君想う坂道の上の景色
高台の上の公園から見える景色
君のいない景色
どんなに待ち望んでみても
君はいなくて
遥か未来にいる君の姿に
届かなくて
コートのポケットの中
いつかの君の手を握りしめる
止まったままの時間
二度と会えない切なさ
今年もまた
身を切るような冷たい風
初めての粉雪が舞う
君と出会った時のように
二度とは戻らない時間
想い出して
言葉に出来なくて
口の中
奥歯を強く噛み締める
涙が止まらない
それでも冬空は
鈍色へと変わり
いつしか雪空へと変わる
誰かの心へと届いて
未来の君へと続く
会うことの無い時間が
俯いた視線の先の粉雪みたい
君と過ごした楽しい時間のように
想い出が
どこまでも胸の奥に突き刺さる氷柱みたい
痛みを伴って締めつける
この高台から見える君のいない景色
どこまでも遥か遠く
白い粉雪が君のいない世界に舞う
もしも粉雪になれたなら
届かない未来の君への時間
いつしか君が
この高台に登ったなら
鈍色の冬空の下
君の手のひらの上に溶けて
さよならとありがとうを言う
君と生きた時間を忘れない
君がこの冬空に還る時
君を迎えに行けたなら
そんな想い巡らせて
どこまでも色を重ねて
またいつかこの冬空の鈍色が
どこまでも晴れ渡る春へと色づくように
新しい時を…時間を…重ねる
君想う坂道の上のこの高台から見える景色
君のいない景色
どこまでも君の姿重ねて
透明に…なれたなら