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異世界大陸  作者: キィ
第二章 魔学舎入門
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第30話「ヒビ割れ」

「先生、これって…」


 その異様な光景に、ゼクシオは声を抑えることができなかった。キョウカも生徒同様に、空を眺めながらゆっくりと言葉を紡ぐ。


「活性化現象…でしょうか」


「活性化現象?それって、周辺一帯が一時的に魔境になるあの?」


 小さく頷くキョウカを見て、ゼクシオは情報を整理する。


 活性化現象、周囲一帯に魔力が満ち溢れ、一時的に魔物へ影響を与える魔災。

 あまりの影響力から、魔境へカテゴリーされる場合もしばしば。


 その影響は様々で、言葉通り活動の活発化だけでなく、魔力操作の向上や凶暴化など、一括りに出来ない。


「先生…」


 アフィナも珍しく不安気な表情を浮かべ、キョウカの裾を引き寄せる。


「大丈夫ですよ。私はずっとそばにいます」


 優しく語りかける言葉に吸い寄せられ、目をじっと見つめられることで、アフィナも安心した面持ちになった。


ゼクシオはここでアフィナへ嫌味を言ってやろうと思うが、考えてみれば彼女らは9歳。

そんな幼さで、怖がらない方がおかしい。


普段は常に対立をしているが、今は暖かい視線を送っていた。


「…キモ」


しかし、どうやら彼女は、その視線を別の意味で捉えてしまったらしい。

呆れ果て、どうにでもなれ、とでも言うように、踵を返して顔を背ける。


(俺が優しくしてあげた方がいいのだろうか?それとも、彼女が問題なのか…。っ、俺が嫌なやつに配慮か。少し変わったかな?)


歳、主に精神年齢的に当たり前な気もするが、それは、性格的な、プライド的な問題もあるのだろう。

周囲に植えられた木々の中へ入り、切り株に座り、木陰に当てられながら、遠くから魔術を使う同学年を眺めていると、周辺にもサボり目的で集まる気配を感じた。


彼らは遊んでいるのか、互いに追いかけ回して魔術による水を掛け合っている。


(俺もレルロ達探そっかな?)


茫然と眺めながらそう思い、立ち上がって前へ進むと、目の前の空間に、聞いたことのない、しかし、何か割れたような音を立てながら、亀裂が入りはじめた。


(ん?なんだこれ?)


ヒビは次第に広がり、突然、変化を止めたかと思うと、視界の中へと、眩い光が飛び込んできた





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