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前世が蚊の勇者は弱いものいじめを許しません  作者: 大亀
第二章、勇者が旅立つまで
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第5話

「そ…そんなこと、魔族の、魔神の王であるお前がしていいことではないだろう!?」

「許されるさ、私は神なのだからな」

「こいつ、正気じゃねぇ!」

「私はいたって正気さ。言っていなかったな。魔神と言うのは堕神、堕ちた神なのだよ。ようは神命界から落とされた弱き神だ。それを私は束ねている。これを神と言わずしてなんと呼ぶ」


「くっ、けど魂になったものをどうやって転生させるんだ!」

「私は魔族を全員操作出来る。私に忠誠を誓ったものや、ひどく心酔しているもの達は全て操れるんだ」

「なら人間や、他の生物はどうするんだ!?」

「お前は一度見ているだろうが、私は生物を魔族にすることに成功している」

「見ているって何を………」

俺の町にが攻めて来たときに、あいつらがやっていた精神を崩壊されることか!


「その通り!ちなみにそいつはその実験の失敗作だ」

そう言い彼女を指差す。


ブチッ。ダメだ、早まるな。


「全く、最初の方は苦労したさ。人間を魔族に変えるなんて馬鹿げたこと考えなければ良かったって思った。でも思い付いてしまったんだ。生物の精神を崩壊させ、記憶や感覚などを無くし、魔族の魔力を少し加えれば、魔族として生まれ変わるということにな」


ブチッ。ダメだダメだダメだ。おさまれ、おさまれ。


「しかし、私の軍が攻めれば攻めるほど、私の軍勢は強くなり、彼らの軍勢は弱くなる。ハハハ、滑稽だよ。人間達は元人間と戦っていると思うとなぁ」


くそ、抑えきれねぇ!


「う、ウォォォォォォ」

俺は叫んで魔神王に飛びかかっていた。理性を失うと同時に引き寄せ(アポーツ)を使って刀を持っていたようで、魔神王は一瞬、対応できなかった。

「くっ、いつ出したんだ!?その刀は!」

「サッさトしネェぇぇぇぇ」

「ふっ、残念だったな。固有能力(パワクスキル)「勇者」よ。お前は俺に勝てんよ。≪聖霊、メルトクワイル≫!」

すると俺は吹き飛ばされた。なんだ?あいつのあの力は。能力(スキル)系でも魔力(マナフス)系でも白力(レンナク)系でもないぞ、見たことのない力だ。

「ウグ、ウガァァァァァア」

馬鹿!早まるな!

「俺はそれがお前ではないというのがわかっている。少々痛いが我慢してくれ」

そう言い手を伸ばす。

巌神風波(メルトウォイル)

「?!」

俺は謎の力で後ろの壁まで一気に吹っ飛ばされた。

「ガハッ…ふう、助かったよ」

「礼には及ばないさ」

「その力、なんだ?」

「特別に教えてやろう。これは聖霊と言ってだな、この地の下に発生する『聖霊の間』と言うところで聖霊に力を示すと聖霊の力を手に入れれるんだ。ちなみにお前の町の、確かお前の友人のメイネだったかな?その家の下にあるぞ」

「まさかお前が侵略してるのって」

「ああ、人を魔族にするのと同時に聖霊の間を探して聖霊を手に入れるためだ」

「そうか、お前の行動は理にかなっているんだな…」

「ああ、そうだ。しかし私にも疑問がある。なぜお前は人間なのに固有能力(パワクスキル)を2つ所持しているんだ?それは魔族の特権だろう」

「知るか、俺に聞くな。聞くんなら【運命の手綱】とやらを握っている神にでも聞いてくれ」

「うーむ、転生者だからか?それなら私は3つ持てるはず」

「何故だ?」

「私も「勇者」として転生させられたからだよ」

今こいつとんでもないことカミングアウトしやがったぞ?元勇者だと?まじか俺と同じじゃねぇか。


「そもそも固有能力(パワクスキル)は本人の能力によって個数が決まるのか?だから魔族が2つで人は1つなのか?」

「お前、人として転生させられたとしたら、本来1つじゃねぇのか?」

「魔神王になった時に1つ発現しているんだ。元々のやつは察してくれ」

まあ、「勇者」だろうな。


「それでも現状、判断材料が少ないので無理じゃないか?」

「うーむ、それもそうだな。さて、聞くのが遅れたな、お前は私と共に神を殺してくれるか?」

「ごめんだね、一応俺も人なんでな。そして全員が心中するなんてやなんでね」

「そうか、では捕まえて無理やり魔族にして思考能力を奪い、私に協力させよう」

「させるかよ!能力(スキル)発動、物体転移(テレポート)|Ver(バージョン).引き寄せ(アポーツ)&移動(ノウヒ)

俺は倒れている彼女を転移させ、移動(ノウヒ)で移動しようとした。しかし目の前が歪むだけでなにも起きない。


「残念だったな、この空間ではここから移動する方法は俺の転移魔術か、あの扉しかないぞ」

そう言い魔神王は俺の後ろにあるでかい扉を指差す。あっこから出ようとしたら捕まっちまうわな。


「どうする?絶対絶命じゃないか?」

そう言いながら魔神王は近付いてくる。

「しゃーない、体壊すけどやるしかねぇな」

「ほう?この状況を打破する策があるのか」

「まーな。白力(レンナク)拳術142節、時空割り!」

そう叫び俺は何もないところを刹那の瞬間で殴る。

「どうした?何もないじゃないか」

「そうかな?じゃあ俺の方を見てみろよ」

俺の目の前が歪み、謎の穴が空いている。


「ほう、時空の穴か。しかしそこには入ると言うことは、ほぼの確率で時空の狭間に囚われるんだぞ?」

「知っているさ、だからこうするんだよ!能力(スキル)発動、物体転移(テレポート)Ver(バージョン).移動(ノウヒ)!」


俺は時空の穴に転移(テレポート)の空間の穴を埋め込んだ。

「なるほどな、そうやってこの空間ではない空間に当てはめるのか」

「追って来ないのか?」

「行かないさ、まだお前と本気で戦闘がしたいわけじゃない。また今度お前が来るときにまた答えを聞くから、その時を楽しみにしてるよ」

そう言って魔神王は玉座へと戻っていく。


「じゃあな魔神王。戻ったら聖霊の間とやらに行ってみるよ。楽しみにしてな」

そう言い放つと、俺は穴に飛び込んだ。

――――――――――――――――――

「フフフ、あれが新しい転生者か。あいつはきっと「勇者」を使いこなすんだろうな」


俺と違って…。ハハハ、あいつが来たときに驚かせてやろう。聖霊の力を使いこなし、能力(スキル)の最上位種、神壊罰(アルサノタク)能力(スキル)を、白力(レンナク)の最上位種、神武乃(リルシャカテ)白力(レンナク)を使えるようになってな。ハハハ、アーッハッハッハ。

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