黒歴史?
黒歴史?
「兄貴、一回男辞めてみたら」
「アイドルなった方が良いですよ兄貴」
「しばくぞ、てかそのノリ辞めろ」
喉が潰れるから女声で歌ってこなかったけど、俺って才能あるな。でも男辞めるはまじで無い。
「次成美ちゃんだよ」
「……ずっと女声でやってくの?」
つい女声で喋ってしまった。
「~~♪ はい私も百点!」
「成美ちゃんも案外うまいな」
「まって、私だけ百点じゃないじゃん」
まてよ? 今まで美春に料理以外勝ったことないけど歌は美春に勝てるんじゃね?
「~~♪ はい私も百点!」
自分が馬鹿でした、すいません。
3時間後……
「あきた!」
「そりゃ3時間も歌ったらそうなるわ!」
現在の時刻は11時半、8時集合で30分男子から逃げ回り、3時間思いっ切り歌ったらもちろん飽きる。
「ご注文のポテトです」
「ありがとうございます」
丁度頼んでたポテトがきたので俺はポテトを食べる。
「そんなに食べてたら太るよお兄」
美春の言うとおりポテトを頼んだのはこれで3回目だった。
「俺女子じゃねえし、そもそも俺いくら食べても太らないし」
「「は?」」
何だろう……怒らせちゃったかな? 美春が怖い顔してこっちをにらんでくる。てか美春この事知ってるだろ。事実、いくら食べても太らないのは本当だ。なので妹である美春は知ってるはずだったんだが、それに対して成美は暗い顔してしょんぼりしている。何でだ?
「お兄さん、それ本当ですか?」
今にも泣きそうな声で言ってくる。
「ほっ本当だよ」
「うわーん」
泣いてしまった、何でだ? そう言えば女子に体重の話は駄目、て誰かが言ってたな。ラノベのネタでもちょくちょく出てくるし、取りあえず謝ろう。
「なっなんかごめん」
「うっ、ぐす」
「お兄最低」
美春がにらみつけながら言ってきた。辞めろ、それは俺に効く。
「まっまあほら、次行こうよ」
「ぐす、そうしよ」
「その前にお兄この曲歌って」
そう言いながら見せてきたのは、最近はやってるアニメの中のアイドルの歌だった。
「……踊りながら歌えと?」
「そうだよ?」
(まっまあ、一曲だけなら)
そう思ってた矢先、美春がスマホを取り出しカメラを起動した。
「とっ撮るの?」
「え? 当たり前じゃん」
「……まじか」
美春の圧に負けて了承してしまった。まあこれで許してくれるならいっか。
「貴方の~~♪」
「~~♪ やっと終わった」
「95点か~~ 一回しか見てないのに凄いね」
歌い終わった頃には美春はいつも通りに戻っていた。
「良いの取れた。ようつべに投稿しよっと」
「それはまじで辞めて」
冗談でもそれはまじで辞めて欲しい、ネットに黒歴史が残っちまう。
「そろそろ女装辞めてもいい?」
良い感じに丸め込まれてたが、やっと気付いた。これ以上黒歴史は生成したくねえ。
「いいよ、良いの撮れたし」
「お疲れ様ですお兄さん」
成美もすっかり戻っていた。
「美春ちゃん、後で動画送ってね」
「良いよ、何なら今送るね」
「……辞めてくれ」




