昨年中は一方ならぬご厚情にあずかり心より感謝致します。
本年も変わらぬご交誼の程、よろしくお願い申し上げます。
身体から何かが抜け出す感覚があった直後、ふわりと浮き上がった。
天井付近から部屋を見下ろすと、床に倒れた僕の身体にヴィオラたちが集まっている。
我が一生に一片の悔いなしとは言えないけれど、みんなを守れてよかった。
うむ。よかった。
突然のことで誠に申し訳ないのですが……。
僕の命の灯火は、ここで消えてしまうのである。
さよなら、みんな。
なんだか意識も遠くなってきた。
視界も段々と暗くなって――
「オレに任せるギギ!!」
久しく聞いていなかったが、確かに聞き覚えのある声がしたかと思うと、照明が完全に暗転した。
……。
いや、待て。どうして、こうなった。
それは、元英雄の一人、「怠惰治し」だと僕たちが勝手に思っていたサクラさんとの邂逅の後、彼女からこの聖都フィルシュフィールの真実を教えてもらっていたときにまで遡る。
読者のみなさま、いつもお読みいただき誠にありがとうございます。
少しでも明るい気持ちになったり、クスっと笑っていただけていたら嬉しく存じます。
次話、『第173話 〇ァッキンクソな街』は、チェックが終わり次第、本日中に投稿する予定です。
これからも、ゆるゆるな異世界コメディーを何卒よろしくお願い致します。




