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異世界大陸  作者: キィ
第二章 魔学舎入門
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第2話「クラス振り分け」

今までの部分を今後少しずつ改変していくと思うのでご了承下さい

 魔学舎の門の中には新入生を案内する上級生と今ゼクシオ達と一緒にやって来た上級生、それから一定数集められて連れて行かれる新入生にそれを微笑みながら見ている先生らしき人物が3人いた。


「おーい、セナちゃーん!」


 門にはすでにプルーム達が来ていた。


「遅かったな。やっぱり男といるからダメんだ!」


「…そんなことナイ」


 リゼの返事で先に来ていた組は彼女の方へと視線を集めた。リゼはそこでゼクシオと手を繋いでいた。


「な…。お、お前!ゼクとなんで手を繋いでるんだよ?分かった。ゼクから握ってきて離さないんだ!おい!離してあげろ!」


「い、いや。俺はただ…」


 ゼクシオが無理矢理手を繋いでいると思ったティアリスはゼクシオをリゼから引き剥がそうとした。しかし、そこで別の人物が止めた。


「リゼちゃんはゼクシオに上級生から守って貰ってたんだよ。だからゼクと手を繋いで安心してるの」


「そ、そうなのか?でもセナは嫌だろ?」


「どうして?リゼちゃんが安心出来るならいいじゃない!」


「え?本当にいいの?この状況」


「うん!みんな無事集まれてよかたね!」


 ティアリスはセナがゼクシオのことを好きで今までゼクシオにすぐ飛んで行くと思っていたが本人はそれほど想っていなかったのか、それともまだ理解していないのか特に嫌がる事はしなかった。


(ハァ、セナってもしかして鈍感かお人好しか恋を知らないのか…。私でもクソ兄とクソ姉のせいで変な恋話ばっかり聞かされて知ってるのにこのお嬢様のセナが?まさかね。って事は早とちりだったか?)


「ん?」


 ティアリスに見つめられセナは可愛い顔をかしげるだけで何も思ってなさそうな顔だった。


(前言撤回。やっぱりアホだ)


「ハァ、いいよ。なんでもない。じゃ、みんなで一緒に入るか」


「おおー!やっとだ!」


「レルロ、お前うるさいからいらない」


「なにー!」


「大丈夫。レルロ、いつものだよ。流してあげな?お前はもう立派な魔学生だろ?」


 ゼクシオが抑え、レルロは自分をなんとか抑えることができた。


「ゼク、レルロの扱い上手くなったね?」


 カイがレルロに聞こえない声で話しかけてきた。ゼクシオはレルロを見ながら笑って答える。


「いやね、レルロってちょっと喧嘩っ早く見えるけど意外といいやつじゃん?」


「まぁね。仲間思いだしリーダーシップ取ろうとして引っ張ってくれるし、一緒にいて楽しいよね。ゼクも仲良くしてくれてレルロもきっと嬉しいよ」


 カイも共感していた。彼の言葉は本当に本心から言っているようで、自然に笑顔になって話していた。



「ああ」


「ところで、あれは何してるの?」


 そこではレルロが深く息を吸ったり吐いたりしていた。


「スー、ハー。スー、ハー」


「深呼吸だよ。怒りそうなときにすると落ち着けるよって教えてあげたんだ」


「効果はあるみたいだね」


 やっと落ち着いたレルロは気を取り直して先に進んだ女子達の後に続いた。


「僕たちも行こう」


「うん」


 門の中へ入ると、とても賑やかだった。知り合いに会って安心している子、新たな場所で目を輝かせる子、まだ右も左も分からず困っている子。その中で人が集められ少しずつ人を連れて行ってる場所に近づいた。


「はーい。新入生の皆さんは私達の所に集まってくださーい。お名前を聞いた後でクラス分けをしまーす!6年間クラスが変わらないからみんなで仲良くしてねー」


 そう言って人を振り分けている上級生が数人いた。


「クラス分けだね。この日まで分からなかったからどうなるか楽しみだね」


「…………」


「一緒だといいけどなー」


 レルロは後ろに腕を組みそう呟く。みんなこの日まで誰と一緒か分からないため当然心配していた。


(6年間変わらないクラス決めか。友達はまだここにいるみんなだけだから仲がいい人達と一緒だといいな)


 女子グループの方はすでに先の方で振り分けされておりキャキャはしゃいだりしていた。女子達に注意を引かれていると前から上級生の少女がやって来た。


「次は君達だねー?お名前教えてー?」


「俺はレルロ・パーモンだ!もちろん1番のAクラスだろ?」


 レルロはそんな偏見的な発言をしながら堂々と名前を話した。上級生の少年はヤンチャなレルロの姿を見て笑いながらクラスを教えた。


「クラスに1番もないけど、君はAクラスだね」


「やったぜ!」


 レルロの予言が当たった。Aクラスになってレルロはとても上機嫌で鼻歌交じりに喜びながらゼクシオ達の番を待った。


「お前達もAクラにこいよ!」


「さて、次は君かな?お名前どーぞ?」


 カイの方に上級生の少女は振り向き、また同じように質問をした」


「僕はカイ・セレクシスです」


「わぁお!君、本当にあのセレクシス家?」


「まぁ、家名を言うとよく聞かれます。一様分家なのでここの領主様の近くに住まわさせていただいてます。でも、とても多い分家の中でも最弱とよばれてまして…。僕はまだまだ未熟者ですが、以後お見知り置きを」


それを聞いてゼクシオは驚いた。


「カイ、有名な家の子だったの?」


「ゼクは知らなかったかい?」


「ああ。驚いたよ。やっぱりセナを守るため?」


「まぁ知ったところで分家だから変わらないし、守る対象のセナも友達として接して欲しいって最初に言ってたから今はこのとうり。ここの領主様も庶民色に染まってるようだしね?」


(そうだったのか…)


 ゼクシオがカイの素性に驚いて、会話をしている間に上級生はカイのクラスを確認をしてクラスを伝える


「君はCクラスだね。君の事は楽しみにしているよ」


「いえ、まだ未熟ですので…」


 カイは一瞬俯いて、どこか元気が無いように見えた。


(ん?気のせいかな?)


「じゃあ、次は君だね!お名前なんて言うの?」


「…………ヘーゼル・ルディルク」


 眠そうにヘーゼルは呟いた。その答えに上級生の少女はまたも反応を示した」


「もしかして、ルディルク先生の子?」


 その言葉にヘーゼルは小さくうなずいた。


「へー、君がルディルク先生の子かー。先生の授業は為になるから君の事も気になるなー。これからよろしくね?それで、…君はAだ!じゃあ最後!君だね?」


 最後にやっとゼクシオの番が回って来た。今までこの世界で起きた出来事を回想しながら自分の名前を再認識して、息を吸い込みはっきり答えた。


「ゼクシオ・アロンスフォートです!」


 その答えにも前者2人同様に上級生は反応を示した。


「君がかい?やっと会えた!紫電のリオさんの息子ゼクシオくんだ!」


 何故かどこでも存在を知られているようでゼクシオは困惑していた。


「あのー、父さんてやっぱりすごい人なの?」


「何言ってるの?君の親でしょ?そっか、まだ習って無いもんね。いいよ、教えてあげるね。約10年前、君のお父さんがまだ17で魔導生だった頃、魔族との大きな戦争があった。今もまだ続いてるけど最近は小規模が続いている。で、その戦いの時に魔族側の中でも特に強い幹部グループ黒帝の1人がいたの。その幹部は恐ろしい力で次々に戦場を揺るがせて、人間族は大惨事。国の大戦力達も遠くで戦っていたりやられたりしながらでなかなか止められず一点集中でどんどん進軍されていた。

 

 その時、敵を止めたのが君のお父さん。厳密には君のお父さんの隊が当たってとどめを刺したのが君のお父さん!まだ若い魔導生が敵の戦力を削いだから国中、いや人間中が騒いで一瞬で広まった。この戦争で起こったその出来事がきっかけで、一気に流れが傾いて人間軍は魔族軍を押し返した。そして、戦場には紫色の雷が降り落ちたと言う伝説が残ったから今では紫電のリオってみんな知ってるよー。ね?君のお父さんは凄い人だ。僕も前に会いに行ったけど、とってもいい人そうだったね」


 上級生の少女は嬉しそうに語った後、最後にクラスを伝えた。


「話が逸れてごめんねー。それで、君のクラスは…、Bだね。それじゃ、これからよろしくねー。はい、次は君!」


 上級生の少女は後ろで待っていた次の子に移って行った。


「ゼクは知らなかったの?」


 カイが話しかけて来て、ゼクシオは今聞いた事を思い出しながら話す。


「そうだね。まだ何も歴史を学んでいないから今まで知らなかったよ」


「ゼクのおじさんは凄いんだよ」


 カイがそう言ってくれてリオが何故か誇らしくなった。


(いきなり父さんが誇らしくなったな。でも、家の姿じゃあんまり実感ないなー。後、クラスは1人だけか。友達できるかな?)」


 そんな事を思っているとレルロが少し苛立ちながら話しかけて来た。


「おい!お前ら、なんでこんなにAが少ないんだ!みんな寂しくないのか?」


「そりゃ寂しいけど、新たな友達作るしかないだろ?」


「くそー。こんな事ならもっと早く来ればよかった」


「早く来ても何も変わらないと思うよ?」


 ゼクシオに現実的に返され、カイにも変な事が言い返され、レルロはみんなで同じクラスになれなかったことにますますイライラした。


「はい!レルロ〜。そう言う時こそ深呼吸!吸ってー、吐いてー。吸ってー、吐いてー」


「スー、フー。スー、フー」


「大丈夫?すぐイライラしたらダメだよ?」


「…、もう大丈夫だ。さっさと教室向かうぞ!」


 そう言って一行は校舎の中に案内する上級生の元へ向かって各教室へと入った。

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