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異世界大陸  作者: キィ
第一章 記憶覚醒
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第4話「アメル」

「「ただいま」」


 扉の音と共にゼクシオとリオが家に帰ると、家の中に小さな女の子がいた。


「パパー」


 そう言って女の子はリオに抱きついてきた。


「ただいま、アメルの方がパパより早かったか。アメルは速いなー。そんなアメルは、パパが抱っこしてやろう」


 リオは女の子を抱き上げた。


(そっか、この子が俺の妹なのか。しっかし、かわいいな。将来絶対にモテモテだろうな。もうすでに男がいたり...。そう言っても変な気は起きてないけど。この世界では実の兄妹だから当たり前か)


 ゼクシオが妹との初対面を迎えていると、奥からいい匂いがした。


(そういえばお腹が空いたな。)


 奥に行ってみると、母親が料理をしていた。そこで驚いたのは、料理の火が火元もなにもなく、ただ母親が手をかざしているだけで発生していたのだ。もしかして...


「母様、僕ももそれやってみたい!」


「ゼクには魔術はまだ危ないから、来年まで待ってね」


 そう言って、あしらわれた。


(そうか、やっぱり魔法あったんだな!俺も魔法使ったりできるのか。ワクワクしてきた!)


 魔法を使ってみたいと言う願望は、前世の世界で1度は皆が抱くのではないだろうか。そんな世界にいると言うだけでゼクシオは心躍った。


(魔法がある、つまりこの世界はほぼ異世界説でいいだろう。やった!異世界だ異世界!異世界生活満喫するか!)


 ボーッと母親の料理を見ながら魔法について考えて、喜んでいると裾を引っ張られた。振り向くと、小さな少女でゼクシオの妹アメルがいた。


「どうした?遊んで欲しいのか?」


 コクリと頷いた。


(そうだな、妹は嬉しいから遊びたいけど情報収集の方が今は大事だし…。それに、魔法も早く使ってみたいから今はいいかな)


 ゼクシオは妹に対する対応を決めると遊びを断った。


「ごめんな、今忙しいから、後でいいか?」


 今のゼクシオにはまだ妹という認識が深くないので、可愛い妹とイチャラブよりも魔法への興味の方が少し上をいっていた。


「...   の」


「何か言った?」


「今かがいいのー!」


 そう言ってアメルはいきなり声を上げて余計引っ張った。さっきまでは眠そうにしていたが、今の顔はいかにも泣き出しそうな顔である。すると、母親からダメ出しを食らった。


「ゼク、女の子を泣かせちゃダメよ。あっちに絵本があるから一緒に見てきなさい」


「...分かったよ」


 今は少しでも情報が知りたかったが、本があるなら一石二鳥だろうと思って、妹の面倒を見ることにした。


 妹アメルを連れて奥に行くと、本棚があった。その中から、一冊の本を取り出したゼクシオは広げてみると、本の中には絵と見たことない文字が書かれていた。


 (文字は読めないのか)


 こうしてゼクシオにはまだ文字が読めないことが分かった。だが本が読めないと広げているだけでは、アメルがずっと不機嫌そうだった。


「絵本読んで!」


「文字が読めないよ」


「読んでったら読んんで!」


(そんな駄々こねられてもなー、異世界文字読めないし)


 ゼクシオはアメルの対応に困り果てていると母親から声がかかった。


「ご飯食べるわよ」


「はーーーい」


 元気な返事をすると素早くアメルはリビングへ向かった。


(忙しいやつだな)


 ゼクシオもお腹が減っていたので、本をその場に置いてテーブルへ向かった。

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