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そうだ、福井に行こう!⑤

「いい湯やった〜!」

「せやな〜」

「もう寝れるわ。」


風呂から帰ってきた俺たちは、部屋に戻って布団にダイブ。そのまま溶けてしまいそうだが、軽く荷物を整理しないと明日がめんどくさいことになる。


 けどなぁ。抜けられへんのよ。1回入ったら。


―プシュッ


「ん?」


するとどこからか缶を開ける音が。その音のするほうを見ると、Qが見覚えのないコーラの缶を開けている。


「飲むか?」

「飲む。」


Qから缶を受け取って開ける。奏も缶を開けていて、お菓子を大量に広げていた。


「んじゃ、男子会始めるぞ。カンパーイ!」

「「カンパーイ!」」


缶を突き合わせ、三人一斉に飲む。女子には悪いが、男子だけでしかできない話でも始めようか。


 男子が揃って話すことと言えば、やはり下のことになる。


「Qはさ、桜と同棲始めたわけやん。どーなん?」

「どーなんとは?」


奏がいきなり踏み込んだことを言い始める。まあ、俺もどうせそのことは聞こうと思ってたから。


「しらばっくれんなよ。そりゃあ、週なんぼかってことよ。」

「なんで、そんなこと言わなあかんねん。週末だけな。これ言ったって言うなよ。」


Qは恥ずかしそうにそう言う。今まで杏ちゃんがいたから自制していたところはあると思うが、それが無くなるとやっぱり増えるんだな。


「そんなもんで済んでるんや。俺たちなんか1限ない日の前は毎回やで。」

「それ週なんぼやねん。」

「週…4?」

「「多いな」」


そっちのバカップルはバカップルしているようでよしよし。若干多いなとは思うけど、まあこの2人やしなと思う。


「それこそ、カレンたちはどーなん?大学入って同棲始めたんやろ?」

「まあな、それなりには。」


さすがにこの2人よりは少ないが、それなりに2人の時間も増えるわけで…


「「週?」」

「…1から2」

「変わらんやん。」

「変わらんな。」


何も言えねぇ。俺たちはずっと隣同士やったけど、壁薄かったからそういう空気にならんかったし、他にもやることあったからって感じだった。でも今はちゃんとした部屋に住んでるので、もちろんそういうこともできるわけで。


「今までできんかった分よ。」


絶対顔が赤くなってると思うけど、まあこの2人やし、別にええか。


 なんて他愛もない話をしつつ、夜はふけていく。


「もうそろそろ寝るか。」

「せやな。朝飯の時間もあるし。」

「電気消すでー」


布団に潜り込み、まだ冷える福井の夜から身を守る。


「またみんなでどっか行けたらええな。」


らしくもない言葉が口から零れる。2人は笑って「せやな」と言ってくれた。

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