神様は不在で他の人々はというと…
やっとこさ59話投稿。
ストックは63話まであったんですけどね、次回作書いてました。
3話までストック完成。
神は…は初の長編ということで今見直すと血反吐を吐くほどの痛さと恥ずかしさで何度消去しようと思ったか。
神は…はいわゆる最強物?というものらしいので次回作はできるだけ弱くをテーマに書きました。
予告するとドラクエの現代風味で主人公がスライムに知恵と卑怯な手で辛勝します。
ちなみにスライムはチート化したスライム(溶解液と再生能力有り)。
ギャグ7割とシリアス3割ぐらいで書こうかと。
神は…は特にプロットとか考えずに適当に書いていた所があったので次回作はマジに書こうかと。
ここまで読んでくれた方がいたのなら知っての通り書くのがとてつもなく遅いので手抜きなしで書ければなぁと。
神は…はこのままいけば67話ぐらいが終了予定。
ここまで読んでくれた方がいるのであれば今まで本当にありがとうございました。
クロトス、グラムが洞窟に足を踏み入れたその頃…
「紅茶淹れるの上手ね」
ティニアは感嘆するように言うと手に持った紅茶のカップに口を付けた。
程良い苦味、心地よい香り。
少なくとも自分が同じ道具や茶葉を使っても同じ味が出せるとは思わない。
「長年やってればコツぐらいは掴めるわよ」
そう言って十分に蒸らしたティーポットをカップに注ぐウリエル。
普段はクロトスが立つカウンターに今はウリエルが立っていた。
動きに淀みが無いその姿はそれだけで絵になるほどだった。
とある違和感がなければの話だが…
「前にクロトスから聞いた時はまさかと思ったけど…ほんとだったのね」
「何が?」
ウリエルは自分用に淹れた紅茶を自分の手元に置きながら聞く。
ティニアは視線をウリエルの目から少し下の方へ向けた。
「その格好」
ティニアの前のウリエルの姿。
まずはピンクのヒラヒラのエプロン。
模様は真白い猫のデフォルトされたウル。
どちらかと言えばお子様向けのデザインである代物。
ウリエルはその場でクルッと周り、
「かわいいでしょう?」
と少々照れた顔で尋ねた。
確かに似合う。
ちょっとクールな印象もあるウリエルに可愛らしいエプロン。
頬を染めたウリエルは可愛いらしいのは確かだ。
「(でも、何かイメージが崩れるわね)」
なぜかティニアは脱力するようにカウンターテーブルに突っ伏した。
フッと指先に当たったのは紅茶を飲む前に飲み干したがまだ冷たさを保った透き通った空のグラス。
グラスからジンワリと指先からその冷気が伝わってきた。
ピンっと指で弾くとキーン…と高い音を奏でる。
「お掃除完了しました」
「…した」
ティニアが姿勢を正し、振り返ると見違えたように綺麗になった喫茶店。
さすがに現役メイドである2人にかかればこの程度はお手の物なのだろう。
「ありがとう2人とも。2人の分も入れるわね」
そう言って戸棚から紅茶の葉を取りだすウリエル。
「それじゃあ、お菓子出しますね」
そう言って何故かエルは喫茶店の端に歩み寄った。
そこにはただ壁があるだけなのだが。
エルは喫茶店の角に立ち、そこから壁を沿うように歩きだす。
「一歩…ニ歩…三歩」
そして、壁に向き合う。
エルはブツブツと呟きだした。
「左ジャブで敵の体勢をくずし突破口を見いだせばすかさず右ストレートを打つべし。これ、拳闘の攻撃における基本なり」
「…エル?」
ティニアが気味悪くなってきたのでエルに近寄ると…
「右ストレートは右拳に全体重をのせ、まっすぐ目標をぶちぬくように…打つべしッ!!
」
ズバンッと音が響き、突き出されたエルの右ストレート。
その拳は壁に吸い込まれ、めり込んだ。
いや、めり込んだのでは無く、壁が陥没したのだ。
まるでスイッチのように。
そして、パタンっとエルの近くの壁の一部が回転し、ポンっと弾きだされた布の袋。
エルはその袋から平然とお菓子を取り出し、唖然とするウリエル達の前に置いた。
「いただきます」
そう言って食べようとお菓子に手を伸ばし、
「「待ちなさいッ!!」」
ティニアとウリエルにズビシッと手を叩かれた。
キャウッと悲鳴を上げるエルを無視するようにティニアは先ほどエルが打ち抜いた壁をコンコンッと叩いて調べだす。
「あっ、緊急用の自爆スイッチも何処かにあるって言ってましたから下手に叩かない方が…」
「早く言いなさいッ!!」
慌てて壁から逃げ出したティニア。
「何で働いている私より詳しいの?」
青筋を浮かべて聞く笑顔のティニア。
その笑顔を直視したエルはトラウマを刺激された。
先日、大暴れしたティニアの近くでポロッと本音を漏らした時にアイアンクローを受け、その時に見たウリエルの恐ろしい…
「オニイチャンカラオソワリマシタ」
考えるのをやめた。
「何時から知ってたの?」
ただ正直に答えればいい。
「タンジョウビノスウジツゴデス」
ただすなおにしたがえばいい。
「他に知っている場所は?特にあの人のへそくりとか?」
タダスベテガオワリシダイキオクカラケセバイイ。
「アソコデス。ダミー二ヒッカカルトショウコインメツノタメニモエマス。アケカタハ…」
………
……
…
カランカランッと音が喫茶店に響いたと同時に正気に戻ったエル。
喫茶店の入り口に目を向けるがドアは開いていなかった。
「あっ、今の音はウル専用の出入り口のドアよ。この前、取り付けたの」
すると微かにペタペタと足音が聞こえた。
そして、姿を現したウル。
その口には何かを咥えていた。
小さく、黒いもの。
時折、もぞもぞと動くそれは…
「「「「エッ!?」」」」
まだ、目も開けていたい真っ黒な子猫だった。
(追記)
ふっと悪戯で神は…という小説タイトルでググったらリンク張っているサイトを複数発見。
思わず、噴き出して呼吸困難状態でマジに死にかけました。
リンク張った方々、正気ですか?
こんな駄文にリンク張って私を○すつもりですか?
怒ってはいないですが…というか嬉しいと言えば嬉しいのですが恥ずかしくて泣きそうです。