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5 おはなし

 レイラのポーションがなくなりそうということではじまりの街に帰ってきた俺たちは、とりあえずポーションを各自補給して、休憩ということでNPCが経営しているカフェへやってきた。


「とりあえずポーションは補給したけどどうする?もう一回森に行くか?」

注文したコーヒーを飲みながらそうたずねる。ん、このコーヒーうまいな。


「あ、すみません。僕これから用事があるので落ちますね」

用事か、なら仕方ないな。

「ああ、わかった。じゃあヒーラーが居なくなるわけだし、今日は解散でいいか?」

「わかった」「いいよ」「はいよ」

今日は解散する、という確認が取れたのでさっき考えていたギルドについて相談する。

「で、だ。狩りのこととは関係ないんだが、ちょっと相談がある。いいか?」

みんなが頷いたのをみて話を続ける。


「実はだな、ギルドを作れるようになったらギルドを作ろうと思うんだ。それも少数精鋭の」

「いいと思うけどなんで?」

「今日の狩りの状況や俺の職業、β時代の俺のこととかたぶん目立つのは避けられないと思うんだ」

「狩りの状況って言うと強さのことだろ?β時代のこともわかる。でも零の職業のことって何だ?零は魔術師マジシャンじゃないのか?」

レイラがそう問いかけてくる。

「そうだな、それを話す前に聞きたいことがある。俺がギルドを作ったらお前達は入ってくれるか?」

「俺はいいぞ」とDrei。ほぼ即答だった。

「私もいいよ」と月華。少し考えていたようだけど、それでもいいと言ってくれた。

「あたしもいいよ。ほかに当ては無いからね」レイラも入ってくれるようだった。

「僕もいいですよ。寧ろ頼んでまで入りたいですし」リフレも入ってくれるか。


「ありがとう。じゃあ俺の職業について話すな。俺の職業は魔法探求者マギカシーカーっていって〔魔法の真理を追い求めるもの。 魔法について学ぶたび魔法に関する力が上がる。〕っていう職業説明だった。恐らくレアだ」

4人、いや3人に職業を明かす。職業の説明だけじゃパッとわからないようで、あまり驚いていないようだった。

「この職業は魔法について知るたび魔法が強くなる。つまり極端に言ってしまえばLv.1でもボスを倒せる可能性があるってわけだ。それに今でさえこの性能なのにこの職業が2ndjobになったら恐らく凄まじいことになるぞ」

この職業の可能性に気づいたのか4人は驚いた表情をする

「このことは俺が公表するまで黙っていてほしい。いいか?」

「わかった。でもお前のレベルが高いのはそれが原因じゃないだろう?」

俺のレベルの高さについて質問してくるDrei。

「ああ。これも黙っていてほしいんだがβテスターへの特典でチュートリアルというのがあったんだ。他にもユルや装備、素材の引継ぎがあったんだが俺はそれを選んだ。操作方法がわかるβテスターにチュートリアルはおかしいだろとおもってな。それでチュートリアルだが戦闘、生産、スキルについてってのがあって戦闘はモンスターと戦うという内容。生産は所持している生産スキルを使うという内容。スキルはスキルについて質問等ができるようだった。ただし職業固有スキル以外でな。で生産チュートリアルをしてこれをつくったんだ」

そういってテーブルの上に真夜中《デッド オブ ナイト》を置いた。

「これは?」

「これは実際俺が作ったもの。装備効果はInt+15、魔法増幅(中)、闇属性強化(小)、装備時MP30増加なんていう馬鹿げた性能Int上昇値はそこまででもないがそのほかの効果がずば抜けてる。実際俺がβで使っていた杖より強い。そしてこの真夜中をつかっての戦闘チュートリアル。これが一番問題なんだ。」

真剣な表情をして俺の話を聞く一同。


「戦闘チュートリアルはモンスターと戦うという内容って言ったよな?実はこの戦闘チュートリアルは何回もできたんだ。つまりは何回もモンスターと戦えたということ。回を重ねるごとに相手はどんどん強くなっていったがそれ以上にチュートリアル専用の敵ということで経験値が通常より多かったんだ。だから相手が強くなっても問題なかった。こっからは予想がつくだろう?」

そう聞くとみんなは頷く。

「俺が遅刻したのは時間ギリギリまで戦闘チュートリアルをしていたから。経験値が多い敵をひたすら狩っていたらLv.18になっていたってところだ」

「なあ零なんでそれを公開しちゃいけないんだ?あたしはしたほうがいいとおもうんだけど」

「これは単なる懸念だが、まだキャラ作成していないβテスターがいたら?そしてそいつがPKだったら?初心者は為すすべなく殺されるぞ?だからだ。恐らく今の最高レベルは俺、まあ上に居てもあまり俺と変わらないだろう。廃人プレイヤーならきっとレベル差なんて簡単に埋めるから、公開しなくても問題ないだろうとおもってな」

「なるほど」

レイラは納得してくれてようだ。


「まあそんなわけで面倒事に巻き込まれんのはごめんだ!だからギルドを作っちまおうと思ってな」

「おっけい、わかったよお兄ちゃん」

「じゃあ話はこれで終わりだな。リフレ長引かせてスマン。用事があるんだろ?おつかれ」

「大丈夫です。まだ間に合いますしね。ではログアウトしますね。お疲れ様です」

「おつかれさま」「おつかれ~」「おつかれさん」

「さて、じゃあ解散!」


解散した後俺は月華と話していた。

「お兄ちゃん、今の話本当にあれだけ?」

月華は俺の目をじっと見て問いかけてくる。

「はあ。お前は誤魔化せないな。でも俺の推測だ。それで構わないか?」

こくんと頷く月華


「恐らくこの魔法探求者マギカシーカーは、2ndjobか3rdjobで魔法を作れるようになる」

そういうと月華は驚いた顔をする。まさかそこまでをはおもっていなかったのだろう。

「実は生産チュートリアルでAIに〔魔法探求者は魔書作成に使う言語を開発できる〕といってたんだ。そして魔法について学ぶたびという説明、恐らく転職条件はレベルと固有スキル魔道のレベルが一定であることだろう。たぶん魔道はレベルカンストさせないといけない。そして転職すると今まで溜めてきた知識で魔法をつくる。まあそんな感じだ。推測の域を出ないし、下手したらゲームバランスが崩れるから違うかもしれない」

これが俺の推測。CWOはさまざまなものをCreateするゲームだ。つまり魔法をつくれ(create)てもおかしくは無いだろう。


「はあ、お兄ちゃんはまた厄介なものを…。まあ仕方ないか。それでお兄ちゃんこれからどうするつもり?その職業のこととこれからの行動、あとギルドのこと。ギルドの設立金は?」

「これからはとりあえず図書館で魔書読み漁ったり魔書つくったりだな。あとしばらくソロで活動するつもりだ。ギルドの設立金って1M(100万)だったよな?」

そう聞くとうんと頷く。

「じゃあ何とかできるな。3日あれば余裕でたまる」

「わかった。無茶はしないでねお兄ちゃん。なんかあったら相談してよ!」

「ん、りょーかい」

ったく凜華《月華》はかわいいな。そんなに心配しなくても無茶はしないってのに。

「じゃあ早速この後図書館行くから。じゃあな」

「うん、じゃあね!」



月華と別れ、はじまりの街にある図書館に向かう。図書館は街の北側にあり、それなりに大きな建物なのでマップを見なくても着いた。

図書館に入ると入り口には受付があって、図書館を利用するにはユルを支払わなきゃいけないらしい。

「すいません、図書館を利用したいのですが」

「こんにちは、図書館の利用は100ユルです。おや、お客様は魔書理解と魔書作成スキルをお持ちのようですね。であれば図書館組合に登録いたしませんか?図書館組合に所属すれば最初の入団金の1000ユルを払うだけで後の利用は無料をなります。もちろん制限もありますが、ランクが上がりますと特典がありますのでぜひ所属いたしませんか?」

図書館組合か、βではなかったな。にしても1000ユル払うだけで今後無料か。今後も来ることは増えるだろうし登録しておいたほうが得か。

「じゃあお願いします。はい、1000ユル」

「承りました。ではギルドの登録と説明をしますね。こちらへどうぞ」


そういわれついていくと部屋に案内された。どうやらこの部屋で登録をしてくれるらしい。

「では登録をしますね。この水晶に触ってください。触った時点であなたを図書館組合の一員として認めます」

水晶に触るとシステムメッセージが流れた。

『図書館組合に登録しました。ステータスを更新しました。』

どうやら本当に触っただけで登録されたらしい。

「はい。では零さんを図書館組合の一員として認めます。では図書館組合について説明しますね」

少し長くなりそうだ。


「以上で図書館組合の説明を終わります」

なるほど。そんな感じか。まあ纏めるとこうだ。


・三ヶ月間クエストを受けないと組合員としての権利を剥奪される。

・図書クエストには解読、納品があり、解読の場合は期間内にその書物を読み終わらないといけない。そして納品の場合は、指定された内容にあった書物を納品しなければならない。納品物の品質がいいと報酬にボーナスが付く。

・ランクはE~Sまであり、Eランクは通常の市民が見れる本まで、Sランクになると禁書庫に入れたりする。

・ランクはクエストをこなすことで上げることができる。

・ランクが上がると待遇が良くなる。(図書館で使える紙などのグレードが上がったりする。)

・クエストに失敗すると2日間図書館利用禁止か罰金


ランク関係はいいとして3ヶ月間か。まあ大丈夫だろ。

「ありがとうございました。で、さっそくクエストを受けたいんですがどこで受ければいいですか?」

「入り口を右に曲がってまっすぐ行くと組合員用のスペースがあります。そこでクエストを受ければいいです。納品物は納品物を入れる箱がありますのでそこにいれると大丈夫です。他に質問はありますか?」

「いえ、いまのところはないです」

「なにかありましたらまた話しかけてください」


説明を聞き終わった俺は早速クエストを受けに来ていた。

クエストが貼ってあるクエストボードに手を触れるとウィンドウが出てきた。ここからクエストを選べということらしい。

「解読か納品か。まず解読をやっておくか?解読をやって魔書理解と魔道をあげてから魔書作成したほうが効率は良さそうだしな。うん、そうしよう」

解読系クエストを受けることにした俺はクエストを選び始めた。


――――

魔書の解読(1)

難しさ:★☆☆☆☆

期間:2日以内

報酬:EXP(経験値)500、ランクポイント10

――――

――――

魔書の解読(2)

難しさ:★☆☆☆☆

期間:2日以内

報酬:EXP(経験値)550、ランクポイント10

――――

――――

魔書の解読(3)

難しさ:★☆☆☆☆

期間:3日以内

報酬:EXP(経験値)600、ランクポイント15

――――

どうやら一度に3つも受けられるらしいから受けてみた。すると

『未読の魔書(1)〔Q〕、未読の魔書(2)〔Q〕、未読の魔書(3)〔Q〕を手に入れました』

というシステムメッセージが流れた。なるほどこういう感じか。〔Q〕は、βと変わっていなければクエストアイテムのことだろう。

じゃあ早速読んじゃおうか。


プレイヤーの作るギルドとの違いを作るために図書館ギルドではなく組合にしています。


長文ばかりですみません

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