バカも集えば神になる③
桜に連絡を済ませて、大輝の家に向かう。何故か知らんが「やっぱり」って反応が返ってきた。桜は俺のことがどこからでも見えているのだろうか。
「んで、どうするよ?」
近くのスーパーで買ってきた寿司を食べながら、俺たちは話を始める。スマホを見ながら片手で履修の手引きを開き、それと時間割を見比べている。
「割と理想の時間割にはなってると思うけどな。」
「俺もそう思うけど、シラバスに載ってないこれが心配だな。英語だから外したくないんだけど。」
月曜2限の英語B。珍しく空き時間にある外国語系科目で、卒業に必要な単位数の多い外国語では、大きな戦力になる科目だ。でもこの授業は時間割には載っているがシラバスには載っていない。
「もしこの授業がなかったら、ロシア語行くのもあり。それやったら、体育できひんようになるな。」
ロシア語はオンデマンドの授業もある。しかも単位は取りやすそうで、選ばないのは損になるかもしれない。
「ここは安定のロシアにしようぜ。体育は後期でもいいんだし。」
「そうだな。」
これで、全員統一で決めようとしていた授業は決まりだ。あとは各々で取りたい科目。
「由良はマジでその科目取るのか?」
「一応そのつもりやけど。」
俺が取ろうとしていて、みんなと違う科目は、哲学、言語文化のロシア、宗教学、心理学。心理学に至っては、楽と言われている人の授業を外して受けようとしている。
「ほぼ文系の時間割じゃん。生物系とか取らなくていいん?」
「別に、興味がない科目を受けても時間の無駄になるやん。それやったらちょっときつくても好きな科目受けたらええかって。」
簡単に言ったら頭が悪いだけ。でも、好きが単位になるんならそれでいいと思う。
「それやったらええけど、俺たち助けられへんからな?分かっとるか?」
「それは安心して。家帰ったら交渉するから。」
「「「あ~~~」」」
3人は納得したように呆れている。そう、俺には経済学部に強い味方がいるんだ。
「それこそ、お前らはええんか?期末レポートばっかやろ?普通に死ぬと思うねんけどな。」
3人は期末試験がある科目をとことん嫌って、ほとんど全部をレポート系の科目にした。先輩たちも心配していたが、本人たち曰く大丈夫らしいが…
「レポートなんか気ぃ付いたら終わっとるやろ。」
「いざとなったら俺たちで協力するし。」
「まあ大丈夫や。」
3人は自信ありげにそう言う。こいつら絶対期末になって泣きそうになってるやろうなと思いつつ、言葉には絶対しないと心に誓った。