ミーナと
「で、この子がフロットさんに会いたいと」
「このガキがか?」
「師匠に対して失礼なやつじゃのフロットよ」
「師匠?そう私が呼ぶのはミーナさんだけよ」
「あの、フロットさん」
それを聞いて恐る恐る声をかける。
「何?」
「この子ミーナって言うんですけど」
「・・・は?」
「何ならその師匠しか知らぬ事をこの場でルイに伝えてもよいのじゃぞ」
「た、たまたま同じ名前で同じエルフってだけでしょ?」
「あれは主が20歳の頃エルフ以外が飲むと媚薬に」
そう言うとフロットさんは慌ててミーナの口を押え
「すみませんでした!師匠!」
そう誤っていた。
え?じゃあフロットさんが探していたのは本当にこのミーナなの?
「でもなんで写真と全く違うの?」
「まあそれはのんびり話すとしよう。フロットよ」
「は、はい!」
「酒の1つくらい出せ」
「ただいまお持ちします!」
あんなフロットさん見たくなかったな・・・。
「人語を使う魔物ですか」
「うむ。おまけに知能まで持っており魔法も使いよる」
そう言いながらミーナは透明なシュワシュワした何かを飲んでいる。
「それでその魔物は?」
「ルイが全部殺した」
「全部?」
「うむ。わしが生け捕りにしろと言うたにもかかわらず」
「いや!一言もそんなの言ってないじゃん!」
「あれはまさに修羅じゃったのぉ」
何か酷い言われようだよ。
「まぁわしの予想じゃがあの魔物たちは魔王の手先の息がかかっておる。おかげでわしはこんな体型じゃ」
そこからミーナはゆっくりと話し出した。それはまだミーナが写真の姿だった頃の話まで遡る。ソロではなくパーティーを組んでいた時の話。
周りは完全に魔物。それも全てハイクラス。これは助からないのう。魔王軍がこれほどまでとはのう。
「ここはわしが引き受ける!ファイヤーウォール!」
「ミーナさん!」
「早く逃げろ!全員死んでしまうぞ!ヒーラーが生きているうちに立て直せ!」
「は、はい」
「のう主ら」
「…っ!行くぞお前たち」
「ミーナさん!絶対また会いましょうね!」
「楽しい思い出をありがとうの」
今のわしに出来る最大火力じゃ。
「全て凍てつかせよアイスブリザード!」
「エルフか」
「なかなかの魔力持ちでこちらも多数の犠牲が」
こやつら…ヒトに擬態しておるが魔物か。にしては擬態したからと言ってそこまで人語を綺麗に操れるのか…。
「おい。そこの魔物よ」
「もう目が覚めたのか。流石エルフ」
「ちょっと首が痛くてのぉ。後、魔物臭くて爆睡も出来んわ」
「それは失礼」
「グッ!」
なんじゃ。魔力が急に無くなる。この鎖どこに繋がっているんじゃ…。ただの拘束具ではないと言うのか。
「っ!…魔法陣…」
しかも何じゃこの魔法陣は…。
「何人の命が奪われた!」
「貴女で50は超えますね」
「貴様らみたいな魔物が作れる魔法陣ではない!誰の差し金じゃ!」
「流石ですね。これを見ただけでそこまで分かるんですね」
「一体何を召喚するつもりじゃ!」
禁忌とされている召喚の魔法陣。それを知っているのはエルフの中でも数少ない。それを魔物が?有り得ぬ。確実にわしの知っているモノが携わっておる。
「神ですよ。私たちにとっての…ですが」
「魔王を復活させようとしておるのか!やつは300年前」
「これ以上お話の時間はありません。それでは」
「うっ!うわあぁぁあ!!」
そこでわしの意識は途絶えた。いや、正確に言うと途絶えかけた。
「異世界からーやってくるーにー会いなさーい」
その言葉に返事は出来ず気が付くと
「この姿じゃ」
そう言いながらミーナは飲みかけだったお酒を全部飲み干した。
「魔王が復活…したと」
「復活かどうかは分らんが少なくとも『おる』じゃろうな」
魔王が復活?あれ?私の使命って。
「イナンナ」
そう指輪に話しかける。
「んー。本当はーダメなんですけどねー」
そうイナンナが言うと指輪が光り
「私参上!」
「「えっ?」」
何だか嫌な予感がする。




