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校舎案内


 自己紹介が終わると、再びアランが前に立つ。


「皆さん、ありがとうございます。折角の学園なのですから、是非皆さんで仲を深めてください。それでは、早速ですが校舎内の案内に移りますね」


 アランは大きな紙を広げ、前の黒板に張り付ける。校舎内の地図のようだ。彼は長い棒を使い、指し示しながら場所の説明を行う。


 校舎は、大まかに三つの館に分けられる。それぞれ第一本館、第二本館、第三本館という名がつけられており、正門に近い方から一、二、三と数えられる。館は全て四階建てで、館同士は渡り廊下で繋がっており、館の間には中庭が設けられている。

 第一本館には第一・第二学年の、第二本館には第三・第四学年の、第三本館には第五学年の教室がある。フィーリア達が今いる場所は第一本館の一階で、窓の外には小さく噴水が見える。昨日式が行われた会場は、実技館と呼ばれる。本館から少し離れた場所にあり、式会場だけでなく、実技会場としても使われている。

 第三本館の奥にはクラブ活動などが行われる別館が、別館の隣には寮がある。実技館の奥、別館の横には開けた広場があり、魔法の実技や運動の場として使われる。

 フィーリアが通っていた時と立地は変わっていないので彼女はすぐに位置関係を理解できたが、説明を受けただけでこれらを把握することは難しい。アランは首を傾げる生徒達を見て、賛同するように頷いた。


「私もこれらを覚えるのに時間がかかりました。何しろ、敷地が広いものですから。建物も多いしどれがどの館なのか、頭がいっぱいになってしまいました。皆さん、大丈夫ですよ。ゆっくり覚えていきましょう。場所が分からなくなったら、私達教師か、先輩方に声をかけてみてください」


 フィーリアも初めて学園に通った時には、何度も迷子になった覚えがある。


「学年の区別は、制服の校章を見ると分かります。君達第一学年は赤色、第二学年は青色、第三学年は緑色、第四学年は黄色。第五学年は紫色の校章が付いています。一目見たら分かると思いますよ」


 アランの説明を受け、フィーリアは今身に着けている制服に目を落とした。左胸で存在感を放つ、複雑な校章の背景が赤色である。確か、ヴィセリオのものは緑色であった。

 その後も教室の説明や、授業・科目、クラブ活動、行事の説明などを受けているうちに、終業を告げる鐘が鳴った。


「それでは、校舎内を見たり、クラブ活動の見学をしたり、自由に行動してください」


 アランはそう言って話を終え、教室を出た。生徒達は各々で話を始め、席を立つ。フィーリアはレティシアに声をかけられ、彼女の顔を見る。


「フィーリア様はどうなされますか?」

「クラブの見学をしようと思います。今はまだ入りたいクラブはありませんが、見てみたら入りたいクラブが見つかるかもしれないので。……レティシア様がよろしければ、一緒に見に行きませんか?」


 フィーリアの提案に、レティシアは顔を輝かせて頷いた。


「勿論です! さっそく参りましょう!」


 意気揚々と立ち上がったレティシアを微笑ましそうに見ていたフィーリアは、彼女に手を引かれて席を立った。

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