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神にも秘密。でも、ちょっとだけ…

仕事の異動で引っ越しました。

ネタだけ溜まってパソコンには繋げない(泣)

そろそろ、完結に向けて話を進めていこうかと思います。

次回作もプロットはある程度固まってきています。

初めての長編という事で未熟な所が多々あったと思いますがここまで付き合ってくれた読者の方々にお礼申し上げます。

それでは、『神にも秘密。でも、ちょっとだけ…』をお読みください。

今回はリンが主役。

ティニア達が喫茶店に入った頃、リンは喫茶店からさほど離れていない路地裏にいた。

それもただでさえ人通りの少ない道から入る建物と建物の間の細い隙間。

しばらく進むと若干だけ広がった袋小路のような場所に辿り着いた。

そこにリンは一人でぽつんっと佇んでいる…様に他の者がみたら見えるであろう。


「…D-4から12までの者へ通達。先ほどの戦闘行為の証拠隠滅、情報操作を至急。H、I、J、Kの2〜4は倒れた愚者達の処分、方法は任せます。B−1は無いとは思いますが不測の事態に備えて部隊の指揮をお願いします」

『御意』


リンがぼそっと呟くように語る言葉に返事を返す姿見え無き者。

この国の隠密を任務とする名も無い部隊。

リンはメイドの仕事の他にこの部隊の指揮も行っている。

ちなみにティニアとエルでさえこの部隊の存在すら知らない。

知っているのは王と王妃とごく一部の関係者のみである。


『A−5より報告します』


リンは頷く事で先を促す。


『コードネーム【GIMMICK】が【SACRED PLACE】に接近中。及び、城で手の空いていた30人ほどが皆様を捜索中です』


普段より大規模な捜索に少し違和感を感じるリン。

普段は【GIMMICK】=ジュニアールが単独、あるいは少人数で【SACRED PLACE】=喫茶店に押し寄せてくるのが通例である。


「…詳細を」

『はい、どうぞ』


そう言っていつの間にか現れた黒装束の女の子がリンに書類の束を手渡す。

リンはそれを受け取りつつも目頭を押さえて顰め面をする。


「…なんで貴方は隠密の癖に堂々と手渡しなのかしら?…このアホっ子」

「酷っ、アホっ子って酷いですっ!パンちゃんの頭は個性的でチャームポイントねってご近所さんでも空前絶後の絶賛有名中なのですよ!」


むきーっと顔を真っ赤にして叫ぶ隠密(?)のパン。


「…Xー2」

『…御意』


いつのまにかリンの手にはなぜかハリセンが握られていた。


「リンちゃん、いつのまにそんな物を!?これが噂のイリュージョンですか!?」


驚愕の顔で叫ぶ隠密(?)のパン。

いや、本名を自分で曝す時点で隠密とは言えないのでは?

怒りで手に持つハリセンがミシミシと悲鳴をあげているが怒鳴る事をせずに淡々とするリン。


「…隠密ならX−2みたいに姿を見せずに渡すぐらいはしなさい」

「いやいやいやっ、モニカ先輩みたいな古参と一緒にされても…!3(自主規制っ!!)歳にもなって『男より仕事を取る』とか言っておきながらこの前、『彼氏に振られた〜!』とかでやけになって給料3ヵ月分を使って戦闘用装備を一新して色々な意味で恐ろしくなった人と同レベルの動きをしろなんて私に人間やめろって言ってるようなものなのですよ!」


リンは溜息を吐きながらハリセンを大きく振りかぶった。


「…仮にも隠密なんだから自分や仲間の本名ばらすな。後、上司をちゃん付けで呼ぶな」


すぱーんっと静かであった筈の路地裏からなんとも愉快な音が響いた。


「痛ってリンちゃ(すぱーん)イタッ、本当に痛いの!だってコードネームって可愛くない(すぱーん!)って目に!今、目に入った!でも、リンちゃんに叩かれるっていうのもちょっと癖に(すぱーん!!)クギャ!じょ、冗談ですよ(ズパーン!!!!!)た、助け…(ズパーン!!!!!)(ズパーン!!!!!)(ズパーン!!!!!)…」


ピクピクッと痙攣しながら地に伏せている隠密(?)。

顔は真っ赤に腫れあがり、だが、何処か幸せそうにその顔はニヤニヤと緩み…


「って私は変態さんじゃないのですよ!だからその振りかぶったハリセンも片付けてプリーズ!」


チッと舌打ちでもしそうな表情でハリセンを放り投げるリン。

それを見てほっとするパンだったが…


「…X-2。任務終了後、好きにしていいわ」

『御意!』

「ぎゃああああぁぁぁぁーーーーっ!!」


一気に地獄に突き落とされた。

パンはあまりのショックに泡を吹いて倒れた。


「…ふう。V-3、これを何処かに運びなさい」

『御意』


すっと風が吹いたかと思うと隠密(?)の姿は影一つも見えなくなった。

他の者たちの名誉のために言うが彼女が特殊なだけで他の者はかなり優秀な隠密である。

リンは喫茶店に戻ろうと踵を返そうとしたがフッと思いついたかのように足を止めた。


「…それとX-2」

『はっ』

「…今度、合コンのセッティングをしてあげるから自棄だけはやめなさい」

『…………ぎょぃ……』


泣きそうな声が返ってきた。

振られたショックか仲間の前で暴露された羞恥かリンのような子供に合コンをセッティングしてもらう自分の情けなさか。

ちなみにその彼氏もリンにセッティングされた合コンで知り合ったX-2ことモニカ、3(絶対に死守っ!!)歳。

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