1 はじまり
趣味で書いた小説です。出そうか出さないか迷いましたが出してみます。5話くらい一気に出してその後は不定期でいきます。
―――――ピーンポーン
「郵便でーす」
「はーい!今行きます!」
チャイムがなった瞬間椅子から瞬時に立ち、玄関へ向かう。
「判子をお願いします。「はいっ」ありがとうございました」
今俺のテンションはとても高い。なぜかって?それは、世界初のVRMMOである、
CreateWorldOnline、通称CWOが届いたからだ。
俺は、βテストにも参加していて、CWOの世界を知っているから、尚更テンションが高い。
正式サービススタートは明日、8月1日の午後一時からで、それまでに、キャラメイクをする。
俺は届いたCWOを早速VRギアへセットして、ギアをかぶり、目を瞑る。
自分を、もうひとつの世界へ誘う魔法の言葉を発する。
「《connection start!》」
一瞬浮遊感がするが、慣れたものだ。
浮遊感が収まり、恐る恐る目を開ける。そこには、真っ白い空間と、小さな妖精のようなものがいた。
「ようこそ!Create World Onlineへ!」
妖精が、歓迎してくれる。
「私は、ここのナビを任されているリンです。では、あなたの名前を教えてください」
リンと名乗った妖精が尋ねてきた。俺は、βから変わらない、自分の名前を言う。
「零だ」
「零さまですね。βテスターだったようですが容姿の引継ぎはしますか?」
「いや、最初からつくるよ」
βの自分のままプレイするのも悪くないが、俺がやるのは正式版のCWOだ。だから俺は変わるという意味で新しく自分をつくることにした。
「わかりました。では、容姿を決めてください」
目の前に俺が現れる。手元に出たウインドウを操作して、容姿を決める。
茶髪っぽい髪は、深い青に、眼は金色にした。身長や体重、体格などは変えない。身長体重は変えると、リアルとのずれで
やりにくいからそのままだ。
「これでいい」
「はい。次に、種族と職業を決めてください」
CWOには、種族が4つあり、固有スキルが存在する。
種族は、人間、獣人、エルフ、ドワーフだ。
人間を除き、獣人には獣化、エルフには精霊魔法、そしてドワーフには生産の心得といったスキルがある。
また、獣人は近接戦闘を得意としており、StrとVitなどに補正があるが、魔法を得意としてないため、Int、Minは低かったり、上がりづらかったりする。
エルフは獣人と反対に遠距離戦闘を得意としており、IntやMinなどに補正があって、StrとVitが低い、上がりづらいといった特徴を。
ドワーフは、戦闘でなく生産を得意とし、Dexに補正がかかる。近距離、遠距離どちらもできるが、かといってドワーフで戦闘職をするのは物好きなやつだけだろう。
人間は目立った適性が無く、THEバランスといった感じだ。
固有スキルがない分人間は弱そうに見えるが、人間は、どこかひとつ秀でているところがある。博打要素はあるが、俺は人間を選ぶ。
「人間で頼む」
「人間ですね。え~。あなたの才は、魔法適正・特大ですね」
「その適正はわかりやすく言うとどのくらい高い?」
「エルフの魔法適正より高いですね」
キタっ!俺はベータから完全魔法職だった。正式版でも魔法職にしようとしていた俺にとってはとてもいい適正だ。
「では職業ですね。こちらからお選びください」
そういうと、目の前にウインドウが現れる。そこには、いくつかの職業が書いてあった。
「魔法使い、付与術士、治癒術士、選ぶとしたらこんなとこか?どうしよう…って魔法探求者?魔法探求者なんてベータにはなかったよな?名前からして魔法職のようだけど、詳細はっと」
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魔法探求者
魔法の真理を追い求めるもの。
魔法について学ぶたび魔法に関する力が上がる。
固有スキル:魔導
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「おぉっ火力上がるのか!でも魔導って何だ?まあいいか。魔法探求者で」
「はい。ではスキルを10個選んでください」
表示されたスキル一覧からスキルを選ぶ。大体は決めてあったので割とすぐに決まった。
選んだスキルは、魔力制御、MP増加、知力上昇、水魔法、闇魔法、付与魔法、
魔書理解、魔力感知、魔書作成、魔書
MP増加、知力上昇はそのまんま
そして属性魔法と付加魔法。付加魔法は、敵味方問わずエンチャントできる。カーストからエンハンスまで。
魔力制御に関しては、レベルが上がると、消費MPを減らすことができるというスキルで
魔力感知は設置型魔法や、魔法使用時にどこで発動したかを感知できる。
魔書理解は、図書館という施設にある魔書という本を解読できる。
そして魔書は、杖の代わりとなるもので、威力増幅の効果がある。
また、魔書作成は生産スキルで、その名の通り魔書を作成することが出来る。
実は、魔書関係のスキルはβ時代にはなかった。いや、存在自体はあったのだが実装されていなかったのだ。
魔書が無くても杖を使えばいいし、ぶっちゃけてしまうと杖自体いらないのだ。しかし、杖を使ったほうが威力が上がったりするから、魔法職はみんな杖をつかっていた。
今回魔書スキルを選んだのは、β時代から魔書が実装されたら使いたいという考えがあったのと、もしネタスキルでも今回は攻略組に入る予定はないし、楽しみたいという思いが強かったからだ。
こんなところか。ウインドウにあるOKを押す。
「最後にステータスを決めてください」
ステータス
Name:零
Race:人間
Job:魔法探求者
Lv.1
HP 100/100
MP 100/100
Str:0
Vit:0
Int:0
Min:0
Agi:0
Dex:0
Luk:0
残りST:120
スキル:魔導Lv1、魔力制御Lv1、MP増加Lv1、知力上昇Lv1、魔書理解Lv1、水魔法Lv1、闇魔法Lv1、付与魔法Lv1、魔力感知Lv1、魔書作成Lv1、魔書Lv1
このゲームはステータスが0でも多少動ける。
火力が好きな俺が振った結果こうなった。
ステータス
Name:零
Race:人間
Job:魔法探求者
Lv.1
HP 100/100
MP 280/280
Str:0
Vit:0
Int:100
Min:0
Agi:0
Dex:10
Luk:10
残りST:0
スキル:魔導Lv1、魔力制御Lv1、MP増加Lv1、知力上昇Lv1、水魔法Lv1、闇魔法Lv1、魔書作成Lv1、付与魔法Lv1、魔力感知Lv1、魔書理解Lv1、魔書Lv1
Intに振ったからだろう。MPがあがっている。実際一撃で倒せば避けなくていいからAgiなしでいけるし、
魔法型の俺にはStrとVitはいらないからな。こうなってしまうのは仕方ない。
「よし。これでいい」
「では次に、βテスターの方の特典を選んでください。」
身の前にウィンドウが現れる。
ユル引き継ぎ
装備引き継ぎ
素材引き継ぎ
チュートリアル
ユルはゲーム内通貨で、β時のユルを引き継げるのだろう。
装備引き継ぎは、β時の装備を幾つか引き継げるようだ。
素材引き継ぎは、装備引き継ぎと同じく、素材を幾つか引き継げる。
チュートリアルは…なんだろう?
まあ消去法で行くと
素材は手に入れたら売っていたからいい素材なんて持ってないし、装備はβ時代とは違う自分でいきたいから却下
残りはユルとチュートリアルだが、そもそも何故βテスターの特典としてチュートリアルがあるのだろうか?βとの違いはあるだろうが、チュートリアルを受けるほどでは無いだろう。
では何かあるのか?気になるな。だが、ユルも欲しいところ、どうしたものか。
えぇい決めた!
俺はチュートリアルを選んだ。
「ほぅ、チュートリアルを選びましたか。では、正式サービス開始は8月1日の午後1時からになってます。チュートリアルはサービス開始後の初ログイン時に受けることができます。それまでお待ちください」
キャラメイクが終わった俺は、ログアウトする。
「後は明日になるだけだ!」