初めての・・・
ガササササッと森を駆け抜ける一人の男。手には身の丈もありそう大剣を携えている。
追っている獲物はジャンプラビットだ。ジャンプラビットは小柄ですばしっこく、中々追いつけないでいた。大きく跳ね、茂みの向こうに消えてしまったことで見失った。普通ならそこで諦めるだろうが、男は違った。
いつの間にか手にしていたのは先ほどまでの大剣ではなく、大振りの包丁だった。
くんくんと周囲の匂いをかぎ始め、すぐにまた走り出した。
走り出した先には見失ってしまっていたジャンプラビットがいた。
見つかったことが予想外だったのか、動きを止めていたジャンプラビットは慌てたようにまた逃げ始める。
それからは見失ってはまた見つけ逃げ出し、追いかけることの繰り返しが続いた。
先に疲れを見せたのはジャンプラビットのほうだった。
徐々に男との距離が縮まっていく。
再び跳ねて茂みに隠れようとした時には既に男の大剣の届く範囲に入ってしまっていた。
大剣の見た目の重量感から想像できないスピードで振られた剣によって、鬼ごっこは幕を閉じた。
「ふぃ～、疲れた・・・、ようやくジャンプラビットも狩れたな」
満足げに俺は先ほどしとめたジャンプラビットを手にする。
今までは、そのすばしっこさゆえに何度も見失っていたが、チョッパーを手に入れたことで匂いである程度の位置を把握することが出来るようになった。
後は体力の勝負だった。
「また剣をゲットしたな」
ジャンプラビットを倒したことによって新しい剣が増えた。
[ホワイトダガー：選択▽]
攻撃力：8
永続：鑑定
自然治癒強化 Ｃ
アビリティ：軽業師：
敏捷強化 Ｃ（0/100）
小ぶりなダガーで刀身が真っ白で綺麗だった。（軽業師も解体に続き、経験値なしのアビリティか）
説明は体重が1/2に減少するとあり、装備して動いてみると敏捷強化との効果も相まって、まさにジャンプラビットのように軽快に飛び跳ねたり出来て楽しかった。
「よいしょっと」
ジャンプラビットはモンスターであったが、見た目から食べれそうなので、その場でさっと処理を始める。
ツヴァイヘンダーで斬ったのではなく叩いたので、気絶しているであろうジャンプラビットに止めを刺す。
その後すぐに血抜きを始める。その間血の匂いに他のモンスター等がつられてやってこないか注意しておく。
血抜きが終わった後はチョッパーで解体を行う。
チョッパーの解体は生きた物には適用されないが、死体であればするすると刃が入る。
肉と内臓、皮に切り分けるのにそう時間がかからなかった。
大き目の葉に包み、持ってきておいた竹カゴに入れて拠点に戻る。
内臓は早めに食べてしまわないと怖そうだったので、早速焚き火の上に大き目の平たい石を置き、十分に熱しられたら炒める。
ジュワ～っと良い匂いが立ち込めるとグギュルルルゥ～と腹の虫も鳴き始めた。
よく火が通ったことを確認してから食べる。
「はふはふ・・・、んっま！！」
口に広がる濃厚な味に感激する。どんどんと口に運んでいたらあっという間に無くなった。
「ふぃ～、満足満足」
小柄なジャンプラビットだったが一人で食べるとなると結構な量があった。
肉は翌日食べることにして、葉で包んだまま涼しいところに置いておく。
「うっし、やるか」
続いて皮をなめしていく。やり方は以前テレビで見た物を思い出しながら、見よう見まねで行う。
「皮についてる脂肪とかを取れば良いんだよな？」
チョッパーを使いそぎ落としていくが、ここでも解体アビリティが力を発揮した。面白いくらいするすると削げていき、小柄なジャンプラビットの皮はあっという間に終わった。
「次が難関だな・・・」
最後に川で洗ってきた皮に脳みそを潰して塗りこむ。こうすると軟らかくなるとテレビでは言っていたのだが・・・解体のときは特に何も思わなかったが、脳みそを潰して塗りこむという作業は・・・
「おえぇっぷ・・・」
まだまだ慣れが必要そうだった。
しばらく放置してから川で洗い落とす。
その後皮を伸ばしながら乾燥させると数日後には立派ななめし皮ができた。
「おぉ！上出来だ！」
初めての自作のなめし皮を上手に作成することが出来、なめし皮を手に小躍りする春樹であった。
※現在の武器一覧
[銅の剣：選択▽]
攻撃力：10
永続：鑑定
自然治癒強化 Ｃ
アビリティ：鑑定(ＭＡＸ)
自然治癒強化 Ｃ(ＭＡＸ)
[ツヴァイヘンダー：選択▽]
攻撃力：35
永続：鑑定
自然治癒強化 Ｃ
アビリティ：筋力強化 Ｂ(35.8/100)
耐久力強化 Ｃ(30.0/100)
勇猛：逆境時、全身体能力強化。(25.3/100)
[チョッパー：選択▽]
攻撃力：18
永続：鑑定
自然治癒強化 Ｃ
アビリティ：解体
嗅覚(25.8/100)
Ｎｅｗ
[ホワイトダガー：選択▽]
攻撃力：8
永続：鑑定
自然治癒強化 Ｃ
アビリティ：軽業師：体重が1/2に減少
敏捷強化 Ｃ（0/100）
