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第一回 『絵文字顔文字に頼るな!(なるべく、ね)』



 おや……のぞいてしまいました?


 読まない方がいいって明記してるのに。

 今ならまだ間に合いますよ、時間が惜しいならさっさとお戻りになるのが賢明でしょう。




 ……いいんですか? それじゃしょうがない。


 あ、受講料にはチョコレートの一つでも置いてって下さいね。

 この作者、タバコは吸わないし、酒は匂いだけでもダメという作家にあるまじき軟弱者ですが、その分、甘いモノ――主にチョコ中毒なもんで。

 踏み倒すと、黒服の怖いお兄さんが奥から出てくるより先に、この作者が禁断症状で暴れますからねー。ご協力お願いしますねー。



 ……さて。

 あらかじめ宣言しておきますが、私が語るのは概ね「当たり前」のことです。

 そして、ほとんどの人にとって「どうでもいい」ことです。

 雑誌の裏表紙の広告よろしく、実践すれば劇的効果が――!みたいな、タメになる話は一切合切ありませんので、そこのところもご注意下さい。


 あとからチョコ返せって言われても……ああ、ええ、返しますけどね? チョコぐらい。



 では、注意事項はここまでにして、そろそろ本題に入りましょう。

 まず、最初に言っておきたいのは、ずばり――。


 『小説に決まった書き方なんてない、各々好きに書け』


 ……ああもう、物を投げないで下さいな。

 だからさっき注意したでしょうに、当たり前のことしか言わない、って。


 そりゃ、別にこれだけで済まそうとは思ってませんよ、さすがに。

 ただ、大前提として、そのことは皆さん踏まえておいてほしいってだけです。

 こんなところをのぞく酔狂な皆さんなら、とっくに分かってることでしょうけどね。まあ、一応。


 さあ、その上で、どうやって文章を洗練させるか――ですが。


 そうですねえ……取り敢えず、第一回目の今回は、こんなお題でどうでしょう。



 『顔文字を使うな。絵文字に頼るな。L〇NEのスタンプなんて以ての外』



 あー……いきなり、色んな人にボロクソに言われそうなお題をぶち上げてしまいましたね。だいたい私、LI〇Eやってないってのにね……キライだから。

 まあ、お題として格好がつくからこんな風に言いましたが、実際には(これらグラフィカルなものを)絶対使うな、とか言ってるわけじゃないです、念のため。

 なるべく使わないように心がけよう、ぐらいの感じです、ニュアンスとしては……って、なんかいきなり防衛線引くのに必死になってますね。まあ見苦しい。


 さて、じゃあなんでこんなことを言い出したか、ですが……。


  『物書きなら文章で表現しろ』


 ……と、いうわけです。


 そりゃあね、ああいう直接視覚に訴えるものは便利ですよ? でもね、だからこそ、物書きやってるなら、『それ』を文章で表現しようと思考を巡らせてほしいわけです。頭をこねくり回してほしいわけです。

 それこそ、絵文字とかでは表現しきれない、微妙な心理まで。

 私はそこのところ、大袈裟な言い方をすれば、物書きとしてのプライドをもってやってます。だから基本的に、(笑)すら使わないようにしています。

 なぜならそれが、


 「はっはっは」と快活な笑いなのか、

 「うふふ」と秘密めいた笑いなのか、

 「げらげら」とちょっと下品な笑いなのか、

 「HAHAHA]とアメリカンな笑いなのか、

 「くすくす」と馬鹿にしたような笑いなのか、

 「おほほ」と上品な笑いなのか――などなど。


 どういった『笑い』なのかを、(笑)の時点で、相手に丸投げしていると感じるからです。

 まあ……それでいい、その方がいい、という場合もあるでしょう。それは間違いありません。冗談としての使い道もあるわけですしね。

 なので、繰り返しますが、使うな、なんて言いたいわけじゃないんです。


 ただ、こうしたちょっとしたところで、


 『じゃあ、自分ならこれをどう表現するだろう?』


 と、考えを巡らせることで、色々な表現方法が身につくのではないか、と思うワケなのです。必要は発明のなんとやら、です。


 自分の心情を表すのに最適な絵文字やらスタンプやらを探すヒマがあるなら、その時間で、文章でどう表現するかを考えて下さい。

 物書きを名乗るなら、言葉通りの『絵』に頼る前に、己の言葉で、言葉による『絵』を描いて下さい。

 私が言いたいのはそういうことなんです。


 ええ、生意気ですね。

 でもまあ、そういう趣旨のエッセイですし、受講料は所詮チョコ1個なんで、ある程度は大目に見て下さいな。




 さて……では、最後になりますが――。


 今回のこれも含め、私が語るようなことを実践して身につくかもしれない『表現力』ってのは、昨今のこの業界では役に立つどころか邪魔にしかなりませんので悪しからず。





 ……ほら、だから先に注意しておいたじゃないですか……読まない方がいい、って。


 まあいずれ、第二回とかやるかも知れませんけどね。


 ともかく、受講料のチョコは置いてって下さいねー。踏み倒しちゃダメですよー。




 ……あ、コラ、だから踏み倒さないで下さいって!


 待てコラぁ! チョコ置いてけー! チョコー!





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