プロローグ
プロローグです。
ここは、魔眼保持者達の集落。住人の全てが魔眼保持者だという事以外なんの変鉄もない平和な集落だった。しかし、今はその面影もなくあちらこちらで火の手が上がり人々は逃げ回っている。
「そっちだ!!まだ、家の中に隠れてるぞ!!」
大勢の鎧を着た騎士と思わしき団体が次々と人を殺していく。
「ふん!大人しく死ね!この化け物共め!!」
「イヤーーーッ!!」
1人また1人と、続けられていく殺戮。
「止めてくれ!俺達は何もやっていないだろう!!」
「貴様ら、魔眼保持者は生きているだけて罪なんだ!異形は滅べ、我等が神のためにッ!!」
未来を視ることが出来る魔眼、未来眼を持つ集落の長の家。そこには、長と赤子を抱いた女性が集まっていた。
「長!この事はあなたの未来眼で予知出来なかったのですか!」
「いや、知っていた」
「では!何故!!皆に知らせなかったのですッ!!」
女性が問いただす。それに対し長は冷静に答えていく。
「避けられなかったからだ。皆には悪いが、この集落はここで滅ぶ。それを伝えればパニックになっていただろう。だからだ。だか、その子だけは助けなければならない。その子は我々の理想の世界を実現してくれる」
理想。人も妖怪もいがみ合う事なく幸せに生きていける世界。それは夢物語で誰もが不可能だと諦めていたもの。
「そんなことが……この子に」
「さあ、その子をこちらに」
長が赤子を受け取り籠の中に入れる。そして、この時のために用意していた魔法を掛ける。魔法は二つ。一つは害意のある者から隠す為の物。もう一は、餓死してしまわない様に栄養を与える物。
「さあ、見せてくれ。君の作る未来を」
そうして、籠の蓋を固く閉じた。
諸事情により主人公の名前変更。すでに読んでた人すみません。