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第五回 『見直す! 手直す!(没頭し過ぎない程度に)』


 どうも皆さん、今回もお運びいただきありがとうございます。ボンクラです。


 ……と言うか、皆さん、ホントに大丈夫ですか?

 こんな駄文エッセイ――略して駄ッセイに付き合ってるヒマあるんですか?

 やらなきゃならないこととか、あったりしませんか?

 もし思い当たることがおありなら、そちらを優先した方がいいですよ?

 悪いことは言いません。



 そう――皆さんご存じのように、なにせこの文章講座は……。


 「当たり前」かつ「どうでもいい」、さらには今の業界において「役に立たない」ことを、つらつらと並び立てるばかりのものでございますので。



 それでもいいとおっしゃるのなら、どうぞご着席を。

 パイプ椅子すら用意出来ない貧乏講座なんで、地べたにゴザですけど。


 あ、文句は受け付けませんよ?


 もとはと言えば、皆さんが苦情と一緒に、さんざん椅子をブン投げてくれたのが原因なんですからね。





 さて――では、お題ですが……今回も皆さんイヤがりそうな、コレです。



  『見直し、手直し』



 そう、直す、という行為について。


 皆さんはどういう風に、そしてどれぐらい、自分の文章を見直しているでしょう?



 まず最初に――。

 『書きながら(打ちながら)、その文章を見直して』いますか?


 はっきり言ってしまいますが……。

 パソコンにしろスマホにしろ、日本語入力ソフトの変換機能を、頭から信用してはいけませんよ?


 むしろ、彼らが出す変換候補は、『間違ってる』ぐらいの心づもりでいた方がいいぐらいです。


 そして同時に――ご自身の指の動きの正確さにも、書く文章そのものにも、『間違っているのでは』と、疑いを抱いておいて下さい。


 そうすれば、ちゃんと正しく変換されているかどうかを――ちゃんと正しい文章になっているかどうかを、書きながらでも、さらりと見返すようになるハズです。

 感覚としては、まあ、『二度見する』みたいな感じで。



 それから、いわゆる『筆が乗る』ということもあると思いますが……。

 そういうときは得てして、自分の文章がとても良いと感じるものの――経験則から言いますと、そんな状態こそ、誤字脱字はもちろん、文章的な抜けや表現不足、カン違い、そもそもの間違い――などなど、ミスが出やすくなります。


 ……皆さんも経験、ありますよね?

 調子に乗って書きまくった文章を、後日見返して、そのダメさ加減に恥ずかしくって身悶えする――という。


 まあ、でもそれはそれで、取り敢えずウダウダ悩むより書いた方がいい、というのもありますから、決して悪くはないのです。

 書けるときに勢いに任せて書くのは間違いではない――それは言っておきます。

 この場合は、また後で見直し、手直しをすればいいだけのことですから。



 それはさておき――。



 そうした『筆が乗っている』状態で無いとき……つまり普段は。



〈文字入力という動作も、変換機能という機械も、文章表現という自分も、全部引っくるめて『間違いはあるものだ』と疑っておき――書きながらでも常に見返す〉



 ……それを習慣付けるだけでも、結構単純な誤字脱字は減ると思います。

 さらにその上で……。



〈『頭の中で』書いたばかりの文を一度『声に出して読んでみる』〉



 これをすれば、文章的な繋がりの悪さとかも、違和感として気付きやすくなるはずです。



 あー……、ちなみに、もちろんイメージの話ですからね?

 頭ン中で声を出すとかどうするんだ――なんて、ヘンなところにこだわって知恵熱出さないで下さいよ?



 ――で、なんでわざわざイメージなのに音読と言い切ってるのかというと……。


 黙読だと、人間、自分に都合良く情報を補完しがちになると思うからです。

 要するに、誤字脱字を、勝手に脳が補正して、さも正しい文章であるかのように読んでしまう――。

 しかもそれが、自分が書いた文章であるなら尚更です。


 ……なので、イメージの上だけでも、『音』を重ねて、リズムという面からも文章を確認してみよう……というわけですね。



 ……さて、取り敢えず以上が、書きながらの見直しについて、です。


 初動捜査と言いますか……この時点で拾い上げてしまえば、明らかな、目立つ間違いはかなり減ってくれると思います。


 ですがこれは、いわば『早期発見でミスを出さず、減らす』ためのもの。

 ある意味本番となるのは、『書いた後の見直し、手直し』でしょう。



 書いた後の見直しでも、基本的な手法は同じく、上記の通り『疑いをもってかかる』なのですが……このとき、文章を見る視界を、少し遠ざけてみましょう。


 具体的に言うと、一字一字を必死に注視して追っていくのではなく、見直している文の、前後二、三行ぐらいは(この辺は時と場合によりますが)、常に『まとめて』見るように意識していこう、ってことです。


 どうしてかと言えば――この辺のことは、また別の回のお題にするかも知れませんが――文章には流れとかリズムというものがあるからですね。


 近い場所だけ見ていると、文章全体の流れを邪魔するようなミスを見つけにくくなったり――。

 また、場合によっては、ミスを直すとき、流れにそぐわない言葉を選んでしまったりして、却って見映えが悪化したりもするわけです。


 それを防ぐためにも、視点を遠ざけて広く見ることは大切と思います。



 また、前後の文章にも注意を配ることで、以前もお話しした、『同じ言葉の連続使用』といったミス(厳密にはミスではないのでしょうが)も、防ぎやすくなります。

 視界を広くすることで、よくある「思った」とか「言った」のような言葉が、近場で使われていないか、見つけやすくなる、ということですね。


 そして、文章をキレイに手直しする、という意味では、多少の誤字があろうとも、こっち――文章の流れを整える――方が重要です。


 単純な誤字脱字を見つけるだけなら、目を皿のようにして狭い箇所を注視している方がいいのかも知れませんが、それだと、単なる間違い探しみたいなものなので、文章が洗練されるかと言えば疑問でしょう。



 文章というのは、有機的なものです。

 一部分一部分をブツ切りにして見るのではなく、常に前後、全体を見、意識して、調和を図ってみて下さい。音楽のように、絵画のように。


 そうして、その中での『違和感』として間違いを見つけられるようになれば、自然と文章力も向上していると思います。



 ただ……これは大前提というか、当たり前のことですが……。


 まず、間違いを間違いと気付けるだけの、最低限の『知識』は絶対に必要です。

 ……なので、ちょっとでも言葉の用法や漢字があやふやだったら、ちゃんと辞書を引くクセも付けて下さい。

 恥ずかしがる必要はありません、私だってしょっちゅう辞書を引いてます。

 むしろ自分は絶対正しいと信じて疑わない方が、よっぽどおかしいってもんです。


 ……え? 辞書を引くなんてめんどくさい? そんなヒマはない?


 そう考えるのはもちろん自由ですが……。

 そんな人は、文章力がどうだとか、もはや気にしない方がいいです。

 辞書すら引かない人間が、文章力上達なんてするとは思えませんので。


 しかしまあ、何度も言ってきたことですが……。

 特に昨今、ネット小説なんて業界じゃ、文章力なんてヘタにあるより、無い方がウケると言っても過言ではないのですから……辞書なんてかなぐり捨てて、我が道を行くことこそ、ある意味正解なのでしょう。


 ……それが、小説家、と呼べるものになるのかは別問題ですが。




 ――まあそんなわけで、今回も延々つらつらと、あれこれ述べさせていただきましたが、やっぱり結論はここに行き着くわけですね――。



 この講座は、売れる上では役に立たない。そして――。


 結局、小説の書き方なんて人それぞれである……と。






 ――はい、では、そういうわけで、今回の講座はここまでとさせていただきます。


 ご静聴、ありがとうございましたー。




 えー、ではでは……。


 受講料のチョコは、私の前に置いてある、ボロいザルに投げ入れていって下さいね。

 ええ、このザルに見合った安モノでいいですよー。

 ただしタダ聞きは許さん。スネにかじりついてやりますのでお忘れなく。


 ……え? 忘れただけだからすぐそこのコンビニで買ってくる?


 しょーがないなー、それならいいですけど、さっさと戻ってきて下さいよ〜……?





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