また会おうね
「おはようございます。ルイ様」
……ルイ?
「ルイって……あぁ、俺か……っつ!!」
そう言った瞬間電流が走り色々と思い出す。
「ルイ様?」
「な、なんでもない。おはよう」
一瞬自分が女って事忘れてた。にしてもおはようか。何年ぶりだろう。
「ふふっ」
「な、何?何かおかしかった?」
「いえ、寝癖が」
「あー」
髪なんて切った事ないから長いのには慣れているけど気にしたことなかった。
「よろしければ髪梳かしましょうか?」
「ほんと?助かる」
女性の髪なんて触ったことないし梳かし方も分からない。
「ルイ様の髪は綺麗ですね」
「そ、そう?」
そんな事言われたのも初めて。ずっと気持ち悪いと言われ育った過去……。そういやイナンナが言うには逮捕されたんだっけ。
「ルイ様。髪型どうされます?」
「えっと……昨日と同じで」
「分かりました」
だから。だからこんなに優しく温かくされると
「ルイ様?」
「ご、ごめん!なんでもない!」
勝手に涙が溢れ出してしまう。私の知らない温もりを感じるのだから。
「朝ご飯にしましょうか?」
そう言いながら抱きしめられる。
「うん」
「じゃあ村長。お世話になったわ」
「いえ、ルイ様。何時でもまたお越しください」
「ありがとう」
「で、ルイ様」
「何?」
またまた嫌な予感。
「どの男を連れて行きますか?」
「だからいらないわよ!」
「おい」
「はっ」
「だからキャラ守れ!」
「冗談ですぞ」
そう言い高笑いする村長。あー、もう!この村長だけは苦手だ!
「じゃあまたね」
そう言い、村を後にする。
「ルイ様!お待ち下さい」
後ろから聞こえてきたのは女性の声。
「あ、朝の」
「良ければこちらお持ち下さい」
そう言って渡されたのは
「服?」
「ええ。ルイ様のお身体に合うように私たちで織りました」
「え?良いのに。これももらったし」
今私が着ているワンピースだ。
「いえ、これは私たちからどうしても渡したいのです。ルイ様がもし昨日……」
あぁ。そういうことね。
「うん。それじゃあ有難く貰うね」
「はい!」
両腕を使ってどうにか全部貰ったけどこれ持ってたら何も出来ないよね。どうしよう。
でも、こうやって感謝されるの初めてだから嬉しいや。