表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
33/146

レポートの完成は耐久が近道

「テステスー。聞こえてるか?」

『おうよ。お前の彼女は?』

「寝る準備してるで。レポートないからな。」


夜10時すぎ、学科のグループRINEの通話を始める。ゴールデンウィークが終わって1週間が経ったが、レポートの書き方も何も知らない俺たちにレポートの課題が出てしまった。内容は先週末の講演会。うちの学部だけに焦点を当てて行われたものであるため、内容的には比較的書きやすいのだが、分量が多い。なんせ、2000文字近く書かないといけないから。


『よぉっす。』

『おっ、よっさんも来た。』

『だけじゃないぞ。』


続々とメンバーが揃っていく。そう、この通話の目的はレポート耐久だ。完成するまで寝れないという縛り付き。後回しにしてもただ負担になるだけだから、それなら先にきついことをしておこうかという話だ。


『てか、マジで耐久するの?』

「もちろん。終わるまで寝れへんからな。」

『明日の授業は?』

「それは知らんな。」


耐久すると決めた以上、そこはちゃんとしないといけない。


「みんな進捗は?ちな俺ゼロ。」

『俺1割ちょい。』

『俺もゼロ。』

『昨日の晩やって半分ぐらいまではいってる』


とそんな感じ。このメンバーは誰も終わってない感じ…


『よっ。進捗どんな感じ?』

「『帰れ!』」

『来ていきなり酷いな。』


やってきたのは洋樹。こいつはもう終わっていてただ煽りに来ただけのやつだ。


『みんなどんな感じかなーって心配して来とるのに。』

『いらん心配やな。終わってるんやったら寝ろ。』

『えーっ。みんな終わるまでおるで。』


そんな感じでレポート耐久は始まった。


 開始から2時間ほど。もうすぐ12時を回りそうな時間で一旦全員休憩をとる。それまでも軽く話しながら書き進めていたが、やはり全員根は真面目なので、普通に喋らない人が多い。喋っても釣りのことか魚のことばかりで、さすが海洋系の学部だなと思う。


『あ゛〜!あとラストだけ〜!』

「早っ!もうそんな書いたん?」

『まあ昨日の晩やってるから。2日連続寝るの遅くなりそうだから明日死ぬのは確定してるけど。』

『あね、それは可哀想。』


そんな話をしてからまた始める。時間もそこそこ遅くなってきたので、落ちていってるヤツも多いが、コーヒーのおかげで何とか意識を保っている。


 そして1時間後。


「終わった〜!」

『おつかれ〜。早ない?』

「よっさんが凝りすぎなんちゃうん?そんなガチで書かんでもええやろ。」

『そんな俺凝ってる?』

「『凝ってる。』」


俺はもう終わったが、もう1人の企画主のよっさんはまだまだのようだ。


「写真貼っつけてる時点でな。」

『それな。全部文字にしたよ。』


けど耐久はこれで終わりだ。まあ他にやることもあるし、


「俺はよっさんが終わるまで残るわ。」

『俺も。』


結局よっさんはこの後も終わらず、1時半に落ちたので通話を終えた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ