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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

笑顔にする少女

作者: kouei

「ねぇねぇ、最近、ごく小さな事で怒る人が増えていると思うの。怒りの沸点低すぎよね。やっぱり怒る人生より笑った人生の方が、毎日が楽しいと思うのよ。あたしみたいに。うふふ。だからあたしは人を笑顔にするお手伝いをしてきたわ。あ、怒っている人みーつけた!」


少女は足早に駆け出した。


 * * * * 


「わしはバイ菌か!ちゃんと手渡しするのが常識だろ!?」

 スーパーのレジでは、70代くらいのおじいさんが怒鳴りまくっていた。

 お釣りを手渡しせず、トレーへ置いた事に腹を立てているみたい。


『う〜ん、それどこの常識?。今のご時世分かっているのかしら?』

少女は憤慨しているおじいさんをじーっと見ていた。


女性店員さんはマスクの上からでも分かるくらい顔を真っ赤にしながらひたすら謝っている。


『店員さんが悪いわけではないのに、あんなに謝って可哀そう…。難癖つけるあのおじいさんが根性曲がりすぎているのよ。第一、あんなに怒鳴る必要あるかしら?そうか、笑い方を知らないのね。あたしが教えてあげなきゃ!』



「本日、××公園の茂みの中で、男性の遺体が発見されました。被害者は××区に住む青田剛三さん(73)と判明。青田さんはスーパーの帰りに何者かに…


 

「おじいさん、笑顔にできてよかったー! うふふ。ん?またどこかで怒鳴り声が聞こえてきた。あ、怒っている人みーつけた!」


 少女はまた足早に駆け出した。

  

 * * * *


「はぁ!? 何でこんなの押さなきゃなんねぇんだよ! 俺が未成年に見えるか!?おまえ、バカか!?」


 コンビニでは必ずある年齢確認ボタン。煙草を買うのにそのボタンを押すよう促されて憤慨したらしい。


『押してあげればいいじゃない。0.1秒もかからないわよ。まぁ、どう見ても40過ぎくらいのおじさんにしか見えないけど、あんなに怒る事もないんじゃない? そうか、笑い方を知らないのね。あたしが教えてあげなきゃ!』



「本日、××区の公衆トイレで、男性の遺体が発見されました。被害者は住所不定無職の石丸洋二さん(45)。石丸さんはコンビニの帰りに何者かに…」


 * * * * 


 ここはとある警察署内


 白いボードに貼られているのは、被害者である青田剛三さん(73)と石丸洋二さん(45)の写真。

 それを見ながら年配の男性と若い男性が会話をしていた。


「今月これで7件か。どうみても同一人物の犯行だよな」

「そうっすね」

「それにしても何で全員口の両端が耳まで裂けているんだ?」

「う〜ん、見ようによっては笑っている見たいっすね」



* * * *


「今日も何人か笑顔にすることができたわ!」


 あたしは人を笑顔にすることが好き。

 明日も怒っている人がいたら笑顔にしてあげよう!


 少女はニコニコしながら歩いていた。 

 右手に血まみれのナイフを握りながら…



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