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孤高の魔道士は自分の不変を望む  作者: 最弱のあああ
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六話 最強キャラの本気で戦闘

 


 黒い光が球体に収束していき一つの丸い塊になり部屋いっぱいを埋め尽くした。


 それは、自分以外の今まで見てきたどの魔道士よりも魔物よりも巨大な魔力を所持しており、一目で非情に強く危険で悪意のある魔物を召喚してしまった事に気づいた。


『……汝が、我を呼び寄せし不遜なる契約者の者か』


 頭の中に直接響いてくる声がした。どうやら、知能も迷い込んで来た他の魔物とは比較にならないほど高いようだ……そもそも頭の良い奴は迷子にはならないよな。


「あ、ああ、そうだ。契約者と言う事は召喚には成功したのか?」

 契約者と言う言葉に敵にはならない事を安心し質問する。


『如何にも、我は不遜なる契約者のしもべであり、契約者たるあるじと認めた者だけに絶対を誓って見せよう』


「そうか、な『だが、汝、不遜なる契約者を主として認めた訳では無いことも此所に宣言しておきたい』


 ……つまり、お前は俺の僕だが、俺の命令に従う気は無いという事で良いんだな?」

 目の前の黒い塊が言った言葉に再度、緊張がはしる。


『然り、我は魔力の塊で有り、力その物だ故に汝が我を従えたくは己が力で我を屈服させ主と認めさせて見よ』


「……ねえ、これ大丈夫?……この魔物、対処できるの?」

 後ろに居た、深影が少し震えながら聞いてくる。


「まぁ、大丈夫だろう……拘束を解くから逃げるといい。できれば、魔道士連盟に頼んでここら一帯に人を魔道士も含めて近づけない様に頼んでほしい」


「えっ……応援は呼ばなくて良いの?……死ぬよ?」


「死ぬ?問題ないさ、私が勝つから」

 心配そうに言ってきた意外な問いに、つい強気で言ってしまう。


「……そう、無理だと思うけど言うだけ言ってみる」

 意外とすんなり了承してくれ、すぐに出て行った。


「さて、待ってくれた事に感謝する。あの様子だと、魔道士連盟が介入してくるのも時間の問題だろう。手早く終らせてしまおうか」


『良いだろう、我が主たり得る人物か確かめさせてもらおうか。では、、、始めるぞ』


 黒い塊の合図と共に塊の体から黒いビームがいくつも掃射される。それを、ビルの窓から脱出する形で回避する。

 即座に【魔力超濃縮物体】で足場を作り空中に留まり崩れる廃ビルから悠々と出てくる黒い塊に視線を向ける。


 ビルから出るやまた黒いビームを掃射してくる。

「あれは、魔力物体の障壁だけじゃあ防げないな、、、【陰陽反転】弱き盾を強き盾に」

 陰陽反転には陰と陽を逆にする力があり、男を女に昼を夜に、弱を強に変える事ができる。もちろんそれ相応の魔力を消費するが、魔力物体をお手軽に強化できるだろう。


 障壁越しにこちらまで伝わるでかい衝撃音が何度も何度も鳴るが、なんとか障壁は耐えてくれた。


『口先だけでは無いようだな……ならば、これならばどうだ』

 黒い塊から巨大な手の形をした物が伸びで襲いかかってくる。


「これは、魔法じゃないな黒い塊自信の実体か、それなら【魔力超濃縮物体】変形・きり

 魔力物体の先端が尖っていきドリルの様な形になっていく。


 魔力物体と黒い塊がぶつかり合うと、きりは回転し始めて黒い塊の手をえぐる。

『ぬぅ!だが、この程度では我は倒せぬぞ』

「わかってるよ、変形・大剣」


 魔力物体で作った大剣を両手に持ち、足場を黒い塊の場所まで伸ばし駆ける。

 黒い塊からもう一本の手が伸びてくる、黒いビームも同時に放ってくる。

 それらを、障壁で防いだり避けたりしながら進む。しかし、近づけば近づくほど攻撃の密度が上がり、途中で足踏みする。


「くっそ!変形・棘!」

 棘を飛ばし相手の注意を削ぐ、黒い塊は棘を防ぐのにビームを使いこちらの攻撃密度が下がるがまだまだ遠い。


 お互い決め手に欠ける。このまま、消耗戦に移行すれば勝つのは魔力が多い方、多分俺だろう。そんなことを考えていたら黒い塊が話しかけてくる。


『……愚かなる契約者よ、我は汝がより高い魔力を保持しているのは理解している、だが汝は我を召喚せしめた魔法については理解できてはいない様だな』

 黒い塊が喋り終えると同時に自分の魔力が一気に減る強い脱力感と塊の魔力が全快まで回復する


「なっ!!どう言う事だ!?魔法か!?」


『魔法ではない、契約だ。汝が発動した魔方陣には我が魔力を必要とすれば契約者から魔力を譲り受けることができる。故に汝の魔力が尽きるまで我の魔力が尽きる事はありえぬ……更に、なにも我は攻め手が無いわけでは無い、少しの間魔力を溜めていたにすぎん』


 塊の体から今までの比ではないほどの巨大なビームは放たれる。

 それは、たやすく障壁を溶かし俺に直撃する。














 ――超自己再生――


 ――呪羅万象顕現――


 体全体から黒い靄が湧く、先ほどまで着ていた衣類は黒くそまり肌は死人の様な青ざめた白い肌になる。片手には先ほどまで無かった杖が握られている。


「……この姿はな、自分自身を呪いその物にして絶大な力と共にじわじわと死に向かう魔法があるんだよ……まぁ、超自己再生のおかげで、そう簡単には死なないんだけどな


 ここからは俺も本気だすから、、、死ぬなよ」


『我を誰と心得ている、不遜だぞ!』

 黒いビームを掃射してくる


「誰だよ、お前の名前すらしらんから。呪刻杖、怨念の流れを撃て」

 黒い靄が集まり、黒い水になり迫り来るビームに向けて空を流れ始める


 黒と黒のビームと水の流れがぶつかり相殺され、あたりを暗くする。

 ビームを絶え間なく撃ち続けながら、次に黒い塊は両の手を伸ばしてくる。


「呪刻杖、悲哀の壁を作れ」と片手に持っている杖に指示と魔力を送り、黒い靄が集まり壁を作る。

 それと黒い塊の両の手がぶつかり合い壁と手は動きを止める。


『感じるぞ、、、汝より世界規模の圧倒的なる負の感情が、良いだろう、次で決めようぞ』

 そして、黒い塊は溜めたビームを再度、発射する。ただ、一発目より倍以上の大きさ、旅客機ほどの大きさになって。


「呪刻杖、悪意の弾丸で終らせろ」

 黒い靄が、全世界より集めた悪意が小さな一つの弾となり撃たれる。


 巨大なビームと小さな弾丸がぶつかり、魔力の衝撃波が街全体に響き渡る。街に居る全魔道士が気づいただろう、街に居る魔道士の才能を秘める全員の者ですら違和感を感じただろう。

 ビリビリと音を立てぶつかる、たった一つの小さな弾丸がビームを押し返していく。

 そして……弾丸がビームを突き破り一直線に黒い塊に向かっていく。




 人類全員の悪意を個々の力で止められる訳が無い、故に相手が誰であろうと発動した瞬間、勝利は決まる。たとえ、相手が魔物でどこかのお偉いさんだとしてもだ。




 弾丸が黒い塊に当たり貫く、その余波で貫かれた周りの塊も大きく抉られ黒い塊に大きな風穴を空ける。


『主たる契約者よ、見事なり、汝を絶対なる主と認め、我は主の為だけに生き、主の為に喜んで死のう。さあ……望むと良い、我は汝の望むがままになるだろう。この世をすべる覇者となるか?ならば我はそれを叶える為の軍隊になろう。それともこの世界を壊す破壊者を望むか?さすれば、我は世を破壊し尽くす為の兵器になろう。さぁ、何を望む?』


「興味無いな、、、しいて言うなら都合の良いパシリで」


『なんと!?なら、なぜ我ほどの者を呼び寄せた!』


「なんとなく落ちてた召喚魔法を試したら偶然お前が出てきただけだし」


『……汝が発動した魔方陣は異界の魔物を統べる魔王呼び出すモノだ、本来あの程度の生け贄では召喚できぬが、契約者の魔王をも凌ぐ魔力量と多大な魔力を含んだ汚れ無き血を大量に付いていたからだ……それら全てが偶然だと?』


 表情が無いからわからないが、なんだか怒ってる気がする。魔王と言うからには王様だろうし、大した願いも無く興味ないって言葉は失礼だったかな。と言うか、あの大男達とんでもない魔方陣用意してたんだな。大男達で召喚してたら少なくても街一つは滅んでただろうな。


「なんだか、悪い事をしたな。とりあえず、邪魔だからどこか誰にも見つからない場所に隠れててくれないか?」


『……邪魔か、了解した。ならば、主の中に混ざらせて貰おう』


「混ざる?それは、、、どうなるんだ?」


『我は魔力その物、主の魔力と混ざり同化する事で主が魔力を絶つ事により、何人足りとて我を見つける事は出来ぬようになる』


「悪くないな、それで頼む」

 すぐに名も知らない魔王は俺の中に入ってくる。

 一時はどうなる事かと思ったが何とか事態が収まって良かったと一安心し俺も直ぐにそこから離れて行った。


 後に残ったのは呪いの魔力がぶつかり合ってできた、近づくだけで体調不良を引き起こす負の空気だけだった。しかし、いつしかそれも消えて無くなった。












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