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  作者: 水沢 すず
第2話 償い
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明希


最近、母の様子がおかしいのは目に見えている。


なんとかしなきゃ、とは思う。


でも何をすればいい?


わかんねぇよ。


ここにいるはずのない父親を探し回ってるやつをどうしろっていうんだよ。


いつからこうなっちまったんだろう。




理沙。


お前は気付いてる?


きっと理沙のことだ、気付いてるんだろ?


見て見ぬ振りしてんだろ?


逃げんなよ。


逃げんなよ。


全部俺に押し付けんなよ。


チクショー。


いいご身分だよな。


普通に学校行ってさ。


家のことも気ぃ狂った母さんもほったらかしてさ。


自分の部屋に閉じこもってさ。


部屋から出てこいよ。


もっと周りを見ろよ。


なんでお前だけ楽してんだよ。


目ぇ背けんなよ。


現実うけとめろよ。


なぁ理沙。


何を思ってる?


2年前はそうじゃなかったじゃん。


なんで急にそうなっちまったの?


苦しいよ。


助けてよ。


お願い理沙。


もっと……もっと…頑張ろうよ。


頑張るしかねぇじゃん。


耐えるしかねぇじゃん。


なぁ。


俺らは。


俺らは。


俺らは幸せなんか望んじゃいけないんだよ。


だから。


頑張ろうよ。


耐えようよ。


しょうがないだろ。


俺らはあいつの家族なんだよ。


朝霧裕二の子供なんだよ。








_________犯罪者の家族なんだよ。



俺らは、あいつの犯した罪を償わなきゃいけねぇんだよ。







聞いてよ理沙。


母さんな、毎日毎日朝起きたら父さんのこと探し回るんだ。


いる訳ねぇだろ。


なのにさ。


朝ごはんも父さんの分作るんだ。


うちには金がねぇっつってんのに毎日毎日外にも出ねぇくせに化粧して。


母さん壊れちゃったよ。


もう母さんは母さんじゃなくなっちゃったよ。


理沙。


お前は俺の姉ちゃんだろ。


自慢の姉ちゃんだよ。



理沙__________________。










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