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23話 顔


 玄関にいる俺たちの前に現れたのは、三人の女の子――服装も含めて子供っぽい見た目をした少女、とても短いズボンが特徴的なラフな格好の少女、ゆったりとしたワンピースを着た大人しそうな少女――だった。


 みんな興味深そうに俺の顔をジロジロと見てきて緊張したが、一番背の高い短いズボンの子が少し屈んだかと思うと子供っぽい子の脇を肘で突いて流れが変わった。自己紹介を催促したんだろうか? 痛そうだ……。


「わ、私の名前はファリムよ。よろしくねっ。所持スキルは【落とし穴】といってEランクだけど、結構便利なの」


 へえ。トラップ系のスキルなのかな。痛そうに脇腹をさすっていたが、それでも無理矢理笑顔を作って自己紹介してくれた。終わった途端、むっとした顔で隣の子を見上げてたが……。


「今度はルーネの番よ!」

「ちょ、ちょっと! これからうちが紹介するっていうのに、名前をネタバレするんじゃないよ!」

「そんなの知らないわ、いい気味よ!」


 ルーネっていうんだな。苦い顔してるから、ファリムって子にやり返された格好だ。


「……えー、ちょっとケチついちゃったけど、うちの名はルーネ。よろしく! いっつもこのファリムって子の面倒を見て……イテテッ! ファリム、あんた今足踏んだでしょ!?」

「しーらないっ!」

「「……」」


 喧嘩が始まってしまって、俺はコレットと顔を見合わせた。彼女も困惑した様子だ。


「こらこら、お前たちー。自己紹介なんだから真面目にだなあ――」

「「――リーダーは黙ってて!」」

「了解っ!」

「「あはは……」」


 俺たちは笑うしか術がなかった。ジラルドはメンバーの尻に敷かれてそうだな。


「ちょいと邪魔が入っちゃったね。自己紹介の続き! 見ての通り騒がしいところだけど、そこをちゃんと取りまとめるのがうちの仕事ってわけ。割と大雑把な性格だけど、新人さんにもビシビシ行くから覚悟しとくんだよ!」

「「は、はい……」」


 このルーネとかいうラフな格好の子、実質リーダー的な存在なんだろうか。


「ルーネ、スキルスキル!」

「あっ……ヤバッ。忘れてた、ありがとね、ファリム」

「あとでお菓子ね」

「……ったく。ネタバレした分を引くから、ちょっとだけだからね! えー、うちのスキルは【縦横】っていって、近くにいる生き物を横にしたり起こしたりできるんだ。今は使えるってわかったからいいけど、当時はDランク判定だし外れを引いちゃったと思って二晩寝込んだけど、そのことは外部に漏らさないように頼んだよ!」

「「も、もちろん……」」


 明るくてハキハキした感じの子だな。コレットもそうだが、それより大味というかもっとさっぱりしてる印象がある。


「さぁ、次はあなたね……」

「あんたの番だよ……」


 ん? ファリムとルーネって子の様子が変だ。大人しそうな少女のほうを気まずそうに見てる。ずっと微笑んでるしいい子そうに見えるが、仲が悪いんだろうか?


「……マブカ」

「「え?」」


 やっと喋ったと思ったら、マブカと言った。この子の名前っぽいな。


「……スキルは【狭間】です」

「「……」」


 なんてこった。彼女は俺たちに背を向けたかと思うと走り去ってしまった。


「やっぱりかぁ。まあでもマブカにしては頑張ったほうかな」

「「ジラルドさん?」」

「彼女、凄く人見知りさんなんだ。うちのパーティーじゃ僕に次いで二番目に強いんだけどねぇ」

「「へぇ……」」

「その次は私ねっ」

「はぁー? うちだよ!」

「試してみるぅ?」

「いい度胸じゃないか!」

「「むー!」」


 またファリムとルーネが喧嘩してる……。


「はっはっは。彼女たちの喧嘩は日常茶飯事でね。まぁ、マブカはまだきっとその辺にいると思うから」

「……え? どこにも見当たらないけど……」

「ほら、あそこ」


 ジラルドが指差す方向には壁があるだけで誰もいないはずが、そこにはマブカの微笑んだ顔だけがあった。


「あ、あわわ……」


 コレットが慌てた様子で俺の後ろに隠れる。正直俺も恐ろしさのあまり足が震えてしまった。なんだこりゃ……。


「……こ、これは一体……」

「これこそマブカのスキルなんだ。ランクは僕と同じCで、自分の半径四メンテル以内であればどこでも【狭間】で小さな歪を作れて、そこから自由に覗いたり手を出したりできる」

「「へえ……」」


 結構便利そうだ。これなら、かなり怖いがこっちの自己紹介もちゃんと聞いてくれそうだな。

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