そーさくきょーしつ④
ようつべならピー音が入っているのかと錯覚するほどの話題転換で、創作教室に戻る。
「登場人物ってさ、書くときどこまで決めてる?」
「どこまでとは?」
「設定だけなんかビジュまで作ってるんか。」
森本先輩は登場人物のことが気になっているようだ。
「俺は基本的には設定だけやな。役職と身長体重、性格、能力とかがあるんならそれもやな。」
「性格とかは詳しめ?」
「いや、ざっくりと。自分だけ分かる言葉で書いてる時もあるし。」
「ほえー。んじゃビジュは後回しなんだな。」
「せやな。」
加瀬さんはビジュは決めない派か。多分俺もそっち側になるだろうし、参考にしようとメモる。
すると木崎先輩が横から口を挟んできた。
「ビジュ考えた方が色々楽だよ。」
そう言いながら見せてきた画面には、キャラクターのビジュと思われし絵たちが。ケモ耳が着いていたり、他にも色々なものがついていたり。完全に異世界系のキャラだ。
「こうやって作っておけば、後から見返した時にどういうキャラだったとか、小説書いてる間に描写が描きやすくなったりとかするからいいんだよね。特に長編を作る場合。」
ビジュを描くのにはやはり利点があるんだろうなとは思いつつも……
「やっぱさ、そんな上手いこと描けるかなって感じなんだよな。今までやったことないから。」
「描いたら描いただけ上手くなるから、練習したら誰でもできるよ。」
「その時間があればなんだけど。」
俺たちは大学生。時間は有限だ。
でも、折角ならビジュまで作ってから書き始めたいところがある。それがモチベにもなるだろうし、書きやすいってのもあるだろう。
「もっと簡単に作る方法ね。アプリとか使ってみたら?」
「アプリ?」
「そう。例えばこれ。」
木崎先輩が見せてきたのはあるアプリの画面。そこには様々なタッチで描かれた絵があり、顔だけだったり肩上だったり、全身のものもある。木崎先輩が1つをタップしてページを開いたら、そのキャラを編集できる画面が出てきた。
「ここで目とか眉毛とか、口とか。髪型もできるし、これは服装まで作れるやつだね。これなら簡単でしょ?」
それなら簡単に作れそうだなと思い、すぐにインストールする。同じように画面を見ると、いい感じのタッチがあったりして、それをパズルみたいに組み合わせるだけという感じ。美術センス皆無の俺でも何とかなりそうだ。
「次の小説ででも試しに使ってみるわ。」
「出来上がったら見せてね。」