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異世界大陸  作者: キィ
第一章 記憶覚醒
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第2話「結果」

(諸君、長らく待たせたが、結論から言おう。...男だった)


 ゼクシオには何かが崩れる音がした。


(別にいいもん。気にしてないし...グスン)


 自分が男であるかどうかの確認の為、自分の顔で幸せになった後、結局下半身を確認することになった。ゼクシオは1人部屋の中で現実を受け入れながらぶつぶつ呟いていた。


「そっかー、男なのかー。ゆ、夢がぁ...」


 1人で数分経過した後、消え去った可能性を払い退けるように立ち上がった。


(ふー。まぁ、これは悔しいが、仕方のないことは仕方がない。何せ、転生ってだけで凄いんだから、今からすることも大忙しだろう)


 現状ではまだまだ判断する材料が無く、何をするか目的すら見つからない。だから、転生した可能性があると言う事実にすがり、今は動くしかなかった。部屋を出ようとすると、隣で動く音がしたのでさっきの部屋に戻った。


(部屋は木造だな。特別ではないはず。特に違和感もない。やっぱり実は神界でした!とかではなさそうだよな。魔法はあるといいな)


 ファンタジー定番の魔法がある世界を期待しながらそのままさっきの部屋に戻ると、ゼクシオに先程手を乗せていた男が起きていた。


「ん?おう、ゼクシオか、早いお目覚めだな。あんなに遊んだのに。もう元気になるとは、流石パパの子だな」


「う、うん」


 そんなことを言いつつ、男はゼクシオの頭をわしゃわしゃして部屋の外に出た。男の言った『遊んだ』が何をして遊んだのかゼクシオには分からないが、そのまま父親と思われる男の後をついて行く。ついて行った先はテーブルがあり、隣にキッチンのような場所があった。そこで、何かを洗っていた母親はこちらに気づき話しかけてきた。


「あら起きたのね」


「おう」


 ゼクシオが聞く夫婦の初会話だった。よく見るとどっちも顔が良く整っていて髪の色も日本のように黒ではなかった。そんなことに気づきながら傍で話を聞いた。


「アメルはどこ行った?」


「アメルはセナちゃんとまたお花を摘みに行ったわよ。セナちゃんには兄弟いつもお世話になってるはね。ねーゼク」


(オハナツミ?それってトイ…、なわけねえ。て言うかアメル?が兄弟っぽいな。俺に兄弟がいたんだ。そしてセナちゃんって子、いったいどんな子なんだろ?俺とも友だちかな?)


 新たに聞く名前が出てきてゼクシオは自分との関係を推測していた。


「そうか、セナちゃんにはいつもお世話になってんな。今度また、メノードの所に顔出すか。よし、ならもう1回父さんと遊ぶか?」


(もう一回遊ぶってことは、さっき、つまり俺が目覚める前にしてたことだよな?どんなことをしてたか気になるし、この体はどうやら元気があり余っているようだから、外に出てみるか)


少し考えた後、その誘いを受け父親と遊ぶことにした。


「...うん!」


 父親に数分ついて行ってゼクシオは気づいたことがいくつかあった。まずは家の周りだ。


 ゼクシオの自宅は一軒家で見た目は至って普通。周りとあんまり変わらないからまず貴族ではない。そして、近くに大きな家が見えたので記憶を頼ればそこがこの村の領主の家であると簡単に出来る予想をした。


 村の中をしばらく歩けば村の人々と会うのは当たり前だが、父親は彼らと会うたびに手を挙げて挨拶をしていた。どうやら村のみんなと仲がいいらしい。父親はリオと呼ばれていたので、愛称で無ければリオ・アロンスフォートとなる。挨拶してをする中には動物の耳のような者が付いている者もいた為、ゼクシオは獣人族がいる事を認識した。


 挨拶をしたり声を掛けられながらリオはどんどん進んでいく。ゼクシオは5歳なのに速すぎやしないだろうか?と思いつつ必死に食らいついて行った。少し息を上げ始める頃、村の外側へ出てきて内側からはあまり分からなかった森が見えた。するとまだ進み、森へ少し入ったところでリオは止まった。


「よし、ここらへんでいいか」


 そんなことを呟くといきなり近くの木の枝を2本ほど折り、一本をゼクシオへ渡した。


「これは何?」


「母さんに見つからずに鍛えるってお前がこの前言い出したから、まぁ、父さんも暇な時はちょうどいいと思って遊びながら鍛え始めたけど、忘れたか?」


 咄嗟のことでゼクシオは聞いてしまったが、どうやら最近鍛錬し始めたらしい。それも自分から。


(インドアの俺がよく言ったもんだな。俺の意思じゃねーけど)


「...いや、再確認だよ」


「そうか、忘れるわけないよな。自分から言い出したし」


 咄嗟に聞いてしまった質問は誤魔化し、枝を受け取る。すると、リオは枝を構えながら遊び、鍛錬の内容を発表しようとしていた。


「よし、今から...」


 ゼクシオも咄嗟に枝を構えて備えると、互いに剣を構えているかのようで前世では剣道、異世界などでは剣術の戦いを想像できるほどだった。ゼクシオは鍛錬っと聞いて息を飲み、これから待ち受ける激しそうな訓練を連想しながら心の準備をした。

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