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3 はじまった…?

『Create World Online へようこそ!』

ナビのリンの声が聞こえる。

『事前登録キャラデータを使用します。では、チュートリアルを行います。こちらに触れてください』

リンに促されるまま光る球体に触れる。

すると、足元が光り、草原に転移した。



「こんにちは零さん。ではこれからチュートリアルを始めますね!」

キャラ作成の時にいたリンが目の前に現れる。

「ああ、頼む」

「ではまず、何から行いましょうか。戦闘、生産、スキルについて。チュートリアルを終了するまで何回でもできますよ!」

「スキルについてって言うのは固有スキルも可能なのか?」

「えっと、職業以外の武器や種族などの固有スキルだったらできるのですが、職業固有スキルについて教えることはできないのです。すみません」

リンが謝る。


「いや、構わないよ。じゃあ生産から始めようか」

「わかりました!零さんの生産スキルは魔書作成ですね。では、図書館に移動します。」



光に包まれ、目を開けるとそこは図書館だった。

「へぇ、ここが図書館か」

図書館はβ時には開放されていなくて、初めて入ることになる。

「はい。魔書作成は図書館か、生産設備の整った場所でのみ行えます。必要な素材は革と紙、インク、筆又はペンです。作る魔書によっては特殊な紙やインク、筆が必要となります。紙とインクは図書館であればいくらでも使えます。今回はこちらで用意しました」


目の前に革と紙、インク、筆が現れる。

「どうやって作るんだ?」

「えっと、魔書作成は、武器として使う魔書と、図書館にあるような魔書を作れるのです。武器の魔書は、魔法増幅の効果が一般的ですが、魔書作成だと、属性強化などの付加効果が付けられます。」

「なるほど」

「そしてもう一つの魔書は知識を得るためのものです。零さんは魔書理解のスキルを持ってますよね。魔書理解のスキルをもって、魔書を読むと、魔法や、生産についての知識を得ることができます。その得た知識をまとめたものがもうひとつの魔書となります。また、図書館からのクエストで納品するのもこちらの魔書ですね」


なるほど、武器としての魔書と、知識を得るための魔書があって、武器の魔書は、魔法増幅、属性強化などがあって、

知識の魔書は、読むことで様々な知識を得れると。長いし武器のほうは魔道書、知識のほうは識魔書とでも呼ぶか。心の中で。


「わかった、じゃあ魔書を読ませてくれないか?」

と聞くとリンが嬉しそうに

「わかりました!」

と返事をした。



目の前には3冊の魔書、二時に約束している以上時間はかけられない。それに戦闘チュートリアルも受けないといけないからな。できるだけ早く読み終わろう。



1冊目読了

《魔書理解スキルがLv.6に上がりました。アーツ【速読】を覚えました。魔導スキルがLv.4に上がりました。魔書作成スキルがLv.3に上がりました。》

魔書には魔書作成スキルのことが書いてあった。あと、

アーツ【速読】を覚えたのでそれを駆使して二冊目に入る。



2冊目読了

《魔書理解スキルがLv.9に上がりました。知力上昇スキルがLv.3に上がりました。魔導スキルがLv.6に上がりました。闇魔法スキルがLv.3にあがりました。》

闇魔法に関したことが書いてあったので闇魔法も上がったようだ。それに、速読を使ったおかげか1冊目より早く読み終えた。



3冊目読了

《魔書理解スキルがLv.11に上がりました。知力上昇スキルがLv.5に上がりました。魔導スキルがLv.9に上がりました。付加魔法魔法スキルがLv.4に上がりました。》

今度は付加魔法が上がった。



3冊ともVRとは思えない出来だった。なんていうか、おもしろいファンタジー系みたいな感じで、読み終わるとなんとなくいろんなことがわかるようになったみたいな感覚があった。さて、小説《魔書》三冊とも読み終わったし、早速魔書作成してみようか。と思い、魔書作成について聞こうと思ったら、リンがコクリコクリと舟をこいでいた。


「おーいリン、読み終わったぞー、早速魔書作成をしたいんだが教えてくれないか?」

「ふぇ?あ!零さん!私ったら寝ていたんですね。お恥ずかしいところを。」

「寝顔可愛かったぞー」

「な!何を言ってるんですか!もう、はやく魔書作成したしょう!」

リンをからかったら、顔を赤くして慌てて可愛かった。


「えーっと、武器と知識どちらの魔書を?」

「このあと戦闘チュートリアルを受けるから武器の方だな」

「わかりました、では、まずは魔書にどんな効果を持たせるか決めます。」

魔法増幅と闇属性強化だな。

「決めたら、魔書に書いてあったように、特殊な言語で書いていきます。魔書理解スキルがあるので、頭に思い浮かぶはずです。それを、紙に書いていきます。自分の手で書くので時間はかかりますし、字が汚すぎると、効果が落ちる可能性もあるので大変ですが、丁寧にやると、自動でなにか付加効果がつくこともあるので頑張ってくださいね!」

「わかった」



リンから魔書の作成方法を教わった俺は、早速魔書作成に取り掛かる。

頭に浮かんでくる知識を、日本語でも英語でもない言語で書いていく。不思議とその言語がわかってしまうのだ。

丁寧に、知っている知識を全て込めるように魔書を作成していく。


「できた!リン!次はどうするんだ?」

「もう出来たんですか!では、それを革で綴じて製本します。アーツ【製本】を使用してください」

リンに言われるとおり製本を使う。

「『製本』!」


すると、光を放つ。光が収まると一つの本が出来ていた。

そして、ウィンドウが現れる。

「おめでとうございます!今でているウィンドウは、作成した魔書の詳細です。また、上部に記入するところがあるので、その魔書の名前を入力してください。なにも入力しない場合はランダムで決まります」


出来上がった魔書の効果はこうだ。

魔法増幅(中)

闇属性強化(小)

装備時MP30増加

int+15

なにこれ!?明らかにおかしいぞ!β時代に無かったから魔書としてどれだけ強いのか判断はできないけど、俺が最前線で戦っていたころの杖より強い!それに属性強化なんてめったに見たこと無いぞ。まぁ、いっか。自分で装備するものだし、取引しなければいいだけの話だしな。

さて、名前か。初めて生産したものだし、大切にしたいからな。

よし、決めた!


------

真夜中の書(デッド オブ ナイト)


等級:5


装備効果

Int+15

魔法増幅(中)

闇属性強化(小)

装備時MP30増加


耐久値 2000/2000

製作者:零

------


デッド オブ ナイト、真夜中のことだ。

闇属性だから悪夢ナイトメアとかでも良かったんだけど、悪夢ナイトメアだと魔書自体が悪夢、悪いものみたいだから、

闇→夜→真夜中

というわけだ。


「デッド オブ ナイト 、真夜中ですか、いいですね」

「そうか?」

「はい。えっと、魔書作成スキルにはレシピはなく、それこそ完全オーダーメイドなんです。だから他のものと一緒ってことはないんですよ。生産者によって内容も違いますし、字も違いますからね」

「そうなのか」

「はい。ですが、効果とは別に等級がありまして、等級が良いものほどに良い効果がつくのです。革の素材から紙、インク、更には筆まで、拘れば拘るほどいいものができます。また、素材同士で相性もあるので注意してくださいね。それに、どれだけ丁寧に作るかでも変わりますから」

「わかった。真夜中(デッド オブ ナイト)は等級5だけど、等級としては、どれくらいいいんだ?」

「10が最高として、5が普通と言ったところなので、なかなかいいと思いますよ?ただ、所詮はチュートリアル内で渡した素材なので、5なら十分いいと思いますね」

「ならいいか。」


「そうだ!零さんは魔法探求者マギカシーカーでしたよね?」

リンが俺の職業を聞いてきたので答える。

「あぁ、そうだけど、どうした?」

「これは特別にヒントです!魔法探求者はですね、自分で魔書の言語を作ることも出来るんです!是非やってみてください!」

「へぇ、そんなことが出来るのか。わかった、今度やってみよう」

なかなかに重要そうなことを教えてくれるリン

「あと、魔書作成でできるのは魔書修理ですかね。その名の通り紙を使って魔書を修理できます。耐久値が減ったらやってみてください。」



「さて、1時45分かなかなかに時間が無いな。じゃリン、戦闘チュートリアルを頼むぞ」

二時集合で、15分の遅刻までは良いとはいえはやく行かないとな。

「わかりました!では戦闘チュートリアルに移ります」

そして俺は光に包まれた。



目を開けるとそこは草原で、地平線がしっかり見えるくらいにはなにもない場所だった。

「ではさっそく戦闘チュートリアルを始めましょう!」

「ああ、よろしく頼む」

「では先ほど作成した魔書を装備しちゃいましょう。装備の仕方はわかりますよね?」

「ベータと変わって無ければね。よしっ装備完了」

装備フィギュアを開き、魔書〔真夜中《デッド オブ ナイト》〕を装備すると手元に先ほど作った一冊の本が現れた。

「魔法の使い方、基本的な戦い方はわかりますね?」

そう聞いてくるので、頷く。

「でははじまりのスライムを召喚します。零さんはそれを倒してください」

目の前に透明感のある粘体生物が現れる。


それを目視した瞬間、魔書を開き、闇魔法である『ダークバインド』を唱える。

このゲームにおける魔法は、詠唱と無詠唱がある。詠唱は、予め決めておいた詠唱文を唱えること。無詠唱は、魔法の効果をしっかりイメージして、魔法の名前を唱えること。詠唱の予め決めておくというのは、短すぎたり、その魔法に関係ないような詠唱だと発動しないので、一般的なプレイヤーは運営が決めておいた初期設定の詠唱文を唱える。無詠唱というのは、いわばプレイヤースキルで、イメージの仕方などにコツがあるため、使えるプレイヤーは少ない。

かくいう俺は攻略組に所属していた魔術師マジシャンだったので、無詠唱くらいはお手の物だ。


「『ダークバインド』!」

が相手を絡めとるというイメージで魔法を放つ。すると、スライムの下の地面から、黒いような紫のようななにかがでてきて、スライムを絡めとった。

このというイメージだが、イメージなんて人さまざまで、特に闇なんてあやふやなものだ。俺は光の当たらない場所にできるもの、を闇と考えて魔法を使っている。


『ダークバインド』によって動けなくなったスライムに、闇の球体を放つ魔法である『ダークボール』を打ち込む。動けないまま『ダークボール』をもろに喰らったスライムは、その場でポリゴンになって消え去った。


すると頭の中で大きすぎない音でファンファーレが鳴り響く。どうやらレベルアップをしたようだ。

スライム一匹でレベルアップなんておかしいな?なんて疑問に思っているとリンが話しかけてきた。

「おつかれさまです零さん。ちゃんとレベルアップしたようですね。ちなみに今倒したスライムは、チュートリアル専用のスライムなので普通のはじまりのスライムよりも獲得経験値が多いです」

先ほどの疑問に答えるようなリンの説明に、なるほどと思ってうなずく。

「ではステータスを開いて先ほど獲得したポイントを割り振ってください」

メニューからステータスを開き、獲得した4ポイントを全てIntに突っ込む。


「これで一応・・戦闘チュートリアルは終わりですが、どうしますか?」

「どうするって?」

「このチュートリアル専用空間に居る間は何度でも(・・・・)チュートリアルを受けることができるのです。」

「ほぅ。じゃあ戦闘チュートリアルを頼む。2:05になるか、俺が負けるまで連続で」

「わかりました!ですが、段階的にモンスターは強くなっているのでご注意くださいね!」

リンは「ではいきます」と言い、モンスターを召喚する。


それから俺は2:05になるまでぶっ通しで戦い続けた。

2戦目はスライム二体、3戦目はウルフ、4戦目は狼二体など、どんどんと苦戦するような相手になっていったがしっかりと対処して、最後はエルダートレントという魔法耐性が強い相性がとても悪い相手と戦ってなんとか勝って終わった。合計20戦やってレベルは18に、スキルもたくさんレベルアップした。

現在のステータスがこれだ


--------

ステータス


Name:零 

Race:人間(魔法適正・特大)

Job:魔法探求者マギカシーカー


Lv.18

HP  280/280

MP  905/905


Str:0

Vit:0

Int:168〔202〕<217>

Min:0

Agi:0

Dex:10

Luk:10

残りSTステータスポイント:0


スキル:魔導Lv13、魔力制御Lv9、MP増加Lv10、知力上昇Lv12、水魔法Lv5、闇魔法Lv10、魔書作成Lv3、付与魔法Lv6、魔力感知Lv7、魔書理解Lv11、魔書Lv14

--------


うんまあ明らかに初日のステータスじゃないんだよな・・・。

まあいっか(諦め)


「お、おつかれさまでした。2:05になったので戦闘チュートリアルを終了します。えっと、他に知りたいことはありますか?」

「特に無いな」

「わかりました。では、チュートリアルを終了しますね。この後、はじまりの街に転送されます」

「あ、そういえば。リン」

「なんですか?」

「リンの態度がキャラメイクの時とだいぶ違うなって思ったんだけどなんで?」

「あぁそれはですね。単純なことですよ。何人もの相手をしてると飽きるんですよね。それで事務的な態度をとっていたわけです」

「じゃあ今のリンがほんとのリンってことでいいんだな」

リンが「はい」と答える。

「あともしよければ教えてほしいんだけど、このチュートリアルを受けた人ってどのくらいいるんだ?」

「それは秘密です。まあ、ごく少数というのは教えちゃいますね」

「ん、ありがとう。じゃあ時間だし、そろそろ行くわ。また会えたら会おう。それじゃまた」

そういうとリンは驚いた顔をして、次の瞬間にはうれしそうな顔をしてこう言った。

「ええ、それじゃあまた(・・)!」


チュートリアルを終了する瞬間にシステムメッセージが聞こえた。

《妖精の祝福を受けました。ステータスを確認してください》

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