表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/103

アホだから踊る、だから見つける①

 入学式の次の日。もう今日から授業が始まる。


「実際この授業は興味ない人には面白くない授業だと思います。合わないなと思ったら、どうぞ、外に出て行ってください。って言っても出て行きにくいのには変わりありませんが。」


最初の時間、俺が取ったのは哲学の講義だ。


 哲学は俺がもともと興味のある分野だ。倫理とかそこら辺の授業は嫌いだが、哲学そのものには興味がある。終わりのない学問なんて、そんなのそそられるに決まっているやないか。


「ではまず、哲学または哲学者にどういうイメージを持っていますか?それについて考えてみてください。」


教授は俺たちにそう投げかける。いきなり哲学的なことを訊くものだ。これこそ「答えのない」質問だろう。俺は授業はじめに配られたB5の用紙に「答えのない学問」とか、「例え方が特殊すぎて、1回聞いただけでは何を言っているのか分からない」とか、そういう印象を書き連ねていく。


「あ、今は周りと話していいですよ。むしろそうして意見を交換してみてください。」


教授は歩き回りながら、そう言う。授業初日の一番初めの講義で話せる相手がいるのかとなるが、幸い俺には隣の席に桜がいる。


「どんな感じ?」

「難しそうとか、そんなイメージしかない。」

「あね。」

「久志は?」

「俺はこんな感じ。」


俺はプリントを見せる。すると桜は頷いて、それを自分のプリントに書き始めた。


「何やってんの?」

「こうでもせんとプリント埋まらなそうやから。」


そうこの講義はこれを埋めるだけで、6割が保証される。いわゆる楽単というやつだ。


「なるへそ。んじゃ俺も桜のを…って思っても書いてんの少なすぎやから意味ないか。」

「なんやと?ちょっと表出よか。」


小声でそんなやり取りをしていると、前の席の2人がこっちを向いた。


「2人とも1年よな?よろしく。」

「入学式の時から2人セットだけど、付き合ってるの?」


見た目からして経済のやつだと分かる。なんだろう、溢れ出す陽のオーラが凄い。


「よろしくな。2人も経済?」

「うん。俺は経済経済で、」

「俺が経済経営。お前らは?」

「俺が海洋先端で、」

「私が経済経済。やから一緒やな。よろしく。」


桜は軽くコミュ障を発動している。なんとなく予想できたことだが、やっぱりかって感じだ。


 俺たちはそのあと意見を交換して、そのあとの授業も難なく乗り切った。桜が見つけてくれた方法のおかげで、プリントは下まで埋まり、ちゃんと点数につなげることができた。これで6割とか、この講義楽すぎやろ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ