神に説教できる人
忙しいからもっと落ち着いてから書こうと思っていたらいつの間にか2か月以上。
久しぶりに繋いでみたら感想に数件書き込み発見。
こんな駄文に…(感涙)
速攻でストックに手直しを加えて投稿しました。
徐々に感想の返信、文の手直し、更新をしていきます。
「貴方は何時もそうやって…!そういった重要な物はしっかりと管理してくださいと今まで散々言ってきたじゃないですか!?以前だって貴方が重要な資料を失くしたおかげで私を含め、下の者がどれだけ苦労したと思っているんですか!?あれを作るのに連日徹夜して、やっと解放された人達に私がどういう思いで『申し訳ございませんが、もう一度同じの作ってください』と命令したとお考えですかっ!?眼の下にクマを作りながらも笑顔で仕事の打ち上げをしていた会場に乗り込み、彼らに死刑宣告を告げたに等しい命令をした私と絶望のあまりに泣き出す者まで出た彼らの心情を…」
ガミガミと怒鳴るウリエルの前には正座で身を小さくするクロトス。
通知書が発見され、それに記載されている日付があと残り僅かだというのにも関わらず、呑気に掃除をしているクロトスに言い寄ろうとした面々。
しかし…
「ななななな…何を呑気に掃除なんかしてるんですかーーーーーー!?」
とウリエルのあまりの剣幕に唖然とし、その剣幕に何も言えなくなった他の面々はテーブル席で嵐が過ぎ去るのをじっと耐えている。
しかし、…
「ただでさえ貴方はうっかり者というか、おとぼけている所があるんですから…」
と長々と続くウリエルの説教にだんだんと慣れてしまい、次第に落ち着かなくなってきた面々。
「…ウリエルさん。いい加減に日も暮れてきたことですし」
リンの言葉にはっと外を見るウリエル。
日がだいぶ落ち、窓から見える空は夕焼けに染まりだしてきた。
ウリエルがさらに周りに目を向けるとじっと自分を見つめる複数の目。
それに慌ててキョロキョロと視線を走らせ、慌て始めたウリエル。
「…さ、さて、それではどうしましょうか!?」
無理やりに話を変えようとしたウリエル。
しかし、いきなり言われても誰もその言葉に続けられるはずがなかった。
妙な静寂が満ちたが軽くため息を吐くとクロトスが正座から立ち上が…
「ーーーっ!!」
立ち上がろうとしたが足が痺れいたらしく、地面に転がり悶えだした。
もはや、ぐだぐだになってしまった喫茶店。
シラーっとした雰囲気の中、ようやく回復したクロトスは何事もなかったかのように立ち上がった。
「とりあえず夕食にしよう。下拵えは出来ている」
そう言って逃げ出すようにキッチンへと消えた。
「あ、私も手伝うよ」
「…同じく」
リンとエルも共にキッチンに消え、あとに残されたのは料理が得意ではない面々。
「掃除する?」
「そうね」
「了承した」
ティニアの言葉に頷く2人。
それぞれが掃除道具を持ってテキパキと動き始めた。
………
……
…
「別に俺だって完全に忘れてたわけじゃないぞ」
パスタやスープを皆に出しながらぼそっと言うクロトスに訝しげに見るティニア。
「それじゃあ「というか俺がなんでこの大会に出ようとした理由って覚えてるか」…へっ!?え〜と…」
文句を言おうとするティニアの言葉に被せるように聞くクロトスの言葉に昔の記憶を探る面々。
そして、真っ先に思い当たったメイド2人がポンっと手を叩く。
「「お城の爆破!」」
「待ちなさいっ!?」
ガクッと真面目な顔で言った2人とそれに反応したティニア以外の面々は脱力した。
「確かにそんな話をした記憶がおぼろげにあるけど…」
※11話 神的喫茶店宣伝方法参照
「え〜と、お城に強盗?」
「…そして、火事。もとい、放火?」
「なんか微妙に違う!?ってか貴方達よく覚えてるわね!?」
なぜか犯罪臭がしてきた会話に呆れる様な溜息を吐くウリエル、グラムの神界メンバー。
「というか貴方達、なんて話してるのよ」
「主からのまた聞きだがこの喫茶店の宣伝のためと聞いたが?まぁ、どちらにしろ普通ではないがな」
グラムの言葉にようやく思い出した面々。
苦笑しながらもコーヒーを淹れているクロトスは手元を止めずにふっと周りを見た。
「まぁ、そう言った理由で参加はしたけど宣伝ならもう充分できたし、それだったらこのままぐだぐだで参加するなら喫茶店一本に絞った方が…」
「「「「ダメ」」」」
とグラムを除く4人の拒絶にポカ〜ンとするクロトス。
そして、
「どうして貴方はそうやっていつもいつも…」
「我が国の重要な行事を途中で投げ出すなんてよくもまぁ…」
「おにいちゃんの試合って私は毎回すごく楽しみにしてるんだよ!それを…」
「…クロにぃに辞退されたら掛け金が…コホン、ともかく辞退なんて…」
と4人に一斉に説教されるクロトス。
再び始った嵐にふぅっとため息を吐きながら少し離れた席に移動してコーヒーを啜るグラム。
それを恨めしそうに睨むクロトス。
「「「「よそ見するな!!!!」」」」
「あ、あはははは……はぃ…」
鬼の形相で睨む4人に身をさらに小さくするクロトス。
この説教は日が完全に落ちるまで続くかに思えたが突然
「ふむ。すまんがちょっといいか?」
とグラムが皆に問いかけた。
皆の目線がグラムに向くとグラムはジッとクロトスを見つめ…
「主よ。明日は我に付き合え」
「「「「「はぁっ!?」」」」」