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そうだ、福井に行こう!①

 5月3日、世の中の会社員たちは有給とかを駆使して何連休にもしてると思うが、休日の振替休日しかない学生たちのことを考えて欲しいと思う。損以外なんでもない。


「おはよぉ〜」

「久志おらんかったらほんま、きいはだらけてるな。俺たちは慣れてるからええけど、慣れてない人はびっくりするで。」

「そう?みんなが元気すぎやねん。ぜったい。」


きいは眠い目をこすりながら集合場所である光善寺の京都向きホームに集合する。あとはこのあとの電車に乗っているはずの音羽とカレンと合流するだけだ。


 あと残りは…


「おい、楓。起きろ。」

「んぁ?ふわぁ…むにゃむにゃ…すぅー」


駅のベンチで俺の肩に寄りかかりながら寝ている楓。こいつもこいつでだらけた日々を送ってるからな。しゃーないけどせめて起きて欲しいものだ。


「もう電車来るぞ。置いていくけどええか?」

「それはいやぁ。」


これ絶対起きてるやろ。


 楓のおでこに軽くデコピンして起こし、そのタイミングで来た電車に乗る。すると朝日に照らされながら仲良く寝ている2人がいた。


「お前らもかよ。」


 七条に到着して乗り換え。そこまでぶっ続けで寝ていた2人と当たり前のように電車に乗るとすぐに寝た2人を起こす。


「おはよぉ。ごめん、寝とったわ。」

「俺たちだけやったら乗り過ごしとったな。」


そこそこ顔を合わせているカレンと、ハムに進んだから最近会っていない音羽。2人の関係も依然良好そうでよかった。なんせ、俺たちとは違って、別の大学に進んだからな。もしかしたらもありえた話やし。


「久しぶりやな音羽。」

「せやな。よー考えたら1ヶ月以上ぶりか。お久、みんな。」


高校時代よりもずっと大人になった音羽は、以前と変わらない軽さでそう言う。そのギャップがやっぱ音羽って感じがしていい。


「音羽ぁ!さっき奏がさ、デコピンして起こしてきてん!ほらここ!」


楓は泣きつくように、少し赤くなったおでこを見せながら、そう訴える。そんな楓に音羽は苦笑いを浮かべ、「寝てた楓が悪いんちゃう?」と至極真っ当な意見を。


「音羽までいじめる〜!私の味方はもうきいだけや!」


ぎゃあぎゃあ騒いでる楓はほっといて、京都駅まで少し歩くか。


 京都からは普通電車を駆使して行くことも出来るが、今日はケツが決まっている。だからサンダーバードだ。


『うおおぉぉぉぉ!』


たまに見える琵琶湖の雄大な風景に心を踊らせながら北へ北へ。久々に会う2人の待つ福井までもう少しだ。

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