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ドライ部  作者: 如月 六
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【4】 2人暮らし


俺が高校に入学する1週間前、両親が乗ったタクシーがトラックに追突されそのまま還らぬ人となった。

春休み期間中だった俺と柚はいちごの家でテレビゲームをしていた。昼を過ぎた頃、慌てたいちごの母親から事情を聞き、車ですぐさま病院に向かったが到着した時にはもう...。


理解が追いつかないまま執り行われる両親の葬儀。つつがない出棺。そして火葬。家に帰った時には2度と両親の顔を見ることはできなくなっていた。残されたのは2人の遺骨と遺影。痛々しいまでに赤く腫れた柚の両眼が物語っている。両親の死。毎日煩わしいまでに世話を焼いてくれた母。毎日遅くまで働き、時に優しく時に厳しく諌めてくれた父。

2人にはもう2度と会えない。



いちごの父親で遊佐自動車の社長、遊佐大地さんは俺と柚を引き取ってくれた。条件という程のものではなかったが、俺はできる範囲で整備の仕事を手伝うように言われた。

今思えば、社長は俺に不自然のないようにお金を持たせたかったのだと思う。日々の友人付き合いから、いつか俺自身がやりたいことを見つけた時に使えるように。お給料という形で。そして俺は柚の兄貴だから。最初からずっと俺たち兄妹の事を考えてくれていたのだ。亡き両親に代わって。


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