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赤に染った白〜失っていく記憶〜

人混みが多くなった水路から離れるため裏道を通る3人並んで通れる道ほど広くないため先頭をガス中間をルイ最後は私という順で一列になって歩く。裏道から出る通りは大通りで馬車に乗る手筈になっている。ガスが大通りに出て合図を送ってくれる

外に出ていいらしい横にいたルイと大通りに出る、後は時間指定して呼び寄せていた馬車に乗ればそれで終わりだ

ガスが運転手と会話するの見やる

もし処刑されそうになったら全力で逃げて馬車で、国を出よう馬車を使うのにはお金が必要だからお金を隠すとしたらどこに隠そうかな?

靴の中とかに大金貨か白金貨1枚、、、いや3枚くらい忍ばせておけば余裕もって節約すれば半年は生きられるべ

あっいやもし追放ルート?に行けば貴族生活が長かったエリーシアは平民の生活に慣れず餓死で死ぬんだっけ?

確かお姉ちゃんが独り言で言ってた「なんで追放されて餓死で死ぬの〜!!」って 少し笑ってしまう。

生きたかったら死ぬ気で行動すればよかったのにと

考えているとどうやらガスが運転手と交渉し終えたらしい前払いしているのが見えた

乗りに動こうと思いルイに話しかけた


「ルイそろそろ行けるみたい行こっか、、、?」

隣を見るとそこにルイがいなかった。


「ガス!!!!ルイがいない!!!!!」

大声で叫ぶとガスが荷物を落とすまいとしながら慌てたようにこっちに戻ってきた

「いつ居なくなったんですか?」

「さっきだガスが運転手と交渉終えたあとこちらが動こうとルイに話しかけたんだ隣にいたはずのルイが音もせずいなくなった」

「、、、、すぐに屋敷に戻り騎士団に捜索させましょう一旦帰りますよシャルラン様」

「ダメだ今ここで俺だけでも残る」

「それじゃあルイ様の二の舞になります!!お願いですから一旦帰りましょう!!」


どうしようルイがルイが誘拐されたなんで?どうして?どうやって?音も立てずに私の横から跡形もなく連れ去った

考えろ考えるんだなんでどうやって

握りしめた拳から血が垂れる

3人で行くなんて強情を貼ったから安全だろうって思い込んでたからルイが


ーーー「この敷地から出れば誘拐され売られることに、、、」

ウラレル

焦りが募り大きく舌打ちをする

この世界には通信機や携帯がないからそう簡単に連絡を取ることができない。じゃあどうする今から探さなければどんどん時間が経って誘拐されてから時間がたちすぎると命の保証が無くなる売られてしまう

映画では96時間って聞いたけど実際ここは映画の中じゃない人身売買中に、なにかえぐられたり失ったりするかもしれない私の可愛い弟に傷が一生残るそんなこと許されるわけが無い!!!!


「シャルラン様!!」

ガスが叫び私の意識が思考から現実に引き戻される

周りが酷く静かに聞こえる。焦燥しているのは私だけじゃなくガスも同じだった

どうしよう悔しい瞳に涙が溜まっていく泣いてる場合じゃないのに早く行動しないとガスも焦ってるんだからと思うにもどうしても音もなく消えたことが引っかかる音もなく消えるなんて、、、、、、


音もなく、、、、

魔法、、、か?いやでも魔法でできるのかこれでも私は気配を察知できると自負している騎士団内の特訓ではそう鍛えられていた。魔法以外であれば察知することが可能だ私が察知できないほどの魔法なのか?


少しずつ頭がはれ冷静になっていく

だとしたらゲームであれば魔法を発動させた魔力の残骸が残っているはずだでもそんな魔力を可視化できる魔法はなく確かになにかの魔法は発動されていますねというのしかない魔力を追いかける魔法はその場で相手に気づいた時認識しなければ追うことができないとジュン先生に教わっただから魔力を目で見て追いかけることが今現在できないんだ


出来ないんだよ

「ガス、、、先に帰しなさいこれは命令です私がルイを見つけ出す」

と言いながら髪の毛と目にかけていた魔力を解除する

ガスが何をしてるんだと驚愕の目でこちらを見てくるがそんなことはどうでもいい

魔力を可視化し、追うことができないなら魔法を作ってしまえばいい幸い全てぶっつけ本番だ記憶を掘り返しても覚えた地図に空き家は無いし、どこで何を売っている店の配置だってわかるのだそれでも誘拐し、隠れる場所があるのか分からない


どうしても見つけたいもう失うのは嫌なんだ

絶対にルイに傷跡でもつけたら許さねぇ


ゲームでもあったはずだ魔力なら微力だけどある

可能性はゼロじゃないやってみる価値はあると思う

息を大きく吐くとりあえず魔力を貯めるため利き手を出し心の中で神に祈りながら魔法を発動させる。

お願いです神様


私からはなんでも奪っていいだからなんでも捧げるからだから


 ジュン先生に質問したことをぶっつけ本番で試す。

「創造魔法 」

家族を

返してください


追跡者(トュレイサー)

右目に魔力が集まり激痛が走る

「ゔっがっっっハッァッッ!!!!!」

冷や汗が吹き出し悪寒が止まらない

その場でうずくまるが右目を抑えるとなにか生暖かい液体が流れ出す数分すると痛みが引いていき抑えていた手を外すし、立ち上がる私が見ていた場所ルイがたっていた場所から魔力が見える光る粒。


ガスが息を飲む声が聞こえるまだ居たのか

「ガス今すぐ戻りなさい騎士団を呼んで私が合図したらその場所に来てください 大丈夫です絶対ルイはルイだけは守るので」

とにこやかに笑うとガスは待たせていた馬車に荷物を急いで詰め込み運転手をどかし運転席に乗り込み馬車を爆速で動かした

ガス、、、馬車動かせたのねと感心してしまった

そんなことをしている場合では無いとズキズキ視聴してくる右目痛みは引いているが流れ続ける液体はこの右目を使っている限り止まらないらしい

可視化された使われた魔力の残滓を追いかける


魔力を追いかけながら考える

透明になる魔法なんてあるんだろうか?某映画や某アニメとかはマントとか科学による兵器ではあったけど

もしそんなのがあるとしたら女湯覗き放題じゃないか


と考えていると魔力の最終地点に着いたらしいそこは古く割と客のいる酒場だったこんな真昼間から飲んでるのか

辺りを見回すと冒険者っぽい人たちの集まりがあったぽいというのはどの人もこの店の中で黒いマントをしていたからマンとの下には武器やら杖やらで


店員らしき人は黒いマントをしておらずコップを吹いていた


「すいません黒髪の男の子ここに来ましたよね?」

「いや、そんな商品は来てねぇな。ガーデン家の坊ちゃんが来る場所じゃねぇぞ早く帰りな」

こっちを見ず次のコップを吹き始める店員

ここにいるはずなんだこの目がそう言ってるんだから絶対いるはずなんだ


魔力を放出しながら今度は威圧し、口調を変え警告する

「俺の弟がここに来たんだ なんか知ってるよな?俺が来る前に誰か商品を持ってその奥の扉の向こうに行ったとか な?」

と指を指し店員に殺気を飛ばす。

黒髪の男の子って言ったのに商品と失言したのはこいつだ

ガーデン家と知っているにもかかわらず帰らせようとするこの男はガーデン家と知っていながら知らぬ存ぜぬで通すらしい

追跡した魔力はあの扉の奥に続いてるそろそろブチ切れそうだ

何かを察知したのか慌てて扉を開けた店員

「、、、入ってすぐ左の部屋だ」


ドサドサと何か倒れる音がしたが構わず扉の奥へ進んだ

廊下は先程の酒場よりやけに静かで

左の初めにある部屋の取っ手に手をかけ扉を開けた


私の目に映ったのは許されざる情景だった


ルイは拉致犯3人に後ろ手に縄で縛られ、前をナイフのようなもので切り裂かれており服はボロ布に成り果て殴られ口を切ったのか血が出ている。

魔法が溶けてしまったのか蒼く綺麗な瞳に薄く涙が張っている。

男たちはルイの目だけを商品としようとし、1人がナイフを持ちもう1人が体と口を抑え最後の一人が目以外の価値のない肉体を嬲ろうと押えていた。

口を塞がれた涙を流してるルイを見た

その情景が私の脳裏に濃く焼き付き気づいたら拉致犯3人を半殺しにしていた。


ナイフを持っていた男に両腕をへし折り体を押さえ込んでいた男の肋骨を折り、ルイにまたがっていた男の両足をへし折った。そしてちょっとずつちょっとずつ顔の骨にヒビを入れるよう力加減をして殴っていく。

反撃はさせないし許さない


「兄様!!シャルラン兄様!!!!」

弟 ルイが悲痛な声で私に叫んでる


でも待ってて確実に息の根を止めないと

こいつらは生きてちゃいけないんだ

ちゃんと殺さないとまた同じことが起こるかもしれないこういう輩は枯れてもなお土に根を張り続ける雑草みたいにしぶといから根元から根絶しないと


「ちょっとまっててねもう少しで終わるから」

笑顔でそう言いルイの顔から男たちに向き直す


拉致犯3人は命乞いをし始める

「た頼むまだ俺は死にたくない!!」

「手はまだ出してねぇよ!!」

「俺はただ口を塞いで抑えてただけだ!!やろうとしたのはこいつら2人じゃねぇか!!しかもな殴ったのはがっ!!」


ふざけるなよ?命乞いもさせないようにルイの口を塞いでいたくせに自分たちが被害者になると命乞いをし始めるのか?と思いうるさい口を殴って黙らせる

ちゃんと木刀持ってくればよかった手ぶらで街を歩くんじゃなかったと後悔が後を絶たない


魔力を乗せたまだコントロールが出来ていない殺気でナイフを持っていた男以外の二人の意識を刈り取りかろうじて生きている状態を保つ。男には常に電初級魔法をかけ意識を飛ばすたびに体に放電し起こす。ナイフを持ってルイの目を抉ろうとした男の顔に近づき手を伸ばし閉じた片目の瞼を撫でる。


撫でられた男はがたがたと肩を震えさせ始め歯がガチガチとぶつかる音が聞こえる。私は恐怖におびえる男の前でにやりと笑い目を抉るようなフック上に指を曲げ眼球に狙いを定め手に力を加え始めた途端腕をつかまれた。ルイが必死に私の腕にしがみつきこれ以上進まないよう引き留めている


どうしてルイどうしてなの?


貴方は嬲られ犯され目を抉り取られて殺されるところだったんだよ?

「ど、、してルイ?」

「なんで、、、、」止めるのと続かない言葉を飲み込む


「エリーシア姉様が、、、こんな屑のために手を汚す必要はありません」

力を無くした私の腕をルイが離し、顔についた血を小さい手でふき取ってく行く。


「僕は大丈夫でしたよ姉様が助けてくださいましたから、服と頬のこれが派手に見えるだけでぴんぴんしてますだからエリーシア姉様もう大丈夫なんです」

大丈夫大丈夫と言い聞かせるように私を抱きしめるルイに何故か安心した、あぁもう大丈夫なんだと。ルイが体を張って止めるまで腹の底にあったどす黒い感情が一気に晴れた


「わかった もう帰ろうか」

そう答えるとルイが満面の笑みで頷く、痛々しい頬に触れ治癒魔法をかけ治す


ぼろ布になり果てた布を再生することは今の私じゃ不可能なので一枚脱いでルイに羽織らせる

転がっている男は意識がある男に押し付け私はルイを抱っこし店から出る。店の入口で魔法の合図を出しガスが来るのを待つその間ルイの頭を撫で続けた

抱っこしている温もりが体温のある感触が戻ってきた安心感が溢れ出す。良かったルイに傷がなくて本当に良かった

ガスが差し出すハンカチで右目の血をふきとる視界は良好で何も違和感はなかった。あの激痛はなんだったんだろう

騎士団は次々と店から黒マントと半殺しにした男3人を店から引き出し何処かに連れていった警邏の人か?と思ったがそこまで考える必要は無いかと思い思考をやめた王都は全然安全じゃなかった


家に帰ると血まみれでいたことを忘れておりめちゃくちゃ騒ぎになった真っ白だった地毛に男たちが吐いた血のせいで真っ赤に染まっていたから

両親や使用人たちにどこか怪我をしていないか心配されたがルイのほうが大ごとだと睨み言うと急いで私の機嫌をこれ以上損ねないようにルイを連れていった。




私は自室に戻り風呂の中で一人反省をしていた。

もっと力を付けなければルイがいなくなったことに気づくのがあと一歩遅かったらと嫌な想像が繰り返されるもっともっと力を付けて気配を察知できるようになれば、

それ以上に街の治安情報を先に入手していれば対策の使用はたくさんあったはずだ

日本で暮らしてた経験からのほほんと観光気分だったのが悪かったんだ


もっと情報を力を身につけなければ、ここは平和だった日本とは違うんだ敷地内から一歩外に出るだけで貴族だって平民だって簡単に拉致られたり奴隷にされて売買されることもある

ここは紛れもなく現実で痛みも味も空腹もちゃんとある乙女ゲームの舞台だとしてもゲームの中じゃないんだ日本とは違う国だし勇者だとか魔法だとか今までの常識とかけ離れた世界になじまない自分が異質なだけでこの世界で生きている人間はそれが常識で日常なんだ



目をつぶるとルイのあの情景が脳裏によぎって眠れない

あの時みたいに、、、、あの時?お姉ちゃんが襲われて、、、お姉ちゃんて誰?だっけ、、


ーーー創造魔法。存在は確認されていますが使用は確認されてませんね

ーーー代償が生じる可能性があるらしいですが


息が荒れ始める。まってまって

お姉ちゃん、、、、お姉ちゃん私の優しいお姉ちゃん忘れられないそれだけは忘れちゃいけない

ダメ!!!


前世のお姉ちゃんとの思い出が消えていく

創造魔法その代償は誰にもわからない。ルイを弟をたすけられた、、、助けられたんだから

でも、それだけはダメなんだやめて

体の一部だってよかった良かったのに


布団の上で何度も寝相を変えていると扉がノックされ応答するとルイが入ってきた

「兄様、、今日だけ一緒に寝てくれませんか?」

「、、うん、、おいで」

というと枕を抱いてベットに入ってくるルイ。


ルイが目の前にいることに安心して眠気がドッと襲ってくる、そっか私はずっと緊張してたのかと自分に納得し糸が切れたように意識を手放した。



今度はちゃんと守れただろうかルイが泣き止んで良かったもう泣き顔は見たくないよ

創造魔法 その代償は計り知れない何を失うのかは、、、、存在は確認されているが使用はされていない

Byジュンベン・バル



エリーシアはシューティングゲームなどの知識から創造魔法作っちゃえ感覚でやりましたまさかホントにあるとはと少し驚いてますね透明になる魔法があるのならと可能性にかけてみた☆

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