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通話の裏側で

「もうすぐ寝るけど憲士はどうする?」

「どうしよ。もうちょい課題進めてもいいとは思うけど、明日もあるしな。」


そう言いながらコーヒーを1口飲む憲士。行動が寝る気ないんよな。


「んじゃ、先寝るわ。」

「ういー」


リビングに広げていた勉強道具を直して、自分の部屋に戻る。そして、ふぅと一息ついた。


 まさかまさかの展開だ。この中央大会前の重要なタイミングに、憲士の両親が海外に出張することになるなんて。その話を聞いたときの私は本当に驚いた。というか、心配した。


 なんせ、憲士は生活力が皆無だからだ。


 1年の時にあった家庭科の調理実習でも、味噌汁をダークマターに仕上げたり、ロッカーの中がぐちゃぐちゃになるように掃除もできない。そんな奴が一人暮らし?無理無理。


 ってことで、バカ兄の部屋と家具が余っている私の家に居候させることにしたのだ。でも、さすがに対価として最低限の家事は手伝ってもらおうと思っていたんだけど。


「まさか…ここまでできひんとは…」


何をさせても結局私が9割がたやることになるし、放置したらぐちゃぐちゃになって帰ってくる。もう、私が全部やった方が早いと判断して、ここ数日は私がやってるけど。


 その代わりと言ってはなんだが、勉強はちょっと教えて貰っている。こんなでも、憲士は頭はそこそこいいほうで、理系の中でも上位争いをしている1人だ。それに比べて私は理系の底辺争いをしている1人。教えて貰ってありがたいのは本当だ。


 それはそうとして、何故か鼻がムズムズする。


「くしゅん」


耐えきれなくなってくしゃみを1つ。風邪でもひいたのだろうか。それとも、誰かが噂してるのか?…いや、そんなはずない。

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