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森を抜けて

「それじゃ、ちょっと寝るから。身体がきつくなったら遠慮なく起こしてね」

「了解。おやすみ」

そう、俺の身体を気遣いつつフィーネは横になった。


「ふぁ~あ・・・」

焚き火が消えないように時折木をくべる。

ぼーっと火を眺めているだけだと眠くなるので、ふと目をそらすと隣で静かに眠っているフィーネが視界に入った。

(見ず知らずの俺にここまで色々としてくれるなんて・・・良い娘だな。・・・可愛いし)

若干の邪まな感情を含んだ視線を向けていると

「うぅ~ん・・・」

と、タイミングよく寝返りを打つフィーネ。そのタイミングの良さにビクッとなってしまう。

そのまま再び穏やかに眠り続けるフィーネ。


(いかんな)

命の恩人であり、親切にしてくれた娘に対して邪まな感情を向けたことに、若干の後ろめたさを感じてまた別のところに目を向け、今後のことを考えることにした。


(明日町を出たらフィーネの住むローレルって町に行くのか)

異世界での初めての町だが、フィーネという知り合いも居るのである程度安心している。

(今も頼りっぱなしだけど・・・これからも、しばらく頼りっきりになりそうだな)

(まずは怪我を治して、その後はフィーネの手伝いをしながら異世界のテンプレのギルドがあればそこで仕事を探そう。現状の一文無しの状態をなんとか打破する方法を見つけないとな・・・)

                  ・ 

                  ・ 

                  ・

「そういえば・・・」

色々と考えてる中でポイズンサーペントを倒した時に手に入れた剣をまだ確認していなかったことを思い出した。

フィーネがぐっすりと眠っていることを確認してからツヴァイヘンダーから新しい剣に換える。


[ヴェノムエスパダ:選択▽]

攻撃力:52

永続:鑑定

   自然治癒強化 C

   勇猛 

アビリティ:熱源探知(0/100)

     毒攻撃:刀身に毒が流れ続ける


「うぉ・・・」

先が鋭くとがった刺突を主目的にしたようなスラリとした片手剣だった。

しかし、さすがポイズンサーペントを倒して手に入れた剣なのか、アビリティに毒攻撃があり引いてしまった。

「物騒だな・・・」

「・・・」

おもむろに手元にあった木に突き立ててみると・・・

ジュワーっと煙があがった。

「・・・・・・うん、流れてるね毒」

あの焼けるような皮膚の痛みと、徐々に身体の自由が利かなくなってくるポイズンサーペントの毒攻撃を体感した身としては、中々扱いに注意しないといけない剣だった。

もう一つの熱源探知は、普段は何も変わらない視界だが意識して見ようとした瞬間に、視界がサーモグラフィのように変化した。

「うぉ・・・」

先ほどとは別の意味でびっくりしたが、生物などの熱を感知するこの視界はチョッパーの嗅覚と組み合わせることでより的確に位置などを把握できるだろう。

「これじゃ確かに隠れても無駄だったな。」

     

しばらくして夜が明けた。

熱源探知を色々と試しているとあっという間に時間が過ぎていった。

フィーネを起こす前にツヴァイヘンダーに換えておく。

「フィーネ、朝だぞ」

「う~ん、もう朝・・・?」

フィーネはまだまだ眠そうに目をこすりながら起き上がった。


それから簡単な朝食をとってから出発の準備を始める。

荷物をまとめ終わったフィーネが近づいてきて、「出発の前に一度包帯を交換しましょう」と慣れた手つきで包帯を外していく。

すると、自然治癒強化Cのお陰で既に徐々に塞がってきている傷口を見て驚いたような顔をしたフィーネ。

「もう塞がってきてる・・・ほんとに何者なのあなた?」

と、再びジッと見つめられしまった。

                 

なんとかごまかして出発をすることができた。

「ほら、早く行こうフィーネ!・・・イテテ」

「もう、無理しないで。そんなに急がなくても夕方までには着くはずよ」

「うす!」

                  ・ 

                  ・ 

                  ・

時折小休止を挟みながら歩き続ける。しばらくすると徐々に森の終わりが見えた。

「もうすぐ森を出るわね」

「おぉ・・・いよいよか」

「なに?初めて森を出るような反応ね」

俺の反応を見てクスクスと笑うフィーネ。

全くもって、フィーネの言った通りなのだが、森の外に意識が向いておりフィーネの言葉を聞いていなかった。


そしていよいよ森を抜けた。

「おぉ・・・おぉぉぉぉぉ!!!!」

「きゃっ!ビックリするなもう!!」

隣で急に大声を出した俺に若干怒ったようなフィーネだが、今はそれ処ではなかった。

目の前には広い大地が広がっている。

(ようやく森を出れたんだな、これから色んな冒険が始まるのか!!)

感動と期待に身体が震える。

「おぉ・・・おぉぉぉぉぉ!!!!」

抑えきれずに再び雄叫びをあげる俺を、フィーネは今度は離れた所で呆れたようにして見ていた。


「はぁ、はぁ、はぁ・・・」

興奮しすぎで息が上がった俺の所にフィーネが「はぁ・・・」とため息をつきながら近づいてきた。

「ようやく終わった?ほら、あそこに見えるのが私の町よ」

といって指差した先を見ると、ずっと離れたところに確かに町が見えた。


「今のでちょっと急がないと暗くなっちゃうわ」

「ご、ごめん」

「ほら、じゃあ行きましょう」

ようやく落ち着いた俺は、フィーネと共にローレルへ急いだ。




※現在の武器一覧

[銅の剣:選択▽]

永続:鑑定

   自然治癒強化 C

   勇猛

攻撃力:10

アビリティ:鑑定(MAX)

      自然治癒強化 C(MAX)


[ツヴァイヘンダー:選択▽]

攻撃力:35

永続:鑑定

   自然治癒強化 C

   勇猛

アビリティ:筋力強化 B(85.3/100)

      耐久力強化 C(72.8/100)

      勇猛:逆境時、全身体能力強化。(MAX)


[チョッパー:選択▽]

攻撃力:18

永続:鑑定

   自然治癒強化 C

   勇猛

アビリティ:解体

      嗅覚(85.6/100)


[ホワイトダガー:選択▽]

攻撃力:8

永続:鑑定

   自然治癒強化 C

   勇猛 

アビリティ:軽業師:体重が1/2に減少

      敏捷強化 C(60.4/100)


[ヴェノムエスパダ:選択▽]

攻撃力:52

永続:鑑定

   自然治癒強化 C

   勇猛 

アビリティ:熱源探知(5.0/100)

     毒攻撃:刀身に毒が流れ続ける


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