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個性的な僕たち

少女漫画の読みすぎと後輩に言われてから思いついた話です。実際今少年漫画にハマってたりしますが、どうか登場人物を可愛がって下さい。


昼休みの教室


「で,このセリフがいーの!かっこいい!!」


「はい。うるさいよー。みんなに迷惑だかんねー。」



夢見る少女な女、舞原 華は少女漫画オタク。



「また騒いでんなー。黙ってりゃ隣に歩かせてーくらいたのに。」

杉岡 圭斗は俺にぼやいた。


「お前それ何度目だよ。キモオタクをよくそんな目でみれんなー。」


舞原に聞こえるような声で俺は言う。本人は騒いでて気付いてないけど。




放課後


部活で忘れ物をした俺は走って教室に向かった。


ガラッ

教室には窓際で舞原がせつなげに読書をしていた。


「うぅ。」


俺が教室に入ったのも気付かず涙を流していて、巻き込まれたくない俺は見なかった様にバックを持った。その時ガタッと机が動いた。



「あれ?吉井いたんだ。」


涙垂れ流しのまま舞原は俺を見て言った。


「ねぇ!ちょっとこのシーン見てよ!」



来た。少女漫画なんて興味ねーし。けど、うるうるとした目で上目使いされっと断れねー!!



「あー?」


表紙はムダに目がデカくてキラキラした女と男が背中をあわせていて、いかにもむずがゆい。早くこの本から逃れたい俺は、ペラっと一ページ目を…。



何?何だコレ。


「ねっ?面白いでしょ?」


舞原の声より漫画から目が離せない。いや、エロい!!俺が持ってるエロ漫画よりはるかにエロッ。



「で、このシーンがね。」


ズイッと舞原が体を近づけて来た。


「は!?オマッ おまえっ泣いてたのこのシーンかよっ。」


そのシーンとは女が男のピーをピーしてるところ。


「だってやっと、やっと舐めれたんだよっ。」



つ…ついていけない。ひそかにいいなと思っていた俺がバカだった。



「わりー。俺部活戻るわ。」


俺はフラフラと教室を出た。



「作戦1成功。」


舞原がそんな事を呟いたなんて気づきもしなかった。


次の日の通学路


「はよー!」

バシンッと悪友の荒城 (きよ)に背中を叩かれ、俺は前によろけた。


「うっす…。」


「あんれー?いつもは百倍にして返すミッキーがどったの。アレのやり過ぎかぁ?」


「ミッキー言うな。幹也だ。つか朝から下ネタマジ勘弁。」


自分が意外と純粋だと知った15の夜。夕べ一睡もできなかった。



「あれ?舞原じゃねー?」


ギクッ。朝から会いたくねーヤツと…。


「スーツの男といるぜ。オタクのくせにやるナー。」


俺はキヨの目線の先を見た。そこには昨日見た少女漫画もといエロ漫画に出てきそうな いかにも紳士的な男と腕をくむ舞原がいた。


「ってあれ現国の有野じゃん。」


「マジかよー。噂流しちゃいますか?」


キヨの悪ノリ来た。


「つまんねー。」


「オイ。今日ノリわるいぞ。幹也の目の下クマできててキメエし。」


「うっせ。キヨの前髪のがキメエ!」


なぜかいつも前髪をカールしているキヨ。


「これが俺のポリシーだ!」そんなやりとりをしていると靴箱についた。

「おはよ吉井。ついでに荒城。」

まばゆい笑顔の舞原サン。


「おっす。」


「ついでかよ!それより舞原チャンさぁ。いでっ。」


「行くぞ。おまえ数学見せろって言ってただろ。」


「ミッキーだいすきー。いってー何で殴るんだよ!」

二度キヨを小突いて教室に向かう。ふと振り向けば舞原はいなかった。

「何だよつまんねー。」

俺はぼそりとつぶやいていた。



夕べ頭の中に雑念が浮かびまくった。舞原にエロさを負けた。男としてなんか…。うん。男らの年なら女の子のが精神年齢は成長してんだろうけど、悔しい。やっぱ実践が一番か?いや、さすがに俺のキャラ的にキスまでだろ。


「吉井君。机早くひいて。」

いつの間にか掃除の時間だった。

「はぁ。」

無意識に出ていたため息。


「よっしーどうしたの?」

クラスのマドンナ 桜 未来が話しかけて来た。いつ見ても目の保養になる。


「桜には関係ねぇし。」


「あはっ。何よソレー。そーだ。最近モテるらしいね?」


「嫌味かよ。モテねーし。」


桜の言う事はちょっと当たってる。舞原の事で忘れていたけどなぜかよく告られれる。モテ期なのか、からかわれてんのか分かんねぇけど。



「こらっ。何話してんだよー。」


「キヨ、トイレ掃除だろ。」


「未来に着やすく話しかけないでくれるー?」


こわっ。チャラいヤツが真顔になると迫力があるのはナゼだろう。キヨは女絡みになると容赦ない。


「もぅ。キヨってば。」


「ダメだぞー。男はオオカミだからな。ガオー。」


「きゃーっ。」


はいはい。やっとけやっとけ。とか言いつつ二人みたいなバカップル正直うらやましいと思う自分がいる。



「あ。そだ、幹也また呼ばれてたぞ。なんか…場所忘れた。みく~俺ケガしたんだよ。保健室行こうぜ~。」


「もう。違うことが目的でしょ~。」


「当たり~。」


そのまま二人は教室を出た。


おい。俺どこに呼ばれたんだよ。今日部活休みだし。教室で宿題でも終わらすか。



「吉井っ。」

やべ。俺寝ちゃったか。パチッと目をあけるとそこにはドアップの舞原がいた。



「ぐわぁっ!」

ガタンッ

俺はイスからおちてしりもちをついた。


「いって~。何してんだよ!大人しくエロ漫画読んどけボケッ。」

「ぷっ。顔真っ赤ぁ。カワイー。」パシャッ。いや、パシャッて何で写メってんだよこの女。頭おかしいだろ。


「それかせっ。」


「ちょっ やめてっ。」


もちろん携帯を取り上げようとしてるだけです。

ガタタンッ。


「よし。消すから…な。」


「…。」


俺何で舞原の上に乗ってんだ?ヤバい。


「それよりさ。昨日の続きしよ?」


「いやいやいや。昨日何もしてねーじゃん。」


「間違えた。さっきの続きだね。」


動けない。意味分かんねぇ事言われてんのに。動きたくない。漫画オタク女なのに。



俺はゆっくり舞原の小さな唇に自分の唇を重ねた。フレンチキス。

「じゃ。俺帰るから。」


「分かった。」


引き止められると思った。舞原の唇の感触は初めてじゃない。


―さっきの続きしよ―

そうか。舞原は俺が寝てる時 キスしたんだ。



「俺さまだ分かんねーけど、舞原の事女子の中では一番気になるから。」


ハズいから舞原に背を向けていた。


「うん。私はどうだろうね?」


「おまえ覚えとけよ。」

振り向いた時、舞原の顔は林檎みたいに赤くてうつむいていた。


ここで俺の胸はドクンと跳ね上がった。抱きしめてーけど今日はやめといた。


ふと外を見た。


「もう暗いし送る。」

「あっでも。うーん。ちょっと待って。」


舞原は電話をかけた。

「もしもし?はる兄あのね…うん。違うの…」

誰だ?ヤバい俺今何か黒い。


(ピッ)


「あ、おねがいします。」


「ん。」


気になるけど相手が誰か聞けなかった。かっこつけたいから聞かなかった。



このままさらいたい



なんて舞原が聞けば喜ぶのか?俺は本の中の男のまねはしない。


「吉井?どうしたの?」


「舞原ってさ、好きな人いる?」


「どうして?」


そこへ車が近づいて来た。ウィンドウがゆっくりおりる。


「華 やっぱ送る。」

「はる兄…。」


はる兄って現国の有野か。これで話が繋がったな。


「良かったな。俺失礼します。」


俺は無我夢中に走った。



イラつく。こんな自分嫌になる。



何だよ。期待させんなよ。


俺もうこんなに舞原のこと好きなのに。

家に入る前に二階の窓から隣に渡るヤツを見た。


俺は自分の家に入る前に、お隣の水田サンちの呼び鈴を連打した。バタバタと家の中から足音が近づいて来た。玄関のドアが開くとそこには、近所でも評判の光くんが爽やかな笑顔で立っていた。


「おかえりお兄さん。」


「誰がお兄さんだぁ?テメェまた人の妹の部屋に忍び込みやがって、何が“何でもできる光くん”だ。ただの泥棒猫だろうが!」


後半ちょっとひがみ入りました(笑)。


「はぁ。僕は大好きな可愛い雪ちゃんに呼ばれたらいつでも窓から入るだけだよ。幹也くんも分かんないかなぁ。何があっても駆け付けたい気持ち。」


俺はドキッとした。分からなくもない。光は中3で俺より年下のクセに。まだボケッとしてると思ったのに、本気で人を好きになるってこんなに人を成長させるんだ。


「って、光窓からじゃなくて玄関から入れって言ってるよな!」


「えーめんどー。」


「おら、ウチでメシ食うんだろ。」


光は一人っこで、両親は仕事で遅くいつも一人だ。本当は弟みたいにかわいかったりする。本人は口がさけてもいわねーけど。


「何かあった?」


「やっぱバレたか。」

「部屋上がったら?」

「や、母さんに何も言ってねぇし。」


「メシ8時だろ。まだ7時前じゃん。」


光はいつもは、ぼーっとしていて時々鋭い。たまに俺のが年下な気分になるくらいだ。てか有無を言わせねー。

「んじゃお邪魔しまーす。」


いつも思うけどこんな広い家で一人は寂しいよな。


「相変わらず殺風景な部屋だな。」


「必要なモノ以外いらない。それよりどした。ひょっとしてフラれた?」


「うぜー。まだフラれてねぇよ。」


俺ははっと自分の口をふさいだ。光ひっかけやがった。ニヤニヤ光が笑っている。とりあえず舞原の話をしてみた。



「ふーん。落ち込むところないよな。ってか幹也くんって、純ってか女々しくないか?」

「はぁ?殴るぞマジで。」


俺のヘロヘロパンチを光は楽々避けた。


「でもそんな女やめといたら?俺が可愛い娘紹介するからさ。」


「だっ。誰も付き合うとか言ってねーよ!」


コンコンと窓から音がした。窓の外で妹の雪が手をふっていた。


「ゆきー!」


「おいっ。雪おまえもんな事してんのか?」

窓から男の部屋に入る妹なんて見たくなかった。雪を抱き止める光。何で俺の周りはラブラブばっかナンだよっ。



「お兄ちゃんやっぱここにいたんだ。」


「雪まさか夜中とか来てねぇだろうな?」


「お兄さんゆきちゃんは僕がちゃんと受け止めてますから。任せて下さい!」


「今雪としゃべってるから。光ダマレ。」


はっきり言って二人をまだ認めてない。いや認めたくない。


「夜中はさすがに光ちゃんちに渡る事はないよ。」



「『夜中は』な。つーことは夜はあるってことな。」


「あ ご飯だって言いに来たんだ。お兄ちゃん行こ。」


信じてない訳じゃねーけど、女と男が二人きりで何もないとか無いだろ。他のヤツから見たらシスコンかもしんねぇけど、雪が傷つかずにすむならそんなの関係無いだろ。



「雪は先行っとけ。光ちょっと話がある。」

雪は光をちらっと見て部屋を出た。


「もうしゃべっていい?」


「あぁ。」


「幹也くん。僕が雪を傷つけると思ってるだろ?傷つけないよ。あの時みたいに子供じゃないから。」


「雪は許しても俺は一生許さねぇから。雪に関しては信用できねぇ。」


「ふぅん。お腹すいたなぁ。早くいかないとタイセツな家族待たせるよ?」


悔しい。俺しか知らない光の悪魔の部分。誰にも言えないんだ。ふと舞原が頭によぎった。前を歩く光は、いつの間にか俺より高くなっていた。



家に入ると母さんから子機を渡された。


「誰?」


「男の人みたいよ。」


なんじゃそりゃ。母さんらしいけど。


「電話代わりました。」


《もしもし。有野です。》


「こんばんは。何か用ですか有野センセ?」


《伝え忘れていたから電話したんだが、作文出してないのは吉井だけだ。単位落とすぞ。》


「は?脅しっスか。」

《明日までに書け。以上だ。》


「ちょっと待って下さい。そんな事の為にわざわざ電話しねぇだろ?」


《クスッ。舞原 華のこと知りたいか?》


「…。」


《明日の放課後準備室で待ってる。ブチッ…ツーツーツー》



舞原か。知りたければ本人に聞く。…ムカつく。何より有野に聞いて近道しようと少しでも考える俺自身に腹立つ。



有野の挑戦状受けて立つ。売られたケンカ買ってやろうじゃねぇか。


気合い入りすぎて朝5時に目ぇ覚めた。二度寝してもだりぃから、久しぶりに走ることにした。玄関を出ると朝の匂いがした。鼻にツンとくる寒さが心地よい。



しばらく走ると後ろから声がした。


「吉井?」


「おー、杉岡。」


サッカー部のエース杉岡は、一つも息を切らさずに走って来た。流石毎日走ってるだけある。



「また走り始めたのか?それとも、モヤモヤするから走ってるだけ?」


「どーせ後者だよ。」

「オレ今日告ろうと思ってんだ。」


いきなりの話の展開についていけない。


「杉岡まさか」


「そ。吉井の言うキモオタクに。」


俺の心をみすかすように笑う杉岡から、何を言っても揺るがない意思を感じた。


「じゃ学校でな。」


「待てよ。」


俺は杉岡の肩をつかんだ。


「どうした?」


「今まで散々言ってたけど、俺もアイツのこと好きなんだ。」


それを聞いて杉岡はニッと笑った。


「あぁ。知ってたぜ。じゃーな。」


走り去るライバルを見て俺は固まっていた。あの自信は何処からくるんだよ。確かにファンクラブあるらしいけど。



それよりいつからバレてた?まぁ、ライバルは多い方が燃えるけど。



そして、学校に着くなり舞原と杉岡とすれ違った。杉岡の表情を見ると今から告るトコロをだ。気になる。めちゃくちゃ気になる。後をつけたい衝動を抑え、教室へ向かった。


席につくと、何かがガサついた。引き出しの中を見るとピンクの紙袋が入っていた。紙袋には…舞原のエロッ漫画が。俺は隠す場所がなかったので慌てて自分のカバンに突っ込んだ。ふと、机に女の子らしい文字の落書きを発見。



【興味ありそうだったから貸してあげるね】

「はぁ!?」


「さっきから何ゴソゴソしてーんの?」


「出た。口軽星人!」

キヨに見つかれば1日で全校に広がると言われている。



「みっきー まさかっ。」


「なっ何だよ!!」


「教室でオ」


「バカか。おまえの愛しの桜が来たぜー。」

「今ケンカ中なのー。別れよっかなぁ。」


キヨから別れるなんて初めて聞いた。


「縛られたくないし。」


「キヨがしばってんじゃん。」


「んー。そーいう意味じゃねぇんだよ。ま、お子ちゃまの幹也くんには分かんねぇかもな。」



「分かりたくもねーし。早く席につけよ。」

「はいはい。すぐ拗ねない。」



キヨが席につき、ふと外を見ると雨が降っていた。



―アイツらまだかな―


いつもは好きな雨も今日ばかりは、俺の心を重くする。


杉岡が戻って来た。


「舞原は?」


「あ―。今その話やめてくれ。」


その言葉に俺の胸はざわついた。杉岡からほのかに香るアイツの匂い。無意識に教室を飛び出していた。学校で一番の告白スポットといえば…階段裏。



「舞原!」


一足遅かった。舞原は有野に抱きしめられて泣いていた。


ストーカーと思われても後をつければ良かった。ヒーローがタイミングが良いのは絶対そのせいだろ。



「舞原!」


もう一度呼んだ。いや、叫んだ。俺はもう退かない。



「今はちょっとそっとしてくれないかな。」

有野がイラついていた。いつもは冷静で眉一つ変えないあの有野先生をここまで変える舞原。心がチクチクジクジクする。


「放課後とかまどろっこしいのナシにして、今話してくんねーかな。」


「華を保健室連れてってからね。」


舞原は泣き疲れて眠っていた。有野の胸で安心して眠る彼女なんて見たくなかった。



「華をこんなに泣かせた男を許さない。」


有野は舞原を抱き上げて歩き出した。俺は黙って後をついていくしかなかった。



俺は何も言えない。杉岡みたいに舞原の全てを奪いたいっていつも思ってるから。


「作文は?みたトコロ書いてないみたいだな。」


「あ、教室です。」


ガラッ

俺は保健室の扉をあけた。先生は不在らしい。

舞原をベッドに下ろして、有野は俺を見た。


「華がいやらしい漫画読んでるのは知ってるかい?」


「はい。」


有野は眠る舞原の頭を愛しそうに撫でながらゆっくり話だした。


舞原と有野はただの生徒と教師だということ。俺にはそうは見えないけど。

エロ漫画を読んでる事は俺と先生にしか言ってないらしく、友達には普通の少女漫画を見せてること。何かを試すために。



「どういうことですか?」


「さぁね。あとは君たちの問題だろ。」


「それより先生がサボっても怒らないことに驚きました。」


「はぁ。華は君のどこがいいんだろうね。」

「うっ。それより舞原はケガとかしたんスか?」


「どこも怪我はないよ。あぁ見えて華は…。教えない。自分で考えなさい。」


「なんスか。何もなかったなら良かった。じゃ俺教室戻ります。」

「男として、女の子のそばにいるプライドはないのか。ここにいなさい。オレは次授業だから。」


有野先生はいつもの無表情で保健室をあとにした。



「……。」

舞原は寝たまま泣いていた。触りたい。だから君の側にいれない。俺は指で彼女の涙を拭った。そして小さなピンクの唇に目を奪われた。キスしたい。



俺は欲望を抑えるため、カーテンをひき隣のベッドに寝た。目を閉じてもなかなか眠れない。



「んー。」

カーテン越しに舞原の声が聞こえた。


「はる兄いるんでしょ?このまま聞いてくれる?」


ヤベッ。俺有野だと思われてる。早いトコ言わねーと。


「人を好きになるって苦しいね。」


ズキッと心が痛んだ。グスッと泣く声が聞こえる。俺はカーテンを思い切ってあけた。


「ごめんっ。俺盗み聞きするつもりなかったんだけど…。」


ドンッ

「いってー。」

その音と共に後頭部に痛みが走った。そして舞原が俺に抱きついていて、ベッドからダイブされたんだと分かった。


「おいおい。普通ベッドに飛び込むだろ?全くなんなんだよ。」


とか言いつつ抱きしめる俺。


「もう作戦とかどうでもいい。私吉井が好きなの。」


「顔見て言えよ。」


「ハズいからムリ。」

しがみつく舞原。何なんだこのカワイー動物は。作戦とかよく分かんねぇけど、ゆっくり舞原を抱き起こした。

「俺はもっと好き。」うつ向く彼女の耳元で呟いた。


「えっ?」


「やっと目ぇ見たな華。」



3度目のキスは、スゲー熱かった。

心臓の音が伝わるくらい深い深いキスをした。


「ちょっ…ここ学校!」


「今さら?で俺たち付き合う?」


「いじわる。決まってるじゃん!」



そして彼女は俺にキスをした。不意打ちはヤバい。


「あはは!まっかー。」


「うるせぇ。教室戻るぞ。」


手を繋いできた華。めちゃくちゃ嬉しい幸せな時間。



単純な俺は、この時すっかり忘れてた。恋愛は人の犠牲からも成り立つ事。そして、やっと彼女になってくれた舞原 華が泣いていた本当の理由を。

まだ続編を書きたいと思ってます。華ちゃんや光くんの過去。そして、主人公のヒミツを書きたいです。

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