就活開始
貨幣の単位は前話で話した通り。
あれが全てではないけれど、しばらくはあそこで言った貨幣しか出てこないわ。
因みに鉄貨はそっちの貨幣価値としては一応100円が目安だけど、そもそも商品の価値がそちらとこちらで違うことが多々あるからあてにはならないわね。
次の日の朝、大きな鐘の音が5回外から聞こえてきたのを聞いた後に部屋を出た。まだ太陽も出てない時間の人のいない廊下は薄暗くて、少し怖い雰囲気だ。ひょっとしたらそこの物陰に何かが隠れているのかもしれないって思えてくる。
でも、こうなったのは私が寝ちゃったせいだし、これくらい頑張らないと。暗いってだけで怖がるほど私も子供じゃないだし。そう考えながら足を踏み出した。
本当だったらもう少しこの世界のことを聞いてから色々準備するつもりだったけど、昨日はすぐ寝ちゃったからなぁ…… 私が思ってたより疲れてたのかも。
あっと…… 出発前に一応持ち物確認。うん、ポケットとかに物は入ってないね
部屋にはバッグと中の物ほぼ全部、それに銅貨は全部置いておいて鍵を掛けてる。今持ってるのは使用人の子にもらった革の袋とある程度のお金だけ。
学校のバッグとかこの世界には無いと思う物は目立ちすぎると思うからずっと持ち歩いてるわけにはいかない。
女将さんやエミナちゃんなら中に入れると思うけど。あの人たちが人の物を盗んだりするような人とは思えないし、私が持って歩き回るよりは安全だと思う。
そんな風に考えながら一階への階段を降りる。
今更だけど女将さんたちは起きてるかな? たくさんご飯を作るのは時間がかかると思うし、この時間帯でももう起きてるといいんだけど。
少し不安になりながらもホールに降りるとエミナちゃんがテーブルの横に立って退屈そうに欠伸をしてた。
エミナちゃんは私に気が付くと少し赤くなってごまかすようにせき払いしてこちらに歩いてくる。
「おはよう、早いんだね」
「おはよう、ご飯の前に聞きたいことがあって。女将さんは今大丈夫かな?」
「母さんは今ご飯の準備してて忙しいから無理。私じゃダメなの?」
気のせいかエミナちゃんからの目線が痛い。しかも、若干不満そう。
昨日、エミナちゃんを頼ったのに女将さんにも頼ろうとしたから裏切り者判定されたとか?
そういわれても大人と子供で持ってる情報は違うと思うから両方から話を聞きたいんだけど。
うーん…… でも、忙しいなら仕方ないか。ご飯終わったらなるべく早く外に出て少しでも活動する時間を増やしたいし。
エミナちゃんに色々聞いておこう。
「じゃあ、エミナちゃんに聞こうかな」
「! 何が聞きたいの?」
私の言葉を聞いてエミナちゃんは落ち着かせるように一呼吸を置いて私に食いつくように少しこっちに近づいた。
あんまり表情は変わってないけど何だかすごい嬉しそうなのは感じられる。頼られるのがそんなにうれしいのかな?
こんなことでも喜んでもらえるならこっちもなんだかうれしくなってくるけど。
ああ、まずは荷物を置いて行っていいのか確認しないと。
「部屋に荷物をおいていきたいんだけどいいかな?」
「今日も泊まるならいいよ。お金はちょうだい」
「今でいいかな?」
「うん」
そう言ってエミナちゃんはこちらに手を差し出してくる。
ポケットの麻袋からお金を出して手に乗せると、エミナちゃんは特に反応することなく自分の服のポケットにお金を入れた。
これでとりあえずは一安心。
昨日の夜に考えておいた聞いておかないといけないことを思い出しながら言葉にする。
「この街特有のやっちゃいけないことってあるかな?」
「この街特有の? それだったら貴族街と裏路地には行っちゃだめってことと…… 後は普通のことしかないわ」
「貴族街と裏路地? どんなところ?」
「入っちゃだめだからね?」
私が場所のことを聞いておかしいと思ったみたいで、エミナちゃんに疑いの目を向けられた。
でも、そういわれてもな……
「どんな場所か分からないといつの間にか入っちゃいそうだから教えて?」
「……分かった。貴族街は道に石がうめてあってキレイなんだって」
少し渋ったけど何だか少し嫌そうにしながら教えてくれた。
だけど、言い方が普通にしゃべるのと違って少し煮え切らない感じがする。
実際、エミナちゃんは貴族街のことを言いながらも少し目を逸らした。
「あれ? もしかして見たことないの?」
「騎士様が周りを守ってるから中には入れないから本当か知らないからしょうがないじゃない。好きで近づこうとも思わないし」
「あー…… そうだったんだ」
とりあえず入ろうと思わなきゃ入れない場所なら迷い込むことは無くて安心かな。
出来ればちゃんとした情報が欲しいけどそこはしかたないか。
苦笑いすると不満そうに口を尖らせた。
それをじっと見ていたら、今度はほっぺたを赤くしながらわざとらしくせき払いをしてまた話し出した。
「それで、裏路地の方だけど、裏路地はじめじめしてて危なそうで怖い感じのとこ。人があんまりいない小さな通りとかがそうだからあんまり大通りから離れちゃだめ」
「大通りから離れないように…… ね。分かったよ」
教えてもらったはいいけど正直説明されても分かりにくい。
行ったことがないからちゃんとイメージ出来てないってのもあるし、もしかしたら迷いこんじゃうかも。
何か対策…… そうだ、地図でももらっておけばいいじゃん。
あ、でも地図ってどこで買えばいいんだろ? 向こうにいた時はほとんど使ったことないからなぁ……
いいや、エミナちゃんに聞いてみよう。
「そういえば地図ってある?」
「ちず? 何それ、聞いたことない。どういうの?」
「え? えっと、地図はこの街の何処に店があるのかとか、何処に道があるのかが詳しく書かれてるものなんだけど、あるかな?」
「そんなのがあるんだ。そんなのがあるって知らないし、店の前の通りにはそんなの売ってない」
「じゃあ、時間がある時に書いてもらうのはどうかな? 道具はこっちにあるからさ」
「いいけど…… 書くって言っても何に書くの? それに私文字なんて読めないよ?」
「それはそれで大丈夫だと思う。今日は時間がある?」
「……分かった、お昼ごろに掃除が終わった後なら仕事もないから書いてもいいよ」
「やった! じゃあ、よろしくね」
少し内容を呑み込め切れていないという風ではあるけど首を縦にふるエミナちゃんをみて、喜びをおさえられずつい小さくガッツポーズした。
これで何とか地図が手に入りそう。
今すぐにって訳じゃないのは困るけどそれでも大分助かりそうだ。
一段落したところで外から二人のオジサンが何かおしゃべりしながら中に入ってきた。
宿の泊ってる人って訳じゃないよね? こんな朝早くから外に出てもやることなんてあんまりないと思うし。
ふしぎに思ってみていたらエミナちゃんは少し慌ててそのオジサンたちの方へと行った。
「! いらっしゃいませ! 今日は何にするの?」
「じゃあ、いつもの定食で頼むわ」
「俺も同じのをよろしくな」
「分かった」
エミナちゃんにそう伝えるとオジサンたちはかって知ったる他人の家といった風に、扉の近くのテーブルを陣取って話始めた。
それだけ聞くとまたあわただしく私の所に戻ってきた。
「お客さんもきたし質問はここまで。適当に座って待ってて。料理は私が持ってくるから」
「分かった。よろしくね」
「……あんまり答えられなくてごめんなさい」
しょんぼりした様子でそれだけ言うと、ぱたぱたと忙しそうに奥の扉の方へと早歩きで向かっていく。
やっぱり言い方はキツイけど気をつかってくれてるし根っこはいい子だよね、あの子。それが分かると棘がある言葉もなんだかほほえましい。
それほど時間が経たないうちにエミナちゃんが持ってきたのは、黒くて硬そうなパンと木の器に盛ってあるスープ。スープには何だかもやしみたいのがいっぱい浮いていたり、緑色の葉っぱや赤いニンジンみたいなのも入っていたりして栄養がありそう。
お皿を置いたらエミナちゃんは他のお客さんに呼ばれて別の所へといった。
まずパンをかじって…………
硬ったい…… これじゃ噛めないよ。
何とか手で思いっきり引っ張って食いちぎったけどこのまま食べてたらあごが疲れることは間違いなさそう。
仕方ないからスープを流し込んで口の中のパンをふやけさせる。
あ、しょっぱくてふしぎな感じがするけどおいしい。
もやしっぽいのもシャキシャキして結構歯ごたえが好き。
このパンはちぎってスープに浸さないと食べれないやつだ。でも、硬いのがなかったらパンも普通においしい。
女将さんは優しいし、ご飯もおいしいしいし昨日の焼き鳥(?)のおじさんはいいところを教えてくれたなぁ……
今度会ったらお礼言わなきゃ。
そういえば食べてる間にお客さんも増えてきて、ホールは大分にぎやかになって来てる。もしかしたらここはご飯時にレストランもやってるのかもしれない。
私の座ってるテーブルも食べてる途中にたくましい体をしたオジサンが座った。でも、このオジサンはなんだか生真面目そうな雰囲気で、拒絶のオーラを出しながらたった一人で黙ってご飯を食べてるから何となく話しかけづらい。
向こうは気にしてないみたいだから私の方も気にしなければいいんだろうけど。
「皿は私が下げるからどっかいっていいよ」
「あ、ありがとう」
そんな風にぼーっとしながらも手を動かしていて、気が付いたらお皿が空になってたみたい。
エミナちゃんが声をかけてくれたかと思うと空になったお皿をさささっと持って行っちゃった。
お礼を言っても特に反応は無し。忙しいのかな?
あんまり邪魔するのも悪いし、食べ終わってるからもうどいた方がいいか。
さてと、バッグとかお金はエミナちゃんにおいてもらえるように頼んだし、今日は仕事を見つけられるように頑張ろう。
気合を入れながら宿屋の扉を開け放って通りへと出る。
今日も天気は気持ちのいい晴れで就職活動びより。今は難しいらしいけど少しくらいいい反応がもらえたらいいな。
とりあえず通りの端のお店から順番に回っていってみようか。
門の方へと歩き始めた。
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「ごめんよ。悪いが俺んとこにゃお前さんを食わせる金がないんだわ」
「ううん、こっちこそ無理を言ってすみませんでした」
「いやいやいや。まぁ、嬢ちゃんもなんとかやっていけるよう頑張れよ」
「はい、ありがとうございます!」
八百屋さんのオジサンに手を振って別れる。
これで5戦5敗。私はまだ仕事を手に入れることが出来てなかった。
でも優しくてフレンドリーな人が多いし、断る理由もこっちが悪いって感じじゃなくて人手が足りてる上に新しく店員を雇う余裕がないっていうのがほとんどだから頑張ればいけるかも。
あと、就活には関係ないけど、町にいる人の中には変わった格好の人がいた。そう多くはないけど犬みたいな耳が着いてたり、尻尾みたいなのが腰上着とズボンの間からはみ出してる人がいるみたい。初めは仮装か何かかと思ってたけど、触らせてもらった感じだと温かくて血の流れがどくどく言ってるのを感じた。彼らは獣人っていう種族らしくて、動物の体の一部が残った人族って言ってた。
色々やってるうちに気が付けばお日様が真上にまで上りつめていて、もうすっかりお昼時だ。
……そういえば、エミナちゃんにはどのくらいの時間に行けばいいとか聞いてなかったなぁ。早めに行った方がいいかな?でも、出来るだけもっとお店を回っておきたいし、12時の鐘が鳴るまでなら大丈夫かな?
「ああ!!? なんだと!! てめぇ、もう一ぺん行ってみろ!!」
うるさっ!?
ぼーっと考え事してたら、近くから聞こえた大きな声に驚いて考えを止めさせられた。
大きくはあるけど少しくぐもった感じがするし、どこかの店の中から聞こえてきたみたい。
目を白黒させて立ち止まってる私を置き去りにして状況はどんどん進んでいく。
周りを歩いていた人がさっとはけていって通りに人のいない空間が出来た。まるで今から危ないものが出て来るのが解っているかのようだ。しかも、何人かはこっちの方を…… 違う。私のすぐそばにあるお店の方をニヤニヤと面白そうにみている。
えっと…… よく分からないけど、ここは危ないのかな?
「くそっ!!」
さすがに身の危険を感じて離れようとしていたら、また後ろから声がした。
まだ何かあるの?
嫌な予感がして振り返ると、店から転がり出てきている男の子と目が合った。
「何やってんだよ!? 早く逃げろ!」
怯えてるというよりは怒ってるって感じで、私のすぐ前まで走ってきて怒鳴りつけてきた。
今逃げるところだったんだけど……
心の中でつぶやいた文句は遅すぎたみたいで、男の子の後ろの方にはもう何か棒みたいなのが飛んできてた。
「あれ? 何、あの棒」
「チッ!!」
「え!? ちょっと、何!?」
男の子は直ぐに店の方へと向き直りながら私の手を引っ張って引き寄せた。驚いてとっさにつき飛ばそうとした時、すぐ後ろ、さっきまで私がいた場所に棒みたいなのが突き刺さっていた。
それを見たとたん、さっと顔から背筋に冷たいものが走った気がする。
近くで見たそれは本で見たいわゆる剣で、太陽の光を反射して物々し気に光ってるそれは演劇で使っているような偽物じゃないって雰囲気で分かった。それが私を傷つけようとしていたと思うと寒気がする。
「え……?」
「おい、クソジジィ! 外には人がいるから投げんなって言ってんじゃねぇか!」
「そりゃ、テメェが外に逃げんのが悪いんだろうが! ふざけたことぬかしやがって」
呆然とする私を放って男の子は店の方へと怒鳴る。すると同じように怒鳴り返しながら大っきな男の人が出てきた。その人と男の子が何だか言い争いをしてる。その内容は頭に入って来ない。心臓がバクバク言って、頭がこんがらがって何も考えられない。
乱れた思考をまとめるのに時間がかかって、気が付いたらさっき怒鳴り合ってた二人がお互いの胸元のつかんでにらみあっていた。何か少しでもきっかけがあれば大げんかが始まってしまいそうな危ない空気をまとった二人の近くにいるのは私だけ。足を止めて少し遠くからこっちを見る人もいるけどみんな面白がっていて止める様子はなさそう。
このままじゃ二人がケンカしちゃう…… それに私も巻き込まれるかも。
片方はまだ子供だけど、もう一方は体が大きく強そうですごく筋肉な男の人。巻き込まれたらきっと大ケガしちゃう!
「ふ、二人とも落ち着いてください! 冷静に! 冷静に話し合ったらきっと解決しますから!」
「ああ!? なんだテメェは? 関係ない女は引っ込んでろ!!」
慌てて二人に声をかけると男の人が顔だけこっちを向けてドスのきいた声で怒鳴られた。
怖い……
でも、ここで引いたら巻き込まれちゃうかもしれないし、二人もケガしちゃうかもしれない。歯をぐっと食いしばって恐怖に耐えながら男の人の目を見つめ返す。
この人も怖いけど、悪い人ではないのはなんとなくわかる。とにかくこの男の人を落ち着かせるには……
「私にも関係あります!」
「は? いきなり出てきて何言って「私はさっきの剣に当たりかけましたから。少なくともまずは私に対して謝ってもらわないと困ります!」
男の人が一瞬困惑したところにたたみかけるように後ろめたいことを話した。ちょうど迷っていたこともあって男の人は私の勢いにひるむ。
少し迷うように目を泳がせた後、小さく舌打ちをして絞り出すように言葉を吐き出した。
「……悪かったな」
「はい、どういたしまして」
私に勢いをそがれたせいか、言葉からさっきまであった荒々しさが少しに抜け落ちている。男の子の胸元をつかむ手は置き去りにされたままだったけどその手にはあまり力は入っていなかった。男の子の方を見ると、この子も気まずそうに目を関係ない方へと向けている。
……ひとまずは少し落ち着いてくれたみたいだけど、これからどうしよう?
さっき関係あるとは言ったけど二人とも今あったばかりだからあんまり首を突っ込むわけにもいかないし、ここで逃げるのもなんか違うよね?
しかも、二人もなんだか私の言葉を待ってるみたいだし。
そんな風に困っていたら、人込みのすきまから小っちゃな人影が出てきた。
何処かで見たことのある赤い髪の女の子…… というか、エミナちゃんはまだ取っ組み合ってままの二人に向かって叫んだ。
「ケイン、またバカなことを言ってるの!? オジサンもそんなに怒らないの!」
「……とにかく、旅するなんて馬鹿な話は諦めるこった。そんなことしたってどことも知れない道で野垂れ死んでおしまいだ」
男の人はまた舌打ちをすると地面に投げつけるように男の子を離して見下ろすように声を投げかけると男の子の返事を待たずに店の方へと振り返る。
地面に崩れ落ちる男の子にエミナちゃんが心配そうに駆け寄るけど、男の子は手でそれを止める。そして、店に変える男の人の背中をじっとにらみつけたまま吠えるように怒鳴った。
「っ! 親父こそ外の世界の何を知ってんだよ! 町からも出たことねぇ臆病者が!」
男の子の声に反応することなく男の人はそのまま店に帰っていく。それをみた男の子は強くその手に土を握りこんだ。
「ほら、いつまで座ってんの? バカなこと言ってないで早く立ちなさいよ」
言い方は悪いけど少し心配そうに男の子に手を差し出すエミナちゃんの手を払って自分で立ち上がると人込みの方へと走り去って行った。それを見たエミナちゃんが呆れたようにため息をついてその背中を見送った。
……
「……それで、えっとあなたは?」
「あ、そういえば私の名前言ってなかったっけ。私の名前は舞歌だよ」
「そう、マイカさんだね。たしか昨日からうちの部屋を借りてる。 ……それで、マイカはなんでここにいたの?」
「……なんでいたんだろうね?」
「……」
「……」
取り残された私にエミナちゃんがすごく聞きづらそうにだけど聞いてくれた。でも、私もどうしてここにいるのか分からない。そんなことを言われたってエミナちゃんにも分かるわけもなく、見世物が終わってまた人が流れ始めた大通りの真ん中で二人仲良く立ちつくしていた。
「そういえば、ちず描く約束だったよね?」
「あ、うん。もうお昼ごろだしね。仕事は大丈夫?」
「買い物が終わったらもう他には無いと思うから大丈夫」
「じゃあ、一緒について行っていいかな?」
「いいけど、本当に普通の物を買うだけだよ?」
「それじゃあ、通ったお店の案内をしてくれる?」
「……分かった」
エミナちゃんは少ししかめ面を作りながら頷いて、歩きながら近くの店の説明を始めてくれた。
その口ぶりはいやいややっているとは間違っても言えないくらいにはおしゃべりで、いかにも楽しそうな感じだった。