第四話 始業式
いけそうなので、来週から投稿頻度を月水金に上げます。
あの屈辱的な敗北の後、いろいろなゲームを遊び、夕飯を食べた後、ミナとレオはそれぞれ自分の家に帰っていった。
一応レオは一人暮らしという設定で、ミナはリンと同居している設定らしい。
「じゃあお風呂入ってくるわ」
「わかりました。じゃあ私はそのあと入りますね。」
「いっかいでもいいかららっきーすけべ、っていうのがおきてほしいなー」
「なんでお前がその言葉知ってんだよ」
「えー、れいなちゃんがいってたー」
妹よ。お前いつから隠れて俺のラノベを読んでたんだ。
明日問い詰めてやる。
ちなみにリンは今夜は泊まることになっている。
「どうしたんですか?そんなに邪悪な笑み浮かべて」
「いや、なんでもない。ま、とにかく入ってくるわ」
「了解です」
「はあ…気持ちいいなぁ」
今日はほんとに波乱の一日だったな。
あ、正確に言うと一日ではないか。向こうにいたときは夕方で転移したときは昼前だったからな。
まあそんなことは置いといて…
今は超久しぶりの風呂を楽しむか。
っていうか、明日学校だよな。あいつらどうすんだ?
それも前からある設定か?いや、だったら友達ができてるはずだ。
おそらく三人は転入生として入ってくるんだろう。
いやー、明日が楽しみだ。
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「じゃあ、行ってきまーす」
「私も行ってきます」
「いってらっしゃい。マリカちゃん、初日頑張るのよ」
「はい。わかりました。」
そういって俺とマリカは歩き出した。
ちなみにあの問題児二人はまだ寝ている。
「そういえばレオさんとミナさんは大丈夫なんですか?」
「あいつらには学校の所在地を教えたから大丈夫だ」
「なら安心ですね。あっ、あとこの制服ってなぜかこっちの世界の服よりも着やすいです」
「おう、ならよかった」
実際は制服といえば堅苦しいが、マリカたちはこっちのほうがいいみたいだ。
まあ異世界ではこういうスカートとブレザーが主流だったしな。
「あ、学校が見えてきたみたいだ」
そう、俺の家は高校まで徒歩五分以下だ。だからちょっと雑談するだけで見えるのだ。
「こっちの学校って大きいですね。」
「まあ、生徒数も多いからな」
「あ、転校生はあっちの入り口見たいです。」
「そうみたいだな。始業式、がんばれよ。」
「はい!」
そういって俺はマリカと別れた。
人ごみの多い靴箱を抜けて教室に入り、後ろから二番目の俺の席に座ると、
「清水、おはよー」
と後ろから、早川快人が俺に挨拶をしてきた。
快人は俺の親友兼悪友であり、いつも俺の図星をついてくる奴の一人だ。
「おはよう、快人」
「お前留学生がこのクラスに入って来る噂知ってるか?」
「ああ、俺も聞いた」
実際は留学生っていう扱いなだけで実際は違うんだがな。
「じゃあお前の席か内宮の席、どっちの隣に来るんだろうな。」
「私がどうかしたって?」
急に後ろから声がしたので振り向くと、俺の女友達、内宮藍華が首をかしげていた。
内宮は学校で1,2を争うほどのルックスを持っているため、先月は合計十回の告白を受けていたそうだ。めちゃくちゃずるい。
「別に何でもねーよ。内宮は留学生の話、聞いたか?」
「ああ、私も聞いたよ。どんな子が来るのか、楽しみだねー」
「おう、そうだな。あ、もう始業式じゃねーか。快人、いくぞ。」
始業式では、最初に校長のテンプレトークが終わった後、転校生の紹介になった。
「それでは、今学期から授業に参加する転校生と留学生を発表します。転校生の皆さん、前に出てきてください。」
そう教頭が言うと、ミナ、レオ、マリカが体育館のステージに入ってきた。
「え、かわいすぎん?」や「かっこいい…」などの声が聞こえてくる。
「えーっと、私の名前は川端美菜です。これからよろしくお願いします。」
「俺の名前は橘零央です。よろしくお願いします。」
そう、二人の名前には苗字と、名前の漢字を作っておいた。
「マリカ=ウリオスクです。ロシア出身で、卒業するまでこの学校に留学することになりました。よろしくお願いします。」
マリカはもともと留学生という扱いで、銀髪だからマリカみたいな髪の色の人がいそうなロシアを国籍にして、苗字もそれっぽくしてみた。
「えー、川端さんは1年A組、橘君とウリオスクさんは1年B組に配属となります。」
人数の関係なのか、ミナだけ俺と別クラスになった。因果律を操作した人にとっては三人を同じクラスに配属すると思ったが。
周りからは「俺と同じクラスだ!」や「くそー、ウリオスクさん違うクラスじゃねーか…」などいろいろな声が聞こえてくる。
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始業式の後、HRの時間になった。
「えー、先ほど始業式で言われた通り、今回このクラスには二人の転校生が入ってくる。じゃあ二人、前で自己紹介をしてくれ。あ、別に敬語は使わなくていいぞ」
そう、俺たちの先生は堅苦しい雰囲気が嫌いで、先生にしゃべるときや授業内以外ではあまり敬語を使えなどのことは全く言わない。
「じゃあ改めて自己紹介をする。俺の名前は橘零央だ。趣味は…特にないな。武道ぐらいか?まあ、よろしく」
「あ、じゃあ私も自己紹介をしますね。私の名前はマリカ=ウリオスク、ロシアから来ました。よろしくお願いします。」
もうほとんど全員が乙女みたいな顔をしていやがる。
まあ俺の仲間は顔がいいほうだからな。
「おい、お前ウリオスクさん興味ないのか?」
後ろから唐突に快人が聞いてくる。
「いや、あんまり興味はないな。もともと俺のタイプじゃないし。」
今のは半分は言い訳だが、実際マリカみたいな性格や見た目は俺の好みではないからな。
俺はどちらかというと妹系キャラが好きだ。リンは騒がしすぎて頭が痛くなるが。
「ふーん。そんなこと言ってほんとは好きなんじゃねーの?」
「ちげえよ、言っただろ俺のタイプじゃないって。」
「さあ、どうだかな」
そんな他愛のない会話をしていたら、
「これから二人の席を決める。橘君は内宮さんの隣、ウリオスクさんは清水君の隣に行ってくれるか?」
「「わかりました」」
いたずらした子供みたいな笑みを浮かべた先生が俺の隣と内宮の隣を指す。
どうやら転校生の隣を異性にしたいみたいだ。
二人がそれぞれの席に向かうと、
「リョウキさん、よろしくお願いします。」
マリカが小声で声をかけてきた。
「お、清水早速声かけてもらってんじゃん。モテモテだな、お前」
快人は彼女の小声にも反応を示した。
お前の女性小声センサー、どれだけ敏感なんだよ。
「うるせーな、もう授業始まるから静かにしろよ」
こうして俺の仲間たちの普通の学校生活が始まった…わけではなかったみたいだ。
なんだかしまらない…
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