第一話 始まりの町
久しぶりの投稿です。
よろしくお願いします。
この世界にはまだ時計が発明されていないため、決まった時間という概念が存在しない。人々は太陽の位置を頼りに生活のリズムを作り、予定を立てていた。
夕暮れが近づくこの時間帯、大通りは仕事帰りの人々で賑わい、露店では賑やかな呼び込みが行われている。
「新鮮なバイソン肉だよー! 早い者勝ちだ! そこの嬢ちゃん、買っていかないか!」
「おじさん、チャックロースはまだ残ってますか?」
「おお、もちろんだ。ちょうど2キロ残ってるよ。かわいいシスターに免じて2割引にしてやるよ。」
「ありがとうございます、お肉屋さん。これで孤児院の子どもたちも喜びますわ。あなたに神のご加護がありますように。」
「まいど、まいど。神様の加護なら商売繁盛間違いなしだな! ガハハハ!」
教会が運営する孤児院では、贅沢な生活とはほど遠いものの、特別な日には少し豪華な食事が振る舞われる。今日もそんな特別な日だった。今日は「英雄を称える日」。400年前、英雄ジーナはビーストの軍勢を唯一残った要塞で食い止め、彼を含めたドワーフ、エルフ、ハイヒューマン、魔女のパーティは魔王城に潜入し、見事に魔王を打ち倒した。互いに争っていた各種族は、これを機に一致団結、より強固な絆を築いた。
「スープの下ごしらえもしないと…間に合うかな?」
孤児院のシスター、メラニーは独り言を漏らしながら、市場でミサの歌を口ずさんでいた。新鮮な野菜や肉を買い求める声が市場のあちこちで響いている。ここネボ町は賑わいを見せ、経済も順調に回っているようだ。
だが、ビーストと呼ばれる魔物がはびこるこの世界では、町を守るために武力が欠かせない。そこで、少数精鋭でビーストを追撃し、探索を行う冒険者たちが活躍している。
ネボ町は、デラル帝国の西側に位置する大きな町で、隣国へ通じる主要な通過点でもある。元々は小さな農村だったが、商人たちの間でその価値が噂され、瞬く間に発展を遂げ、国内でも有数の町となった。人口も急激に増加し、冒険者たちが集まる町として繁栄している。
もう大学卒業間近ですね。
仕事が始まる前に書き溜めないと…