6 もう一狩りしようか
さて、まず一冊目の解読といこうか。
近くにある椅子に座って未読の魔書(1)〔Q〕を実体化させる。魔書理解スキルのアーツ『速読』を発動し、魔書を読み始める。
読めないっ!なんてことも無く最後までしっかり読むことができた。大昔に居た伝説の水龍とやらの話が書いてある本だった。なかなかに読み応えがある本で面白かった。
《魔書理解スキルがLv.12に上がりました。水魔法スキルがLv.6に上がりました。》
『未読の魔書(1)を解読しました。クエストクリア!』
簡単な内容だったし魔書理解が上がっただけでもいいほうか。あと、読んでいた元未読の魔書はクエストクリアとともに消えた。
さあ続いて2冊目の解読と行こうか。
こちらも難なく読めてそのまま一気に3冊目まで読んでしまった。2冊目はなんか一番最初に使える魔法のボール系とバインド系について書いてあるつまらない本だった。途中眠くなってしまったよ。もちろん読んだ後本は消えた。
そして三冊目だがこちらは魔力について書いてある本だった。どうやら続きがあるらしくすっごい読みたくなった。
《魔道スキルがLv.16に上がりました。魔書理解スキルがLv.13に上がりました。魔力制御スキルがLv.12に上がりました。知力上昇スキルがLv.15に上がりました。》
『未読の魔書(3)を解読しました。クエストクリア!』
システムメッセージが流れて本が手元から消えた。しっかりクエストクリアできたようだ。時計を見ると5:15を回るくらい。どうしようか、なんとなく本を読むより体を動かしたい気分だな。よし、狩りに行こう。
そう思い立った俺は図書館を出た。
「ん~、そうだなぁ。もう一回森に行こう。倒せそうだったら中ボスも倒す方向で。よし」
森に行くことにした俺は付加魔法『ファスト』を自分にかけ、森へ向かって走り出した。道中敵が道をさえぎったが、走りながらダークボールを唱えて排除、何も無かったかのように森へ走った。
森に着いた俺は魔力感知を全開にして体に魔力反応のある木、エルダートレントを探した。
「みつけた」
エルダートレントを見つけた俺は、相手をどう倒そうか考えていた。最小の魔力で最少の行動回数で相手を仕留める。近くの木に登って、エルダートレントが良く見える位置に移動した。
「『ダークボール』」
いつもより多めにMPを籠めてつくったダークボールを目の前に出す。エルダートレントには発射せずそのまま維持させる。魔力感知でダークボールから感じる魔力を魔力制御で動かす。大元のダークボールを、分裂させていく。
いま目の前にはこちらに気づいていないエルダートレントと数十個に及ぶダークボール。単発でなく、弾幕を張るようにたくさんのダークボールをエルダートレントに向ける。エルダートレントが、とまった瞬間待機させていたダークボールを一気に放った。数十に及ぶダークボールの弾幕の前に為すすべなくエルダートレントはポリゴン片へと還った。
《レベルアップしました。魔導スキルがLv.19に上がりました。知力上昇スキルがLv.16に上がりました。闇魔法スキルがLv.14に上がりました。魔力感知スキルがLv.13に上がりました。魔力制御スキルがLv.13に上がりました。魔書スキルがLv.17に上がりました。》
わぁお。めっちゃ上がったなあおい。さっきの戦い方のせいか?まあ確かに既存の魔法の形を変えて分裂させるなんてはじめてやったしな。それくらい上がっても当然か。
じゃあステータスの確認をっと。
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ステータス
Name:零
Race:人間(魔法適正・特大)
Job:魔法探求者マギカシーカー
union:図書館組合;Ranc E (35/50)
Lv.23
HP 330/330
MP 1071/1071
Str:0
Vit:0
Int:188〔235〕<250>
Min:0
Agi:0
Dex:10
Luk:40
残りSTステータスポイント:0
スキル:魔導Lv19、魔力制御Lv13、MP増加Lv11、知力上昇Lv16、水魔法Lv6、闇魔法Lv14、魔書作成Lv3、付与魔法Lv7、魔力感知Lv13、魔書理解Lv13、魔書Lv17
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もうちょいでMPが1100か~。(遠い目)ぼくはわるくないもんっ!うっわ自分でやってて気持ち悪っ。まあそれは置いといて、やっぱりできたな。魔法の分裂。恐らく頑張れば範囲の変更とか威力の変更もできるはず。これが魔法探求者の力か?いや、でもできるかもって思ったのは魔書を読んでからだし、普通の人でもできる?わからんな。今度信用できる人に検証してもらうか。
この戦い方をするとスキルのレベルが一気に上がるっぽいしな。今日はこの方法で狩るか。1M貯めなきゃいけないわけだし。
今回使ったMPは50だ。通常時が10だからいつもより40も多く籠めた。今回は一匹に弾幕張ったけど複数相手にやるのもおもしろいかもな。まあこの方法はよっぽどのことが無い限り公開しないってことで。
ん?魔力反応があるな。じゃあそいつにちょっと実験相手になってもらおうか。
発見。行動に移る。まずは木陰で『シャドー』をつかって身を潜める。トレントが目の前に来たところで!
「『シャドーバインド』!」
さっきと同じように今度もMPを多く籠めて使った。イメージは縄を枝の先に引っ掛けて思いっきり引っ張る感じ。リアルでは力が足りなくて太い枝は折れないけど、魔法なら!
バキッ
よしっ!うまくいった!エルダートレントのHPバーを見ると半分近く削れたいた。枝折っただけでこのダメージか。まあうまくいったから実験は成功。こいつにはポリゴン片に還ってもらおう。
「『ダークボール』」
今度も50のMPを消費してつくったダークボール。しかしその大きさはいつもより小さく、圧縮されているように見える。見えるも何も圧縮させるイメージなんだけどもっ!
圧縮ダークボールを放つとエルダートレントのHPは一気に減っていきそのままポリゴン片へと還った。
なるほど、魔法はある程度イメージがしっかりあればそのイメージ通りに放つことができるのか。限度はあるだろうがそれでも十分強い。
《魔導スキルがLv.22に上がりました。魔力制御がLv.15に上がりました。MP増加がLv.12に上がりました。》
にしてもすごく上がるな。特に魔導。方向性があってるのか?じゃあこの改造魔法をぶっ放してればカンストいけるか?最大値が何レベかわからないからどうともいえないが、ソロ活動では基本これでいくことにしようか。
「さあ、狩りをはじめようか」
狩りの再開をしてすぐに遭遇したのはトレント二体とエルダートレント一体。ダークボールで弾幕を張り、ダメージを食らわずに散らした。
次はトレント4体。改造ダークネスを放ってワンパン。改造ダークネスの内容は範囲を広げる(狭める)+威力上昇だ。範囲魔法なだけあって消費MPは多かった。気をつけなければ。
3、4回目はエルダートレント2匹で、圧縮ダークボールを各1回ずつ放って倒した。
その後も向かってくる敵を軽く殲滅して、トレントは150以上、エルダートレントは100体以上倒したところで、森に異変を感じた。他の生き物の気配がなくなり、不気味なくらい静かになる。その異様な雰囲気に、その場で立ち止まり周りを見渡す。すると、特に大きな魔力の塊がゆっくり近づいてくるのを感じた。
「なんだよ、これ」
感じた魔力の大きさに1、2歩後ずさってしまった。その瞬間足元に魔力を確認。大きな魔力源が放った魔法だろうと思った俺は、すぐさま後ろへ跳び退く。すると先ほどいた場所から大きな尖った木がいきなり生えてきた。
「おいおい、串刺しはごめんだぞ」
そう呟いた瞬間、木々の隙間から、魔力の正体が見えた。
お気づきの方もいらっしゃるでしょうがレベルがポンポン上がります。頭おかしいんじゃないか作者。あ、俺か。
完結するくらいにはインフレ状態になるのかなぁ