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勇者の二百文字日記  作者: ぱんなこった
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10月3日

10月3日 晴れだけど寒い


 泊まろうとしていた宿を追い出された。まぁ潰れかけていたから久しぶりの客といえど盗人を入れたくない気持ちはわかる。

 わかるが、俺は勇者だ。証文を見せても、それも盗んだんじゃないか?と言われたがな。

 寒い。外はひたすらに寒い。たき火をつけても寝る時は消さなければならない。

 ペンを握る手にも力が入らない。指先を真っ赤にしながら、俺は今これを書いている。

 俺は絶対に忘れない。この寒さを忘れてしまうのは悔しいから。

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