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第二十七話 『面接前の妄想100パターン』

二次試験・面接控室。

受験生たちはこの控室に入る時 スマホや貴重品以外の手荷物を没収される。

自分を強く見せていた全て装備を奪われ、身一つで勝負しなければならない気分だ。


控室で雑談に興じる者はおらず、皆一様にカンペを見ながら

必死に受け答えのシミュレーションをしているようだった。


タロウもおとなしく椅子に座っているも、足が貧乏ゆすりをしている。

緊張していた。


――落ち着け、大丈夫、今年はいける。

よし、俺もシミュレーションしよう。


タロウの脳内劇場が始まった。


________________________________________


【妄想1:超圧迫面接】

面接官A:4浪? 4浪もするなんて遊んじゃったんですか?

面接官B:もっと向いてる学部あるんじゃないですか?

面接官C:あなたがそれでも医学部に入りたい理由は何ですか?


タロウ(現実)、思わず控室の机にガンッと頭を打ち付ける。


いつの間にか隣に座っていた(しゅん)が小声で言う。

「静かに」


「あ、はい」

タロウは驚かせてしまった周囲の人間に謝った。


________________________________________


【妄想23:人格否定型】


面接官A:あなたは努力が足りない。そういう人間は根性がない。

タロウ:4年やりましたけど!?

面接官:それでも受からないなんて、やはり才能がないんだよ。

“お前みたいなやつ”は人生も失敗する。

タロウ(崩壊):主語がでかい、主語がぁあああああ!!!



――ハッと現実に戻る。

まだ呼ばれていないようだ。

心拍数だけ上昇。


________________________________________


【妄想30:突然の英語】

面接官:“Why did you fail four times?”

タロウ:“Because… because… destiny…?”

面接官:“So, do you blame destiny?”

タロウ:“No no no destiny not blame please”


終わった。


――ハッと現実に戻る。

まだ呼ばれていないようだ。

心拍数だけ上昇。


________________________________________


【妄想47:謎の医学クイズ】

面接官:膵臓癌の5年生存率は?

タロウ:え?

面接官:答えられない?

タロウ:え?

面接官:勉強不足のようですね。お帰りください。

タロウ(崩壊):それを学ばせてくれよおおおおお!!!


――ハッと現実に戻る。


俊が水を渡す。

「顔色が悪いですよ」


________________________________________


【妄想82:泣き落とし失敗】


タロウ:もう4浪もしててぇ……親にも超心配かけててぇ……(涙)

面接官:感情論は結構です


――即死。


――ハッと現実に戻る。

俊が呼ばれ、席を立つ。

タロウは目線でエールを送った。


________________________________________


【妄想100:言いがかり】

面接官:越知内(おちない)

タロウ:はい! 越知内タロウです!

面接官:うちの大学に越知内教授がいるんですが、もしかしてコネですか?

お帰りください。

タロウ:だ、誰!? 違います!!


________________________________________


「受験番号10307の方」


タロウの番号が呼ばれた。


「ひゃいっ!」

タロウ立つ。声が上ずってしまった。


一歩一歩足を動かす。

心臓の音が体中に響いていた。

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