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後期初日

 まあ、色んなことをした夏休みも終わり、今日からは後期だ。この前のオリエンテーションの時も思ったことだが、夏休みの間に若干雰囲気が変わったやつがいる。そう、俺たちの学部にも。


「どしたん?そんな売れへんYouTuberみたいな頭なって。」

「売れへんってそんな感じに見えるか?」

「見えるなぁ。」


オリエンテーションの時から何回もいじっている相手はよっさん。明るすぎない金髪に染めて、髪は前期より遊ばせている感じ。駅前とかで話しかけてそれを動画にしている、そんなYouTuberに見える。


「久志は1限何?」

「んんっ。」


そう聞かれて俺は喉をチューニングする。


「倫理くん!」

「……とりあえず、この夏でなんのアニメ見たんか分かったわ。」

「まだまだ見たで〜」


若干ヲタクが入っているよっさんは俺がやった下手くそなモノマネがなんのアニメなのか分かって、呆れながらそう返してくれる。やはり持つべきものはヲタ友だ。


 今思い出してみると、前期もこの先生だったなと思いながら教室の中に入る。


「見た顔だな。」

「お久しぶりです、渡部先生。」


倫理の授業は哲学と同じ、渡部先生が行う。この人は前期のときに受けて、楽だなと感じれるような先生。予習はしてこないといけないけど、それは授業中にちゃちゃっとできるくらいの量だし、毎回のワークシートを提出したら単位は貰える仕組みになっている。そこからプラスの成績を欲しい人は期末のレポートを書いたらいいという感じだ。ちなみに俺は前期の哲学は、期末レポートをガチって100点を貰った。どんなもんじゃい。


「またレポート楽しみにしてるよ。」

「それを言うのはまだ早いでしょ。またあのセリフで始めるんでしょ?」

「それもそうか。でも、君は抜けないだろう?」

「その通りですけど。」


前期を過ごして、色々な先生を見てきた。その中でもこの先生は数少ない俺の捻くれた考え方を理解してくれる先生だ。そんな先生の授業から抜けるなんて有り得ない。


 この教室は前期に受けていたところとほぼ同じ形をしているので、席の配置も変わらない。俺は前期に座っていた席とほぼ同じ席に座って、どうせ使うだろうとPCを開いた。


 チャイムが鳴ると、続々と人が駆け込んでくる。大学の授業なんてそんなもんだ。なんだか懐かしいなと思いながら、ワークシートに名前と学籍番号を書く。すると先生が話し始めた。


「実際この授業は興味ない人には面白くない授業だと思います。合わないなと思ったら、どうぞ、外に出て行ってください。って言っても出て行きにくいのには変わりありませんが。」


ほら言った。

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